CSR・環境・社会貢献

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工場の環境負荷を
低減する

ソニーは国内外において環境への配慮を常に意識し、製品だけでなく多様な生産にかかわる環境負荷を低減する取り組みをおこなっています。

環境に配慮した工場運営

環境負荷の低減に向けたソニーの努力は、製品が生まれる時点から始まります。例えば、CMOSイメージセンサーが生産されるクリーンルームには非常に高性能の空調装置が必要です。ソニーの高度なテクノロジー製品の生産に必要な極めて高い水準の生産空間を維持しつつ、クリーンルームのエネルギー効率を向上させるために、私たちは改善をおこなっています。

省エネ化を実現した新たなクリーンルームで、新しいCMOSイメージセンサーが作られる

高精度の製造工程を担うクリーンルームを、エネルギー効率良く支える

CMOSイメージセンサーは、スマートフォンやデジタルカメラの電子的な「目」となるもので、Xperia™やデジタルカメラから車載装置に至る多くの端末に搭載されています。CMOSイメージセンサーのような最先端の半導体はクリーンルームで生産されています。そして生産に必要な室温、湿度、クリーンな環境を維持するために多くのエネルギーが使われます。

すべての人々が環境負荷低減のために

現場の力で、環境に配慮した革新的な生産活動を

微細な加工処理を要する半導体の製造では、クリーンルーム内の環境を極めて高い水準に維持しなければなりません。そのためには社内の関係者の経験や知識を活用することが不可欠です。これが、質の高い製品と優れた生産性の実現に必要な厳しい室内条件を維持しながら環境負荷を低減する鍵になります。

事例1:長崎テクノロジーセンター

廃熱の活用

既存のエネルギーを活用して、効率を改善

廃熱リサイクルでエネルギー消費量を削減

長崎テクノロジーセンター(長崎テック)では空調システムに着目してエネルギー削減に取り組みました。半導体の製造工程ではクリーンルーム内の温度と湿度を一定に保つことが重要です。そのためには室内に取り込む外気の冷却や加熱が必要になります。

長崎テックではこれまで、外気の加熱に化石燃料で生成した蒸気を使用していましたが、工場内の製造装置が発する熱を活用することで、エネルギー効率を約2.1倍向上させることに成功しました。

[1] 空調装置からの空気の流れ [2] 冷却器 [3] ボイラー [4] 半導体製造装置

旧システム

これまでのシステムでは、クリーンルームの室温を正確に制御するため、ボイラーで生成する蒸気と冷却器で生成する冷水を使用して、取り入れる外気の温度を調節していました。クリーンルーム内に供給された空気は、クリーンルームの冷却に使われ、排気されます。製造装置の稼働時に発生する熱エネルギーは生産には活用されていませんでした。

新システム

新しいシステムでは、ボイラーで生成する蒸気の代わりに、クリーンルーム内の装置から出たまま捨てられていた熱(廃熱)を室温の加熱コントロールに活用しています。このようにエネルギー循環を完成させることで、廃熱を再利用して工場内の生産活動に活用でき、さらに化石燃料の消費量と二酸化炭素の排出量のいずれも削減することができました。

エネルギー効率と二酸化炭素の排出量削減に貢献

新システムでは2つの環境負荷低減を実現しました。第1に、廃熱の再利用により全体的なエネルギー効率を改善したこと。第2に、化石燃料の消費量を減らすことで二酸化炭素の排出量を削減したことです。以前のシステムでは約9,300トン/年であった二酸化炭素の排出量は、新システムでは約4,400トン/年に減少しました。これは約52パーセントの削減です。

[1] 一年あたり

生産活動に影響を与えない
省エネ施策

馬塲 新之輔

ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社
ファシリティ部門

長崎テクノロジーセンターでは主に、スマートフォンに搭載されるCMOSイメージセンサーという半導体を製造しています。世界中の皆さんにご満足いただける製品をお届けするため、私たちファシリティ部門のメンバーは、日夜、生産活動に必要なインフラの安定供給と効率よくエネルギーを活用できる環境作りに努めています。

私たちは「工場の廃熱をどこまで再利用できるか」をテーマに改善活動に取り組み、生産装置やユーティリティ設備の廃熱を再利用できるシステムを構築しました。これまでの経験を活かしながら、さらにデータを解析することによって、熱バランスをうまく制御する工夫を施しています。私たちの仕事は生産活動に影響を与えないよう省エネ施策を実施していくことです。「 地味にスゴイことやってるねぇ!」 と、今後も言われ続けたいですね。

事例2:ソニーデバイステクノロジー(タイランド)

柔軟な発想で空調の見直しを実施

必要な部分に絞ったスマートな空調システム

ソニーデバイステクノロジー(タイランド)では、半導体の組み立てと出荷がおこなわれています。「部分空調」システムを採用して空気の流れを見直すと共に、冷水の温度を高く設定することで、以前よりも大幅に少ないエネルギーでクリーンルームをコントロールすることが可能になりました。

[1] 空調装置 [2] 冷却された空気 [3] 加熱された空気 [4] 製造装置

旧システム

強力なファンが冷たい空気を天井から送りこみ、装置を含む部屋全体を冷却します。廃熱は床面の換気装置から送り出されます。

新システム

新システムは自然の原理を利用しています。冷却された空気は発熱している製造装置が置かれた床の高さに送りこまれます。熱くなった空気は自然に上昇し、作業エリアで発生したダストは熱くなった空気と共にクリーンルーム上部に運ばれます。その後ダストはフィルターにて取り除かれ、空気は再利用されます。

省エネ化とソニーへの貢献

空気の流れを最適化してエネルギー効率を改善

新システムは二酸化炭素の排出量を旧システム比で約67パーセント削減し、約4,000トン/年だった排出量が約1,300トン/年になりました。新しく導入されたHVAC1ユニットでは空調から出る空気を製造装置に直接向けることで、空気の流れを以前より効率良くコントロールできるようになりました。また、この新しい気流はクリーンルーム中のダストを生産エリアから天井まで運び、フィルターにてダストが取り除かれ、空気は再利用されます。

[1] 一年あたり

省エネとパフォーマンスの理想的なバランスをシミュレート

菊地 裕利

Sony Technology (Thailand) Co., Ltd.
CWS-Asia Pacific OFFICE

工場のエネルギーを管理する立場から、より少ないエネルギーで生産ができる工場の実現や、いかに環境負荷を低減できるかについて、常に探究しています。今回、自然原理を利用した空調に着目し、その導入に向けてシミュレーションやデータ解析を繰り返しました。従来の空調方式とは大きく異なるため、製造担当の方々にもご協力いただいて新システム導入が生産に悪影響を与えないことを検証し、実現に至りました。

この新システムはXperia™を組み立てるタイの工場(ソニーテクノロジー(タイランド))にも導入されています。アジアの他の工場でも近い将来ユーティリティ設備が更新されるため、それに合わせて省エネ化を進めていければと思います。今後は一層の省エネ化を図り、環境に配慮した工場から世界中の皆さんにソニー製品を提供するお手伝いがしたいですね。

  • *1Heating, Ventilation, and Air Conditioning(暖房・換気・空調)の略。