CSRレポート

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2017年8月23日更新

生物多様性の保全活動の指針と事例

保全活動の指針

ソニーでは、生物多様性に対する方針を定め「ライフサイクル全般を通した自然資本の保全活動および生物多様性の保全活動により、生物多様性条約愛知目標(20の個別目標)の達成に貢献する」ことを目指しています。
事業所は近隣の自然環境や地域の生態系と密接に関係していることから、地域を含めた生物多様性の保全活動を推進することで、愛知目標の達成に貢献しています。具体的には、2011年4月から社内で導入している事業所の環境配慮を評価・促進する「Green Star Program」(グリーンスター・プログラム)を活用するとともに、生物多様性の配慮項目と施策を下記の表のように分類し、各取り組みを進めることが愛知目標の達成にも貢献すると社員に明示し、取り組みの意義を共有しながら活動を進めています。
生物多様性配慮項目と施策、および関連する愛知目標
配慮項目 関連する主な愛知目標
普及啓発
  • 生物多様性に関する教育、セミナーや講演会などの実施
  • 自然観察会の実施
目標1「普及啓発」:人々が生物多様性の価値と行動を認識する
調査
  • 生きもの調査、モニタリングの実施
  • 享受している生態系サービスの把握と配慮
  • 土地利用状況の把握
  • 地域の生物多様性保全計画の把握
目標19「知識・技術の向上と普及」:関連する知識・科学技術を改善する
環境整備
  • 生き物が生息しやすい環境の整備
  • エコロジカルネットワーク、緑の回廊への配慮
  • 立体的な植生の配慮
  • 在来種の採用
目標5「生息地破壊の抑止」:森林を含む自然生息地の損失が少なくとも半減、劣化・分断が顕著に減少する

目標10「脆弱な生態系の保護」:サンゴ礁など、環境の変化に特に弱い生態系を守る
悪影響への対策
  • 外来生物に対する対策
  • 排出物の生態系への悪影響への配慮
目標8「化学物質などによる汚染の抑制」:化学物質・肥料・農薬の汚染を有害でない範囲まで抑える

目標9「外来種」:侵略的な外来種を制御し、または、根絶する

目標12「種の保全」:絶滅危惧種を絶滅から防ぐ
保護・生態系サービスの保全
  • 絶滅危惧種の把握と保護
  • 野生動植物の保護区域指定
  • 地下水涵養
目標11「保護地域の保全」:少なくとも陸域の17%、海域の10%を保護地域などにより保全する

目標14「生態系サービス」:自然の恵みをもたらす生態系が回復・保全される
管理事項
  • 化学物質使用の適切な管理
  • 有機資源の有効利用
  • 物品購入による生物多様性の配慮
目標4「持続可能な生産と消費」:すべての関係者が持続可能な生産・消費のための計画を実施する
外部との連携
  • ステークホルダーとの連携 (団体支援含む)
  • 生物多様性保全活動を行っている団体への支援
関連する目標項目は活動内容による

普及啓発

生物多様性の保全に向けた活動を広めるためには、さまざまな立場の人が生物多様性の価値について理解を深め、認識することが必要です。ソニーでは「気づくことが、守ることに、つながる」をキャッチコピーにさまざまな生物多様性に関する普及啓発活動を行っています。また、これらの活動を通して、生物多様性条約 愛知目標の目標1「普及啓発」の達成に貢献していきます。

「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」を展開(日本、中国)

ソニーは、2015年5月より、環境NGOである公益財団法人 日本自然保護協会と協働で「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」を開始しました。本プロジェクトでは一般参加型の自然体験イベントや、SNSを利用した生きものたちの情報提供を行うことで、自然の面白さや生物多様性の重要性を多くの人に伝えています。2016年より、ソニー中国も「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」を導入し、同国各地の事業所において、生物多様性の啓発や保全活動を進めています。
また「わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクト」の一環として、日中両国で「生きものフォトコンテスト」を開催し、より多くの人と自然の面白さを共有しています。2016年開催のフォトコンテストでは、日本で1,070点、中国で971点の応募がありました。

  • 中国で開催された自然体験イベントの様子(上海植物園)

  • 2016年の日本のフォトコンテストで選ばれたグランプリ作品

調査

各事業所では、保全活動を行う緑地や周辺地域における生きもの調査やモニタリング調査を行い、調査結果を保全計画に反映することで、地域の生態系に配慮した保全活動を進めています。また、こうした調査結果を公開することにより、生物多様性条約 愛知目標19「知識・技術の向上と普及」の達成に貢献していきます。

生態系のモニタリング調査 (日本)

ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社 大分テクノロジーセンター国東サテライトでは、設立当初より保全している敷地内の原生林とアカテガニなどの海辺の生物が生息している海岸沿いにおいて、動植物のモニタリング調査を行っています。この調査により、2013年に絶滅危惧種のキンランとギンランの群生を発見し、以来、生育状況を観察しています。2015年より外来種調査も開始し、樹木の選定など構内の生態系の保全計画に生かしています。

  • 動植物のモニタリング調査の様子

事業所近隣の自然を定点観察 (韓国)

ソニー韓国では、オフィスビルに隣接する河川に生息する生物を定点観測しています。オフィス内に望遠レンズを装着したビデオカメラを設置し、そこから河川の様子を常時撮影するとともに、その映像をオフィス内のさまざまなモニターに映しだすことで、社員の生物多様性への意識向上にもつなげています。

  • オフィスビルからの定点観測

環境整備

生き物が生息しやすい環境を整備するとともに、例えば植栽に在来種を積極的に採用するなど、周辺地域の生態系に配慮した自然環境の保全活動を進めています。これらの活動を通して、生物多様性 愛知目標5「生息地破壊の抑止」や愛知目標10「脆弱な生態系の保護」の達成に貢献していきます。

事業所緑地の保全活動

日本のソニー株式会社 厚木テクノロジーセンターや湘南テクノロジーセンター、ソニーシティ大崎、ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社 幸田サイトのソニーの森、中国の索尼数字産品(無錫)有限公司(SDPW)などの事業所では、巣箱の設置、落ち葉や剪定枝による腐葉土づくりなど事業所の緑地において生物多様性に配慮した環境整備を行っています。

  • 中国SDPWでの落ち葉、剪定枝による腐葉土づくり

地域の自然の保全活動(英国、日本)

英国のソニーDADCの社員は、地域のボランティアグループが主催する自然保護活動に参加し、事業所近隣のカントリーパークの植栽や雑草の駆除、さらに池や野草地、水路の造成などの自然保護活動を行っています。また、日本のソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社の社員は、長野県佐久市大沢財産区にある「So-netの森」にて、地域住民と連携しながら森林整備活動を行っています。

  • 自然保護活動の様子

地域の自然の回復活動(タイ、日本)

タイのソニー・デバイス・テクノロジー(SDT)では、生物多様性保護を目的に地元の公園で2015年に200本の植栽を行いました。また、ソニー・テクノロジー・タイランド(STT)では2014年からサンゴ礁の回復活動を開始し、2015年までに500個のサンゴの幼生を植えつけました。日本のソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社 鹿児島テクノロジーセンターでは「霧島市10万本植林プロジェクト」に参画し、周辺の山野などで収穫したどんぐりを構内で苗木まで育成を行い、育てた苗木を地元の森に植え付けました。

  • サンゴ(幼生)移植の様子

悪影響への対策

地域の生態系に悪影響を及ぼす外来生物に対し、駆除活動などの対策を進めています。また、事業所緑地における農薬や化学肥料の適正利用(土壌汚染防止、過剰栄養防止)により、生態系への悪影響の抑制に取り組んでいます。これらの活動を通して、生物多様性 愛知目標8「化学物質などによる汚染の抑制」、愛知目標9「外来種」や愛知目標12「種の保全」の達成に貢献していきます。

外来生物の除去活動 (中国)

索尼精密部件(恵州)有限公司(SPDH)では2010年より、外来生物除去活動を推進しています。2016年7月にSPDHではボランティアの社員たちが中心となり、恵州市水上環境衛生所の協力を得ながら、東江に繁殖したホテイアオイの除去活動を実施しました。これまでに約40トンのホテイアオイを除去し、生態系のバランスを改善しながら、豊かな河川環境の保全に貢献しています。

  • 水面を覆い尽くすほど繁殖したホテイアオイを除去

保護・生態系サービスの保全

地下水涵養(かんよう)などの生態系サービスの保全、絶滅危惧種の把握と保護、野生動植物の保護を推進しています。これらの活動を通して、生物多様性 愛知目標11「保護地域の保全」や愛知目標14「生態系サービス」の達成に貢献していきます。
地下水涵養の詳細は『特集:使用した水を元に戻す「地下水涵養」』をご覧ください。

ハーピーイーグル (オウギワシ) の保護活動 (パナマ)

パナマに位置するソニー・インター・アメリカンでは、パナマの国鳥であり、絶滅危惧種に指定されるハーピーイーグル (オウギワシ) の保護活動に取り組んでいます。1998年には保護活動を紹介する施設ハーピーイーグル・センタ—のスポンサーにもなり、2008年には液晶テレビ ブラビア™を組み合わせたビデオウォール(大画面展示)も提供しました。さらに、2016年には、ビデオウォールを84インチの4K液晶テレビ ブラビア™とソニーホームシアターシステムに置き換え、より高精細な記録映像で保護活動の大切さを伝えています。

  • ハーピーイーグル

「ほたるの里」再生プロジェクト (日本)

ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社 湖西サイトは、地元の自治体と協力して「ほたるの里」再生プロジェクトに取り組んでいます。湖西サイトの近隣には以前、ホタルが多く生息する里山がありましたが、近年ホタルの生息数が減少していました。湖西サイトでは里山の整備を行うとともに、ホタルの幼虫を育成し、放流しています。

  • 放流されたホタル

アカウミガメの産卵・孵化の保護 (日本)

ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング株式会社 大分テクノロジーセンター 国東サテライトは、20年以上前より近隣の黒津埼海岸の清掃活動を続けてきました。この結果、2009年には絶滅危惧種に指定されているアカウミガメが数十年ぶりに産卵に訪れ、以降は毎年産卵が確認されています。国東サテライトでは海岸清掃に加え、アカウミガメの産卵・保護活動にも取り組んでいます。

  • 孵化したアカウミガメの子ガメ

管理事項

化学物質使用の適切な管理、および有機資源の有効利用を行っています。また、生物多様性に配慮した物品の購入を進めています。これらの活動を通して、生物多様性 愛知目標4「持続可能な生産と消費」の達成に貢献していきます。

食物残渣をバイオガスや有機肥料に転換し利用 (タイ)

ソニー・テクノロジー・タイランドのチョンブリ工場は、他の事業所に先駆け、2010年にバイオガスシステムを採用しました。同工場では、このシステムを利用して、最終処分(埋め立て)に送っていた食物残渣をLPガスに変換して調理に再利用しています。また、食物残渣から有機肥料を作り、従来の化学肥料の代わりに敷地内の植物や野菜の栽培に活用するとともに、有機肥料の一部を地域の活動のために寄付しています。

  • バイオガス設備

環境に配慮した紙資源の購入

ソニーは、紙資源が有限であることを認識し、より環境に配慮した紙の使用を推進する、紙・印刷物に関する購入方針を策定しています。再生紙や森林認証紙など環境に配慮した紙を積極的に調達しています。
紙・印刷物に関する方針の詳細は「紙資源に関する方針」をご覧ください。

外部との連携

生物多様性の保全活動をより実効性の高いものにするために、専門家やNGOなどステークホルダーの意見を聞きながら、保全活動を進めています。例えば、調査活動では専門の調査機関、保護活動では自然保護団体、環境整備では行政やNGOなどと連携しています。また、生物多様性の保全活動を行っている団体への支援も実施しています。
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