2019年8月29日更新

気候変動への対応

ソニーの事業は、持続可能な地球環境や、人々が安心して暮らせる社会の上に成り立っているという認識のもと、環境や社会にかかわる取り組みをバリューチェーン全体にわたって継続的に推進しています。地球や社会の一員であるソニーにとって、気候変動への対応は取り組むべき課題のひとつです。2010年に策定した長期環境計画「Road to Zero」において、気候変動を含む4つの環境の課題について、2050年までに自社の事業活動および製品のライフサイクルを通して「環境負荷ゼロ」を達成することを目指しています。
また、ソニーは、金融安定理事会により設置された「気候関連財務情報開示タスクフォース (以下、TCFD) 」が公表した最終報告書 (以下、TCFD提言) への賛同を2019年5月27日に表明しました。同日に設立されたTCFDコンソーシアムに参加するとともに、今後、TCFD提言に沿って、気候変動関連情報の開示を拡充していきます。

気候変動に関する方針

基本方針
事業活動ならびに商品・サービスのライフサイクルに起因するエネルギーの使用を削減し、温室効果ガスの排出ゼロを目指します。

具体的には、環境中期目標として、下記の取り組みを定めています。
事業所においては、消費エネルギーの削減、エネルギー利用効率の向上、温室効果ガス排出の少ないエネルギーへの転換、使用する温室効果ガスの排出削減を最優先事項とし、同時に再生可能エネルギーの利用も促進します。また、エネルギー効率に優れた環境配慮製品・サービスの開発・提供を行うとともに、製造の委託先や部品や原材料の調達先への関与も進め、直接的・間接的な温室効果ガスの排出量削減に努めます。

ガバナンス

ソニーは、会社法上の「指名委員会等設置会社」を現時点において最も適切な経営の機関設計として採用しており、その下で、取締役会は、グループ経営に関する基本方針その他重要事項について決定するとともに、上級役員に対して、それぞれの責任範囲を明確にしたうえで業務執行に関する決定権限を大幅に委譲することにより、迅速な意思決定を可能にしています。
取締役会は、中期経営計画および年度事業計画を定期的に審議・決定しており、気候変動を含むさまざまなリスク・機会を踏まえてかかる審議・決定を行っています。そのうえで、上級役員が、経営計画、事業計画に沿った戦略の遂行、業務の執行を行い、適宜、その状況について報告を受け、議論する体制となっています。なお、現時点では、気候関連のリスク・機会に関する事項は、執行側で検討・実行することとされています。
かかる取締役会からの権限委譲を受けて、当社CEOは、地球環境に関する当社の理念や気候変動に関する事項を含む基本方針を定めた「ソニーグループ環境ビジョン」を定めています。また、取締役会により選任された環境に関する事項を担当する上級役員は、ソニーのグローバル環境マネジメントの基本的な枠組みを定めた社内規則である「ソニーグループ環境マネジメントストラクチャー」を制定し、環境担当部署を通じて、各ビジネスユニット・事業所によるソニーグループ環境ビジョンの実現に向けた諸活動や、ソニーグループ環境マネジメントストラクチャーの遵守・運用等を監督しています。
なお、CEOを含む上級役員の報酬方針および個別報酬額は報酬委員会で決定されますが、ビジネスユニットを担当する上級役員および執行役員の業績連動報酬の評価においては、環境に関する事項が考慮されています。

リスクと機会

事業リスクの把握と対応

環境問題に取り組むことは、持続可能な社会の実現を目指すソニーの信念であると同時に、事業の継続性の観点からもたいへん重要です。例えば、炭素税の課税や排出量取引制度の対象地域の拡大、製品に課せられる省エネ基準のさらなる厳格化などによる法規制に関するリスク、気候変動による異常気象や海面上昇などの物理的なリスク、さらに消費者の認識の変化がもたらす市場の変動など、環境に関連するリスクの把握に努めるとともに、想定されるリスクへの対応準備を進めています。

事業機会の創出と拡大

環境問題に取り組むことは、ソニーにとって事業機会につながり得るとも考えています。例えば、気候変動問題に関して、2015年12月に開催されたCOP21※1で「パリ協定」※2が採択されました。これに伴い、気候変動問題への社会的関心がますます高まっており、今後、製品の省エネルギー性能はいっそう重要な消費者ニーズになると考えられます。ソニーでは以前より、幅広い製品で省エネルギー化を進めていますが、このような社会的時流のなかで、省エネ製品への需要はさらに増していく可能性があると考えています。一例として、高機能と低消費電力を両立したソニーのイメージセンサーは、今後、車載カメラなどへの用途の広がりを見せる可能性があると考えています。

  • ※1 COP21 (Conference of the Parties 21) とは、気候変動枠組条約第21回締約国会議のことです。
  • ※2パリ協定とは、フランス・パリで開催されたCOP21において採択された、気候変動に関する2020年以降の国際枠組み協定のことです。

リスク管理

ソニーグループの各ビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署は、それぞれの担当領域において定期的にリスクを検討・評価し、損失のリスク管理のための必要な体制 (リスクの発見・情報伝達・評価・対応の仕組み等) の整備・運用に取り組んでいます。また、上級役員は、自己の担当領域において、ソニーグループに損失を与えうるリスクを管理するために必要な体制の構築・維持を行う権限と責任を持ち、かかるリスク管理体制の整備・運用を推進しています。さらに、グループリスク管理を担当する執行役は、上記各担当における体制の構築・維持を総合的に推進し、管理しています。また、かかる体制およびその運用状況については、定期的に取締役会が報告を受け、その妥当性について確認しています。
気候関連リスクについても、かかる体制の下、各ビジネスユニット、子会社、関連会社、社内部署が、事業戦略・事業計画を策定する際に、必要に応じて評価・分析を行っています。

指標・目標

ソニーは、ソニーグループ行動規範に基づいて、ソニーグループの事業活動における、気候変動も含めた地球環境に与える負荷を軽減するのが重要であるとの認識の下、「環境負荷ゼロ」を実現するための環境計画「Road to Zero」を2010年に策定し、推進しています。気候変動の視点からは、事業所での生産活動だけでなく、製品のライフサイクル全般で温室効果ガスの排出量を削減するため、環境配慮製品やサービスを開発・提供するとともに、事業所の省エネルギー化や再生可能エネルギーの導入を推進しています。また、製造委託先や部品サプライヤーにも温室効果ガス排出量の削減を働きかけることとしています。
2020年度までの環境中期目標である「Green Management 2020」において、製品のライフサイクル全般を6つのステージ (商品・サービスの企画および設計、オペレーション、原材料・部品調達、物流、回収・リサイクル、イノベーション) に分類し、それぞれのステージごとに4つの視点 (気候変動、資源、化学物質、生物多様性) からの具体的な目標を設定し、活動を推進しています。例えば、気候変動の視点では、製品の年間消費電力の平均30%削減や、事業所での再生可能エネルギー活用による30万トンのCO2削減等の目標を設定しています。
さらに、2018年9月、ソニーは国際的イニシアチブ「RE100」※1に加盟し、2040年までに自社の事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指すことを宣言しました。

  • ※1事業運営に使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が参加するグローバルなイニシアチブ。国際的NGOのThe Climate GroupがCDPとのパートナーシップの下で運営している。
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