ニュースリリース

コンテンツメニュー
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
検索日と情報が異なる可能性がございますので、 あらかじめご了承ください。
2010年02月08日

世界初*1、ミリ波による「機器内高速ワイヤレス伝送技術」を開発

〜11Gbpsの高速データ伝送回路を0.13mm2の小面積で実現〜


 ソニー株式会社(以下、ソニー)は、電気配線を用いることなく、テレビなどの電子機器内部で、高速にデータを伝送する「機器内高速ワイヤレス伝送技術」を開発しました。
この技術により、機器内の複雑な配線をワイヤレス伝送に置き替えることで、基板やICの小型化や低コスト化を実現し、搭載機器の小型化、低コスト化、信頼性向上に貢献することが可能となります。

 近年、電子機器の高性能化にともなって、機器内のデータ伝送量が増大する傾向にあります。電気配線によるデータ伝送速度の限界から、大量のデータを伝送するために接続の配線数が増加する傾向にあり、配線数増大によるICサイズの大型化や、ICパッケージと配線基板の複雑化が問題となってきています。

 今回ソニーが開発した「機器内高速ワイヤレス伝送技術」は、ミリ波によるワイヤレス伝送を採用しています。ミリ波とは周波数が30から300ギガヘルツ、波長が1から10ミリメートルの電波で、周波数が高いことから高速データ伝送が可能であり、小さなアンテナでワイヤレス伝送ができるという特長があります。本技術は、ソニーが通信・放送分野の商品開発で長年培ってきた高周波技術を応用しています。具体的には、低消費電力のミリ波伝送回路を、送受信あわせて0.13mm2の小面積で40nmCMOS-LSI上に搭載し、約1mmの小型アンテナを用いて、14mmの距離で11Gbpsの高速伝送を実現しました。

 電気配線をミリ波による高速なワイヤレス伝送に置き換えることにより、配線数を削減し、ICの小型化やICパッケージと配線基板の簡素化が可能となり、搭載機器の小型化および低コスト化に貢献します。また、非接触伝送の特長を生かして、可動部や着脱部の信頼性を向上させることも可能です。

 ソニーは、今後本ワイヤレス伝送技術の電子機器への応用を進めるとともに、更なる高性能化へむけての研究開発を継続してまいります。

 なお、本内容を2010年2月7日(日)〜11日(木)に米国サンフランシスコで開催される「ISSCC 2010」にて学会発表いたします。

■開発品の主な特長

1. 機器内伝送に特化した回路をCMOS-LSI上に実現
  ソニーが長年培ってきた高周波技術を用いて、CMOS-LSI上に、機器内伝送に最適化した、小型、低消費電力のミリ波伝送回路を実現しました。CMOS-LSI上に0.13mm2の小面積で搭載できるので、本ミリ波伝送回路を大規模なシステムLSIに、低コストで組み込み、1チップ化することが可能です。
   
2. 注入同期方式*2の採用により小型・低消費電力と機器内伝送に必要十分な伝送距離を両立
  低消費電力で十分な距離の伝送を行うためには、受信器を送信周波数に同期させる同期検波が有効ですが、同期検波に広く用いられているPLL(Phase Locked Loop)をミリ波に適用すると、回路規模が大きくなるという問題があります。本技術では、受信回路に注入同期方式*2を採用することにより、小規模な回路で同期検波を実現し、小型・低消費電力と機器内伝送に必要十分な伝送距離を両立させました。

この技術により、約1mmの超小型アンテナを用い、70mWの消費電力で、伝送速度11Gbps、距離14mmの伝送に成功しました。なお、伝送距離は、指向性の高いアンテナを用いることにより、50mm程度に伸ばすことが可能です。

*1 2010年2月時点(ソニー調べ)
*2 受信した信号を発振器に入力することによって、発振器を入力信号に同期させる方式

  • <「機器内高速ワイヤレス伝送技術」のブロック図 >

このページの先頭へ