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2010年08月20日

1本のケーブルで機器内データ伝送と電源供給が可能な技術を開発

〜 可動機構を持つモバイル機器のデザイン自由度・信頼性を向上 〜


 ソニー株式会社(以下、ソニー)は、データ伝送と電源供給を1本のケーブルで行なうことを可能とする信号・電源統合伝送技術「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」を開発しました。
この技術により、モバイル機器の折り曲げや回転などの可動機構部内における映像、音声、制御信号や電源など、これまで数十本のケーブルで行っていた機器内配線を1本のケーブル(銅線)にまとめることが可能になります。可動機構を持つモバイル機器のデザインの自由度、信頼性や耐久性の向上に寄与する技術として、早期の実用化を目指します。

 近年、モバイル機器の高性能化・ディスプレイの高画質化が進み、データ伝送量の増大により接続配線数が増加する傾向にあります。その結果、インターフェース用のコネクタが大型化し、また、ケーブルの折り曲げが難しくなるという課題が出てきました。

 今回ソニーが開発した「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」は映像、音声、制御信号等、複数種類の信号を時分割多重※1することにより、1本のケーブルで各種信号の双方向伝送を可能としました。さらに、その信号線に電源も重畳しています。また、独自開発の多値符号※2を用いることで、直流成分を抑圧し、かつ、使用する周波数帯域を抑えて、電源供給とデータ伝送の高速化を図っています。

 ソニーは本技術の早期実用化に向けて、周辺技術分野で実績のあるローム株式会社(以下、ローム)とアナログ部の試作チップの共同開発を行い、技術検証をいたしました。
 今後は、今回開発した技術のうち、ソニーが開発したデジタル部のIPをロームへライセンスし、アナログ・デジタルを合わせた送信側・受信側、双方の回路の1チップ化を進めます。

※1 時分割多重: 通信回線を一定時間毎に区切ることで、各時間毎に別々のデータを送受信する方法。
       1本の回線で複数チャネルの通信が可能となる。
※2 多値符号: 伝送対象となる入力信号を取り込み、これを多値のデジタル信号に符号化すること。

今回の開発のポイント

1. 時分割多重により、1本のケーブルで複数データの双方向伝送を実現
映像(ディスプレイ、カメラ)、音声、制御信号を含むパケットを、1本のケーブルで伝送するために、独自の時分割多重方式を開発しました。さらに、個別に同期を保持する仕組みを取り入れることにより、ディスプレイとカメラなどの異なる信号を双方向で伝送することが可能となりました。

2. 独自開発の多値符号化技術により、周波数帯域を抑えつつ高速化を実現
開発したハードウェアは、(1)多値符号化を行うデジタル部、(2)データの送受信を行うアナログ部、(3)直流電源の重畳部で構成されます。直流成分を持たない独自の多値符号化技術の開発により、高速で周波数利用効率の高い伝送を実現し、電源も重畳することが可能となりました。試作したシステムにより、高い伝送速度(940Mbps)が得られることを実証いたしました。

試作システムにおける技術仕様(暫定値)

  伝送信号 : 映像(Display/Camera)、音声、制御信号
  伝送速度 : 940Mbps
  消費電力 : 伝送時10~80mW(0~940Mbps)、スタンバイ時0.3mW※3
  電源電圧 : 1.5V/3.0V
  伝送距離 : 60cm※4
  伝送電流値 : 600mA※4
  動作周囲温度 : -20~+85℃

※3 デジタル部(FPGA)は除く
※4 100Ω 平行2芯シールド付きケーブル #36を使用時

従来技術との比較

携帯電話の本体と表示部間の配線には、ディスプレイデータ、カメラデータ、音声信号、各種センサーデータ、各種制御データ、直流電源が含まれています。下記の表は、これらの配線を従来技術で行った場合と、今回開発した「機器内ワンワイヤ・インターフェース技術」で行った場合との比較です。

  従来技術の配線数(本) 本技術の配線数(本)
総配線数 ≒22 1
うち 電源配線 1 0
うち 差動線 5 1
うち 音声配線 1 0
うち その他配線 ≒15 0

上記の見積もりは、下記条件を前提にしています。
    ・ 画面表示:WVGA解像度、ディスプレイ側に搭載のカメラ:VGA解像度
    ・ 音声と直流電源の配線を含む。
    ・ タッチパネル等のセンサー類の制御(2種)と情報取得あり。
    ・ 4個のキースイッチ情報取得と、2個のLED点灯制御あり。


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