ニュースリリース

コンテンツメニュー
ここに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。
検索日と情報が異なる可能性がございますので、 あらかじめご了承ください。
2012年01月26日

暗号技術「CLEFIA(クレフィア)」が国際標準規格に採択


 ソニー株式会社(以下、ソニー)は、2007年に開発発表しました共通鍵ブロック暗号アルゴリズム「CLEFIA(クレフィア)」について、ISO/IEC(※1)への標準化提案を進めてまいりました。このたびISO/IECでの最終承認を経て、「CLEFIA」が軽量暗号(Lightweight Cryptography)の国際標準規格ISO/IEC 29192(※2)の一つとして採択されました。

 近年、多種多様な機器のネットワーク接続の増加により、お客様の安全なネットワーク利用を支える情報セキュリティ技術が不可欠となっています。なかでも、ハードウェア規模やメモリ等のリソースが限られた機器や、省電力性が求められる機器でのセキュリティ確保のため、これらの機器への実装に適した軽量暗号技術が注目されています。このような状況の中、情報セキュリティ技術の国際標準化を行っているISO/IEC JTC 1/SC 27(※3)がISO/IEC 29192を定め、「CLEFIA」が同規格の要件を満たすことが認められて採択が実現したものです。

 「CLEFIA」は、米国政府標準暗号 AES (Advanced Encryption Standard)と同じインタフェースに対応し、ブロック長が128ビット、鍵長は128ビット、192ビット、256ビットから選択可能なブロック暗号です。「CLEFIA」の最大の特長は、安全性を十分考慮した上で実現した高い実装効率にあります。「CLEFIA」開発においては最新の暗号設計理論をベースとし、高い安全性を保っております。その上で、コンパクトな実装に適した一般化Feistel(フェイステル)構造(※4)を採用、演算量を低く抑えても安全性を確保できる「拡散行列切り替え法」や、データ処理部と鍵スケジュール部の部品の共通化などを行っています。これらにより、従来は両立が困難であったハードウェアとソフトウェアでの効率的な実装を同時に達成しました。

 この高い実装効率により、「CLEFIA」はリソースが限られた機器や省電力性が求められる機器においても高い性能を発揮することが可能です。したがって従来の利用用途に加え、ISO/IEC 29192が適用対象として示す軽量暗号用途、例えばスマートカードやRFIDタグ、センサーネットワーク、医療機器などでの利用にも適しています。

 ソニーでは、今回のISO/IECによる国際標準規格化を受け、様々な機器やサービスにおける「CLEFIA」の利用シーンを広げる活動を推進いたします。また、今後さらなる発展が期待される軽量暗号技術の分野において、引き続き研究開発を行っております。(※5)

 ソニーは、これらの活動を通じ、お客様に安心して利用していただける情報セキュリティ技術への取り組みを進めてまいります。

※1 ISO/IEC
ISO (International Organization for Standardization) :国際標準化機構
IEC (International Electrotechnical Commission) :国際電気標準会議

※2 ISO/IEC 29192-2
ISO/IEC 29192-2, Information technology — Security techniques — Lightweight cryptography —
Part 2: Block ciphers

※3 ISO/IEC JTC 1/SC 27
ISO/IEC JTC 1は、ISOとIECの第一合同技術委員会 (Joint Technical Committee 1)で、情報技術(IT)分野の標準化を行っている組織。この下に分野毎のSubCommittee (SC)があり、SC27では情報セキュリティの標準化を行っています。

※4 一般化Feistel構造
Feistel構造は、ブロック暗号の構成法の一つで、旧米国政府標準暗号DESでの採用以来、多くのブロック暗号で採用されています。一般化Feistel構造はこの構造を一般化したもので、CLEFIAでは入力を4分割してそれぞれの間で演算を行う構造となっています。演算単位が小さくなることから小型実装に向いています。

※5 最新成果を国際暗号学会IACR(International Association of Cryptologic Research) 主催の国際会議
Cryptographic Hardware and Embedded Systems 2011 (CHES 2011)にて発表しました。CHESは暗号技術の実装に関連した研究成果を取り上げる会議です。

このページの先頭へ