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矢野 茜

矢野 茜
仕事内容
ヒューマンコンピューターインタラクションの研究
研究科・専攻
先進理工学研究科 物理学・応用物理学専攻

2009年入社

ソニー株式会社 R&Dセンター
統合技術開発フィールド インタラクション技術開発部 4課

「創造と破壊」を繰り返して人間の拡張・変容に迫り、
ソニーならではの体験価値をつくり出していく。

現在の仕事内容

パーソナルコンピュータにおけるWEBの登場を契機に、人と機器の接点であるUI(ユーザーインターフェース)の技術が発展し、スマートフォンでのタッチパネル操作、スマートスピーカーによる音声アシスタントの登場など、人と機器の界面が大きな進歩を遂げています。こうした人と機器・システムの相互作用をより高次元で実現するヒューマンコンピュータインタラクションに取り組んでいます。例えばSF映画などによく見られる近未来の部屋などの空間。人が帰宅すると、それを認識した部屋が自動で飲み物を出したり部屋自体と会話したりする空間を見たことがあると思います。端的に言えばそのような未来の人と機器・システムの関係を、ソニーが持つ画像・音声認識などの技術とインタラクション技術を統合してどのように実現できるのか。それを工学的なアプローチで研究しています。いまはまだ人間が「操作する」という認識を持って、スイッチを入れるなどの入力をすることで機器・システムが稼働しますが、AIやIoT、5G技術との組み合わせにより、機器・システムは自ら判断して自律的に動くことが期待されています。機器・システムが自律的に動くときの人間の意識・無意識の思考も推定して、人間の認知や行動がどのように拡張・変容していくのか。まさに「人間を深く知る」ことが研究開発のテーマになります。

音場スピーカーとぬいぐるみのプロトタイプ

仕事にかける情熱〜プロトタイプ開発でアイデアを形へと昇華させる

研究に取り組むに当たっては、コンセプトを形にして体感してみることを重視しています。この研究は、基本的には長期的な視野を持って掘り下げていくのですが、ある意味で終わりがなく暗中模索に陥ることもあります。そんなときには、お客様とのタッチポイントを持つ各事業部体の課題を解決する案件に対して、技術シーズや具体的なユースケースを考察しながらプロトタイピングを繰り返し、その成果を研究に反映させていくのです。人間を起点にするという観点では情報の提示ひとつとっても、音声を使うか映像を使うか、その表現やタイミングなどにもよって与える印象は大きく異なってきます。体験価値を最大限に引き出すという目的においては、フォームファクタを限定せずに想定するユースケースに合わせたインタラクティブシステムを開発し、実験と評価を通して有効な技術要素を明らかにしていきます。例えば最近私が取り組んだ事例に、AR(拡張現実)を応用したプロトタイプ開発があります。グループ会社であるソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの話題作『ゴーストバスターズ』の世界を、最新のAR技術によるゴーグルを装着して再現し、イベント会場内に現れるゴーストを退治する、体験価値創出のアクティビティです。仮想と現実の融合を図るためにロサンゼルスのカルバーシティに行き、必要な映画体験が何か実際に監督した方にアドバイスをもらいました。その結果、小道具・大道具や実世界の壁に触れるなど人間の体性感覚を利用して、ゴーグルに見える虚像とインタラクションをするといった視覚・聴覚・触覚的なフィードバックを組み合わせることで体験価値を上げる拡張現実のプロトタイピングにつながりました。こうした成果は、スポーツやコンサートなどのライブエンタテインメントの領域への応用も期待できます。観客をセンシングすることで新しい観戦体験を提供したり、ソニーの持っているVR技術やIPコンテンツを活用した体験価値創造など、お客様との新しい接点づくりができると考えています。

この職種を志望される皆さまへ

暗闇の中を進む中で、光射す「新しい解」を見つける醍醐味がある

このように研究テーマを抽象的に思索するだけでなく、グループにて保有している様々な知見を活かしながら、実際に形にして研究にフィードバックできることがソニーの強みです。ソニーグループの幅広い事業と連携し、多種多様な研究を進めている国内のR&Dセンターをはじめ、ヨーロッパ・アメリカなどの海外ラボを通して、センシング技術や新しい操作デバイス、材料開発の要素技術に取り組む研究者たちの研究成果を活かしたインタラクション技術開発などにも取り組める環境があります。そして、社内の多様な知見と意見に耳を傾け、自分の見立てたコンセプトでも違うと感じたら、思い切って180度方向を転換させるような「創造と破壊」がこの研究には必要です。そして私は、違うと判断したコンセプトや成果も、自分の研究テーマの引き出しに常にストックしておきます。一度寝かせることになったコンセプト等も、他のユースケースで試すと上手くいくことがあり、その差異に注目することで人間の行動変化における意識・無意識を推論し、さらに深く人間を分析できることもあるからです。研究を繰り返す毎日は、道無き暗闇の中を突き進むような感覚です。その中で突然光が射す瞬間、誰も発見していない新しい「解」を見つけたときの喜び。プロトタイプ制作過程で、真剣に、ときに笑い転げながらチームメンバーと議論し、アイデアや技術開発の可能性がどんどん広がっていく手応え。この繰り返しに醍醐味を見出せる人と一緒に、ソニーならではの人と機器・システムの新しい体験価値を創り上げていきたいと思っています。

ソフトウェア・信号/情報処理

※ 所属は取材当時のものです。

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