CSRレポート

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2016年9月7日更新

マネジメントシステムの構築とグローバルな安全衛生活動

安全衛生マネジメントシステムの構築

「ソニーグループ安全衛生基本方針」のもと、ソニーは全世界の事業所ごとに、OHSAS18001に基づく、もしくはOHSAS18001をベースとしたソニー独自の規格に基づく安全衛生マネジメントシステムを構築し、安全衛生に関する法令の遵守と自主目標の達成に向けて継続的な活動に取り組んでいます。
また、顧客企業から要請を受けている中国およびパンアジアの全製造事業所ではOHSAS18001の認証を取得しています。

グローバル共通活動

体制

ソニーグループでは、社員の安全と健康の確保を経営の重要課題の一つと位置づけ、グループ全社が一つのマネジメント体制で活動しています。
さらに、グローバルな安全衛生活動を推進するために「地域セーフティオフィス」および「地域セーフティオフィサー」を設置、任命し、地域横断的な活動を展開しています。
各地域において実施した安全衛生活動、監査や労働災害発生状況等の報告を基に、毎年経営層に対してマネジメントレビューを実施しています。
  • マネジメント体制図
ソニーグループ安全衛生ビジョン
「社員の安全と健康の確保を最優先する」という理念の下、ゼロ災害・ゼロ疾病を究極の目標とする「Vision Zero」を掲げて活動しています。
  • ソニーグループ安全衛生基本方針理念 ソニーグループは、社員の安全と健康の確保は事業活動に不可分な関係と認識し、安全で働きやすい職場環境を確保する。 ソニーグループ安全衛生ビジョン「Vision Zero」 一切の労働災害を許さず、ゼロ災害、ゼロ疾病を究極の目標とする

日本

日本のソニーグループ各社においては、安全衛生マネジメントシステムの国際規格であるOHSAS18001をベースとしたソニー独自の規格に基づき、安全衛生活動を推進しています。その中の特徴的な取り組みとして、労働災害に関連する労働衛生リスクだけではなく、事業所に多大な被害を与える可能性が高い「地震リスク」「火災リスク」「サイトセキュリティリスク」についても包括的に低減する「トータルリスクマネジメント」活動が挙げられます。また、各事業所の安全衛生活動に関する社内監査体制を構築し、定期的な事業所監査を実施することで、客観的な視点から国内主要事業所の活動レベルを可視化し、継続的改善を行っています。

日本地域重点施策
Vision Zeroの達成に向け、リスクアセスメントへの取り組みと、健康増進活動への取り組みを日本地域共通の重点施策に掲げ活動しています。

法令情報のモニタリング
日本の安全衛生関連法規の改正動向について、社内専門スタッフが法令データベースを定期的に確認して情報収集を行い、各事業所に適用されるかの判断をしています。適用を受ける事業所に対して改正情報を配信するサポート体制を構築し、全事業所での法令遵守を徹底しています。また、法令情報は安全衛生に関する社内広報紙へ掲載することで、社員の順法意識の啓発をしています。

北米(エレクトロニクス)

ウェルネス(健康増進)への取り組み
北米地域では、ソニー・ヘルスケア・プログラム加入資格がある全ての社員とその配偶者/ドメスティックパートナーへの健康増進への取り組みを行っています。この取り組みの目的は、対象者が健康かつ活動的な生活を過ごせるよう支援することにあります。
参加者は、ヘルスリスクアセスメント、バイオメトリックス・スクリーニング、健康アドバイザーへの相談等のオンラインや電話によるサービスの他、禁煙、減量、ストレス管理、血圧、糖尿病、栄養、スポーツ(運動とアクティブトラッカーを使用するプログラムを含む)のプログラムが利用できます。この健康増進へ取り組んだ参加者には、インセンティブが与えられる仕組みになっています。
他の事業所においても健康増進への取り組みを拡大しています。ソニーカナダ(Sony of Canada)では社員へよい食事と健康を促進するために新たにサラダバーを導入するとともに、夏季期間中は食堂の外のスペースにおいて地元農家によるファーマーズマーケットを開設し、社員へ果物や野菜を販売しています。メキシコ ヌエボ・ラレドにあるSony Service and Operations of Americasにおいては、毎日2回、ラテンのリズムと動きを取り入れた5分間の体操プログラムを開始しました。
ソニーDADCの物流拠点であるボーリングブルックでは今年、健康的なライフスタイルを推進するライフスタイル改善プログラム「ゲット・フィット・チャレンジ(Get Fit Challenge)」を実施しました。参加社員は5キロ、10キロ、ハーフマラソンのうちいずれかのレースにエントリーでき、スポーツクラブチェーン「エクスポート・フィットネス(Xport Fitness)」の6カ月有効メンバーシップを提供されます。2016年5月から9月までの間に実施されるレースに向けて、同クラブのさまざまな地域の施設でトレーニングクラスに参加できるほか、1回の個人指導も受けることができます。また、ビジター1名の同伴が可能です。
また、インフルエンザ予防接種については、接種を希望する全社員が、事業所内の医務室においても、あるいはバウチャーを使い全国展開している薬局チェーン店舗においても、接種が可能となっています。この措置は、毎年10月に始まり、期間として6カ月以上にわたり対応しています。
製造事業所では、職務資格に基づいて社員への定期健康診断や、必要に応じて産業衛生調査を実施しています。

リスク管理の監査と提言
北米地域のほぼ全ての事業所において、環境・安全衛生(ESH)、防災(Fire & Life Safety)に対してのコーポレート監査を継続的に実施しています。他にも内部点検や監査に加え、保険会社や保険ブローカーによる監査を実施しています。内部点検の目的は、安全衛生と5Sの観点から事業所全般を調査することにあります。この調査により事業所での潜在的なリスクが特定され、注意を要する項目が漏れなく指摘されます。この点検は、通常、事業所の安全委員会メンバーや担当部署から編成されたメンバーが実施し、事前に必要なトレーニングも行われます。実施頻度は月次で実施するものから半期に一度行うものまでさまざまです。また、保険会社や保険ブローカーによる監査は、通常、次の3つのカテゴリーに分類されます。
  1. 火災安全リスクの特定と指摘
  2. 電気設備のサーモグラフィック分析の実施
  3. 製造・オフィス両職場エリアにおけるエルゴノミクス視点からのリスクアセスメント
各カテゴリーにつき、必要に応じて、改善策が提言されます。
さらに、ソニーのコーポレートガイドラインに準拠して、ジョブリスクアセスメントを実施しています。現在の職務内容が反映された最新の情報にアップデートされているかどうか、定期的にレビューしています。このレビューには定常作業と非定常作業の両方が含まれています。
化学物質安全情報
米国の各事業所において、文書による危険有害性周知への取り組み(written Hazard Communication Program for chemicals)を実施しています。その内容には、安全性データシート(SDS)、容器への表示づけや社員への訓練などについての情報が含まれています。 これは、Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals :GHSに沿ったOSHAによる危険有害性周知基準(OSHA's Hazard Communication Standard: HCS)の改正に基づいた変更になります。米国では、潜在的な危険有害性物質にばく露された社員に対して、追加のトレーニングが求められるようになっています。
この改正が職場に導入されたことにより、新たな化学物質の薬品ラベルと安全性データシート(SDS)が必要となりました。カナダにおいても、本年度より政府のWHMIS(Workplace Hazardous Materials Information System)基準で同様の運用へ移行しています。さらに、対応可能な事業所であれば全て、ソニーの環境文書で規定された製品サプライチェーン上から特定の化学物質を管理・除去する手続きに従うことになっています。

AEDに関する取り組み
北米地域内の多くのソニー事業所において、心室細動や心室性頻拍の発生に備えて自動体外式除細動器(AED)を設置しています。ソニーアメリカ(Sony Corporation of America:SCA)では、傘下にある拠点毎にAED機器を少なくとも各1台設置する取り組みを実施しています。各事業所の社員は、AEDの操作方法を学ぶとともに、応急手当と心肺蘇生法(CPR)トレーニング受講が義務付けられています。AED機器は月次点検を行い、緊急時に使用可能な状態となるようメンテナンスしています。

中南米(ブラジル)

ソニーブラジル(Sony Brasil Ltda.)のマナウス工場では、安全衛生リスク低減プログラムを通じて継続的な改善を図っています。社員の行動様式を変えることにより、社員の安全意識を向上させ、労働災害の未然防止を図っています。

実施された活動やキャンペーンは以下の通りです。

感知と防止‐労働災害防止週間‐SIPAT
安全衛生に対する意識と責任感を高める安全衛生リスク低減キャンペーン「SIPAT」を実施しています。この催しは年1回行われ、社員は職場環境をテーマにしたレクチャー、コンテスト、くじ、演劇、啓発活動を通じて、労働災害や業務上疾病防止の重要性を学びます。社員が、職場の安全衛生を脅かす状況に対して、常に目配りができるようになることを目指しています。
災害防止のための内部委員会‐CIPA
ソニーブラジルは、労働災害および業務上の傷病を防止するため、ブラジル労働省発令の「連邦規範指令第05号(Federal Normative Instruction number 05)」に基づき、安全衛生担当者の予防措置や労働リスクアセスメントなどを支援する内部委員会委員を選任しました。
さらに安全衛生グループによる活動も実施しました。

  • リスク防止プログラム:
    社員の健康に配慮した労働条件の整備を目的とし、ソニーブラジル内の職場環境におけるリスクを特定、評価および管理するプログラムです。
  • 緊急対応計画トレーニング:
    関連の社員が救急手当や消防活動などの緊急対応を学びます。
  • 職場環境のエルゴノミクス分析:
    業務上の傷病防止のため、エルゴノミクス・プログラムを通じたモニタリングを継続しています。疲労による悪影響を軽減するため、勤務中の休憩時間を設定しました。

欧州

OH&Sリスク低減への取り組み
欧州地域の事業所では、安全衛生マネジメントを優先課題と認識し、労働災害の未然防止および社員の健康と幸福の向上を図るため2004年より安全衛生リスク低減プログラムを実施しています。プログラムは、主として次の3点から構成されています。
  1. リスクアセスメント
  2. 全社員に対する安全衛生トレーニング実施
  3. 事故/災害調査およびフォローアップ
そして、業務上疾病や休業日数削減に向けて年次での目標数値を設定しており、各事業所ではリスク管理活動や災害データ分析を基にした継続的な改善・取り組みを行っています。これらの取り組みは四半期ごとに行っているパフォーマンスレビューで進捗確認しています。また、毎年開催している欧州地域マネジメントレビュー会議において、経営層による地域内事業所における安全衛生活動の進捗・達成状況や災害データ等のパフォーマンスレビューを実施しています。ソニー・ヨーロッパでは、さまざまな安全衛生プログラムへの取り組みを通じて安全健康な職場環境の実現をコミットしています。
健康増進への取り組み
欧州のソニー事業所は、労働災害低減を目的としたリスク管理イニシアチブに加え、社員の健康増進に力を入れています。この取り組みでは、健康で意欲的な働き方を推進するだけでなく、健康についてのガイダンスを行い、社員の健康に対する意識向上を図っています。

ソニーDADC「ザ・ワン・フィット」
ソニーDADCは、職場環境を改善して社員の働きがいを高める安全衛生プログラム「ザ・ワン・フィット」を開始しました。このプログラムは社員の健康を増進し、意欲を高め、作業負荷を減らし、健康増進の活動を増やそうとするものです。目標達成のため、社員が運動する機会を増やし、健康への注意を喚起します。このプログラムは社員の健康増進や意欲向上に寄与し、ひいては労働品質の改善やスタッフ全体の能力開発につながると期待されています。ソニーは、安全衛生への投資は必ず社員の健康増進、コンプライアンス向上、コスト低減につながり、大きな投資効果を発揮するという信念を持っています。

2015年英国フレーム・アワード
ソニーUKテクノロジー・センター(Sony UK Technology Centre)は、職場における優れた健康増進の取り組みにより、「2015年英国フレーム・アワード(UK Flame Award 2015)」を受賞しました。同センターは社員のパフォーマンス向上を目指し、血圧測定からインフルエンザワクチン接種までの幅広い取り組みを行っています。併設のジムでフィットネスクラスや個人トレーニングを提供するほか、禁煙キャンペーンや「健康ランチウィーク」も実施しています。

パンアジア

パンアジアの工場で社員は多様な国籍と文化的な背景を持っているため、安全衛生活動の主な焦点の一つとして、教育と訓練を通した安全に対する意識向上に注力しています。
パンアジアのソニーグループ会社は、安全への意識を高めるための多様なイベントを開催しています。2015年度は、シンガポールのグループ会社の2つの事業所において、それぞれ1週間にわたって職場の安全衛生をテーマとした展示を行い、社員に宣誓カード「ビジョン・ゼロ」への記入を呼びかけました。タイの製造事業所Sony Technology (Thailand)では1カ月にわたり、献血や、結核やインフルエンザについての講習会などの健康イベントを行いました。また、マレーシア ペナンにあるSony EMCS (Malaysia) Penang TecとSony Technology (Thailand)において、交通安全キャンペーンを実施しました。

  • シンガポールのソニーグループ会社による展示

  • 社員がそれぞれ誓いを書き込む「ビジョン・ゼロ」カード

  • Sony Technology Thailandの健康増進イベント

  • Sony Technology Thailandの安全運転キャンペーン

  • Sony EMCS (Malaysia) Penang Tecの交通安全キャンペーン

中国

中国の製造事業所は、ソニーグループの一員として製造領域においてものづくりの重要な役割を担っています。ソニー社員の健康ならびに製造現場の安全確保とその維持に関しても、ソニーグループが今まで蓄積した知識と経験を生かした活動を積極的に推進しています。
具体的には、全製造事業所の安全衛生担当者が参加した横断的委員会活動を通じて、グループ統一の安全衛生マネジメントシステムOHSAS18001を導入し、全体統括する地域セーフティオフィスと各製造事業所とで、ガバナンスとオペレーションの仕組みを構築しています。
2014年度の製造工程の危険箇所の特定をするハザードマップ活動の推進に続き、2015年度には、全製造事業所対象に正しい危険源の特定と対策を図るためのリスクアセスメント評価手法の見直し教育を行いました。2016年度は、教育内容を元にしたリスクアセスメント実施と現場の安全状況の改善を図っていく予定です。
また、中国においては、経済発展にともない自動車の台数が急激に増えて交通事故も頻繁に発生しています。自動車や電動バイクによる通勤途上災害を低減するため、2014年度より自動車、電動バイク安全教育プログラムを開始し、さらに教育を強化するため2015年には電動バイク教育冊子を編集、社員に配布しています。
2016年3月1日付で、地域の統括機能と自律的管理を目指した組織強化も図られ、ソニーグループ安全衛生目標であるVision Zero達成に向けて、安全衛生活動のさらなる活性化を推進しています。

(電動バイク教育冊子 写真イメージ)

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE)

グローバル
  • SPEは、緊急時通報システム「Everbridge」の機能を強化しました。全社員が登録されている同システムを、避難訓練計画と統合するよう進めています。コミュニケーション機能の改善により、緊急事態の発生を速やかに通知し、同時に各社員の安全確認を行うことが可能になります。
  • 安全衛生チームは、安全衛生への意識向上を目的とする研修、安全規則の遵守に関する指導、エルゴノミクスに基づく支援を通じて、各事業所への働きかけを続けています。
  • SPEは2016年に初めて、全世界の拠点のうち従業員数26人以上の事業所の労働災害データをまとめました。このデータを利用し、世界中で社員の健康・安全向上への取り組みにおける重点分野を特定していきます。来年は全ての事業所でデータ収集を行う計画です。

北米
  • 北米のSPEでは、スタンディングデスク(立位・座位両用机)の導入を進めています。ソニーピクチャーズ・スタジオ内に間もなく完成する8階建のアキオ・モリタ・ビル、ニューヨークとバンクーバーの事業所などの拠点で、合計2,500台が導入されます。エルゴノミクスに基づくスタンディングデスクを導入し、必要なトレーニング情報を提供することで、従業員に一日中同じ姿勢で作業しないよう促し、健康的な職場環境を推進します。
  • 全米の映画およびテレビ番組の制作事業を対象とする「傷害および疾病防止方針(IIPP)」の改訂が完了しました。

EMEA(欧州、中東、アフリカ)
  • EMEA地域の危機管理チームを設立し、EMEAの事業拠点を対象とした危機対応計画の策定を進めています。
  • 心室細動の発生から2分以内に対応するという条件を満たせるよう、ロンドンのゴールデン・スクエア地区の全事業所に自動体外式除細動器(AED)を設置しました。また、ロンドンのほかの地区の事業所向けに追加購入も行いました。
  • 映画およびテレビ番組の制作事業を対象とした安全方針を立案しました。 この方針は既存および新規の制作事業に適用されます。

アジア太平洋地域
  • 地域の危機管理チームを設立し、地域内の主要事業所のための危機対応計画と緊急対応手順を完成させました。
  • 安全衛生への意識向上を目的とした研修を実施しました(日本、タイ、シンガポール、フィリピンの事業所)。
  • 安全衛生の法令遵守について指導を行いました(日本、タイ、シンガポール、フィリピン、台湾の事業所)。
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