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北村 謙典

北村 謙典
仕事内容
AIロボティクス/ソフトウェア設計
研究科・専攻
基礎工学研究科 システム創成専攻

2013年入社

ソニー株式会社
AIロボティクスビジネスグループ SR事業室

aibo™の運動制御のソフトウェア開発を通して、
ロボティクス分野に共通する課題のブレイクスルーに挑む。

現在の仕事内容

2018年1月に発売されたaibo™は、自律型のエンタテインメントロボット。オーナー様の言葉や笑顔などのしぐさ、頭や背中をなでられたことを感じ取り、瞳の動きや鳴きごえ、そしてボディランゲージを組み合わせた可愛らしいふるまいで応えます。ソニー独自のAI技術を搭載し、オーナー様とのやり取りを学びながら個性的に成長する一方、各個体で収集したデータはクラウド上に集合知として蓄積。他のaibo™とも情報を共有しながら進化させていく仕組みを実現しています。

aibo™の動きは、外界や自身の状態を「理解する」(認識・状況理解)、状況や知識をもとに目的を「考える」(知的処理)、目的をなすために「行動する」(行動計画・行動制御)、というサイクルにより実現されています。私が担当するのは「行動する」にあたる運動制御のソフトウェア開発。22個のアクチュエータを制御し、歩行やトラッキングといった基本動作を提供する他、aibo™の大きな特徴である可愛らしいふるまいを実現するため、運動軌道の生成やモーションデザイナーがイメージする動きを忠実に再現できるプラットフォームの開発を進めています。

仕事にかける情熱〜開発者とオーナー様が一緒になってロボットを“育てていく”

私が取り組む「行動する」の領域は、ロボットが身体を持ち、身体と環境の相互作用が発生するという点で、ロボティクス分野ならではの特徴があります。分野に共通する課題も多く、「即応性」という点もその一つです。たとえばaibo™は「お手」をするとき、事前に定義された「お手」を全身の表現として行うため、途中で叱られたり大好きなボールを見せられたりしても、それに対する反応が二の次三の次になることがあります。一方、本物の犬は、その状況によってしぐさが目まぐるしく変わります。現在は、このようなふるまいを単一の動きではなく、プリミティブな動きとして分割し、階層化して表現する取り組みを行っています。これにより、複数の部位を協調して動作させ、再計画された動きを即座に反映させることを狙っています。また膨大に集まってくるデータを活用し、そのような動きを自己学習させるアプローチも行っています。このような取り組みを通して、犬の本質的な部分を明らかにし、aibo™自身が持つ欲求や意図をより鮮明に表現できる仕組みを実現したいと考えています。

ソニーではaibo™のオーナー様と交流するイベントを定期的に開催しており、私たち開発者も参加して、オーナー様から直接生の声を聞いています。「ファンミーティング」と呼ぶこの活動で得られる声が貴重な情報なのはもちろんですが、「aibo™が家に来てから笑い声が増えました」といった愛情あふれる声を聞くこともでき、開発者として大きな喜びにつながっています。オーナー様とコミュニケーションを図りながら一緒にロボットを“育てていく”プロセスはとても新鮮で、aibo™の開発ならではの魅力だと思います。

この職種を志望される皆さまへ

多彩な研究成果、深い知見、先進的な要素技術をもつソニーならではの「総合芸術」を

「人と機械の関係をより密にする開発がしたい」という思いを持ってソニーに入社し、最初の約4年間は、VR・ARを駆使したゲームやプロジェクタなど次世代製品の研究開発に携わりました。その後、仮想世界から物理世界へと興味が広がり、2017年、社内の公募制度に応募して現在のグループに異動してきました。そのため、aibo™が「人と機械」の接点として家庭に深く浸透し始めている現在の状況には、大きな手応えを感じています。

aibo™の未来については、私たち開発者の間でもさまざまな議論が交わされています。愛玩犬のように人に寄り添い進化させていくのか? あるいはロボティクスとしての新しい機能を追究していくのか? 私自身はもう一歩踏み込んで、人の生活や社会に深く溶け込み、人と人との関係にさえ影響を与えるロボットの開発に興味があります。ロボットとの関わりから人がどう影響を受けてどう変わっていくのか——心理学的な領域も含んだ奥深いテーマです。すでにaibo™でも、長期療養中の子どもへの癒し効果などの研究(*)が始まっています。

ロボットは「テクノロジーの総合芸術」ともいわれるように、多様な技術の複合体です。aibo™や今後のロボットがどのように進化するとしても、ハード・ソフト両面に多彩な研究成果、深い知見、先進的な要素技術を持ち、エンタテインメントまで手がけているソニーならば、aibo™に限らず、世界的にユニークなロボット開発にチャレンジができる、その実感が私にはあります。

(*)2018年12月から始まった国立成育医療研究センターとソニーによる共同研究。人の動きをみて反応し行動するaibo™の特長を通じて、子どものこころの発達過程を探り、癒し効果の検証を行う取り組み。

ソフトウェア・信号/情報処理

※ 所属は取材当時のものです。

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