2018年8月29日更新

社会価値を創出するイノベーション事例

AI×ロボティクスの取り組み

ソニーは、従来より強みとしてきた、映像・音響技術、イメージセンサー、メカトロニクスなどの技術を、人工知能(AI)、ロボティクス、通信などと組み合わせ、エレクトロニクスの場を広げる新たな提案を行っています。
2018年1月に発売した自律型エンタテインメントロボット“aibo”(アイボ)は、ソニーが培ってきたAI、ロボティクス、センシングなどの技術を活用し、「自律的、能動的に人に寄り添う」というコンセプトを実現した製品です。親近感のあるデザインや、オーナーとのふれあいにより変化し続ける特徴により、家庭での使用に加え、さまざまな環境での活用が検討されています。例えば、ソニー・ライフケア株式会社が運営する介護付有料老人ホームにaiboを試験的に導入し、入居者へのサービス品質の向上を目指しています。
また、2018年3月から実施された、米国ユタ州の火星砂漠研究基地での火星模擬居住実験へ2体のaiboを貸与しました。密室空間におけるロボットの存在が、人間関係にどのような変化を与えるか、その効果が期待されています。

自律型エンタテインメントロボット“aibo”

AIの発展と普及に向けたオープンイノベーション

ソニーはディープラーニング(深層学習)のプログラムを生成する際のフレームワークとなるソフトウェア「コアライブラリ:Neural Network Libraries」をオープンソース化しています。これによりプログラムエンジニアやデザイナーは無償で公開されるこのコアライブラリを使用して、人工知能(AI)を実現できるディープラーニングのプログラムを開発し、各種製品やサービスに搭載できるようになりました。オープンソース化を通じて、開発者コミュニティによるプログラムの進化も期待できます。またコアライブラリをGUIで操作できる統合開発環境「コンソールソフトウェア:Neural Network Console」も無償提供しています。
さらに2018年5月より、「Neural Network Console」のクラウドサービスで複数GPUによる高速学習サービスの提供を開始しました。
ソニーはこれらの施策をAI環境整備の一環として実施しています。今後多くの製品やサービスで人工知能搭載による利便性の向上が期待されるなか、高度なプログラミングをより効率的に実現するニーズに対応して、幅広い研究者や開発者に利用いただくことで、社会におけるAIの普及をサポートしていきます。

Neural Network Librariesの直感的なユーザーインターフェース

車載向けイメージセンサーにおけるソニーの取り組み

ソニーは、2014年に車載向けイメージセンサーの商品化を発表して以降、車載向けをイメージセンサービジネスにおける注力領域のひとつと位置付け、自動運転社会の進展に貢献できるよう開発を推進しています。
自動運転においてソニーが目指す安全性能のビジョン「Safety Cocoon(セーフティコクーン)」は、日常のさまざまなドライブシーンにおいて、自動車の周囲360度を検知、早期に危険回避の準備を可能にすることで車の安全性を確保するという安全領域の概念を表わしています。ソニーの車載イメージセンサーの強みは高感度、高ダイナミックレンジ、LED標識や信号機などの撮影時に起きるLEDのちらつきを抑えるLEDフリッカー抑制機能などが挙げられます。
パートナーの皆様と「Safety Cocoon」の考えを共有することで、自動運転社会の早期実現に貢献します。

自動運転における安全性能のビジョン「Safety Cocoon」

4K 3Dビデオ技術搭載の手術用顕微鏡システムの開発

ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズ株式会社とオリンパス株式会社の医療事業に関する合弁会社であるソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社は、4K 3Dビデオ技術を搭載し、高精細かつ立体的なデジタル画像で緻密な手術をサポートする手術用顕微鏡システムを、三社協業のもとで開発し、オリンパスにより製品化しました。
従来の外科手術では術者のみが光学顕微鏡を通して術部を拡大して見ることができましたが、新しい手術用顕微鏡システムでは4K 3Dの大型55型モニターにより、手術室内の全員が観察することができます。これにより、術者の疲労軽減とチームサージャリーを実現し、若手医師の育成にも貢献することが期待されます。

手術室内の全員が大型モニターを見て手術

ソニー・グローバルエデュケーションの教育事業への取り組み

株式会社ソニー・グローバルエデュケーション(SGED)は、「来たるべき社会の教育インフラを創造する」ことをミッションとしています。社会が抱える課題に対して、主体的に課題に向き合い、解決に向けて行動し、未来をつくれる人材の育成を目指しています。
2017年にSGEDは「KOOV™(クーブ)」を発売しました。KOOVはブロックで自由な「かたち」をつくり、プログラミングによってさまざまな「動き」を与えて遊ぶロボット・プログラミング学習キットです。男女ともに夢中になれるカラフルなデザインが特徴的で、プログラミング教育の重要性の高まりから学校や塾などの教育機関での導入事例も増えてきています。2018年4月には米国での発売も開始し、今後はグローバルに教育現場で採用される事例を増やしていきます。
またSGEDが展開する「世界算数」は、算数を題材に世界中のユーザーが誰でもオンラインで参加できる競技です。思考力や発想力、直感力が求められる問題を出題し、これまでに5回開催しました。世界85カ国以上からアクセスがあり、参加人数は延べ28万人にのぼります。
さらに、AIやブロックチェーンなどの最先端技術を教育分野に応用することにも積極的に進めています。ブロックチェーン技術を用いて、複数の教育機関のデータを一元的に管理し、信頼性のある学習履歴や成績証明書を登録・参照できるシステムを開発しています。

ロボット・プログラミング学習キット KOOV

アイデアを形にできるIoTブロック MESH™

MESH(メッシュ)は、スタートアップの創出と事業運営を支援する「Seed Acceleration Program (SAP)」を通じて事業化されたプロジェクトです。ライト、ボタン、明るさセンサーなどのさまざまな機能をもつブロック形状の無線電子タグである”MESHタグ”と、タブレットなどにインストールした”MESHアプリ”を連携することにより、難しい電子工作の知識やプログラミングの知識がなくても、IoTを活用した仕組みを手軽につくることができる製品です。
MESHはIFTTT(イフト)1に対応しているため、さまざまなスマートデバイスやウェブサービスと連携することが可能です。例えば、人感センサーにより一定時間ごとに人がいるかどうかを自動記録したり、温度湿度センサーにより湿度が一定以上になるとメッセージを送付するなどのアイデアを簡単に実行できます。
また昨今のプログラミング教育やSTEAM2教育の重要性の高まりから、MESHは日本、アメリカの公的教育機関や民間の教育機関でも教材として採用される例が増えています。

  • ※1IFTTT:(IF This Then That)ソーシャルメディアなど複数のウェブサービス同士を連携させるサービス
  • ※2Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(エンジニアリング)、Art(芸術)、Mathematics (数学)
アイデアを形にできるIoTブロック MESH

電子お薬手帳を基盤とした医療情報連携システムharmo

ソニーは、非接触ICカード技術FeliCaと個人情報に配慮したクラウドシステムを用いて、利用者を起点として機能するセキュリティレベルの高い医療・健康情報連携プラットフォームharmoを2016年7月より事業化しています。
harmoは、患者が一人1枚、専用カードを持つ仕組みを採用した電子お薬手帳のため、スマートフォンを持たない患者や、乳幼児や高齢者であっても利用することができ、カードをタッチするという簡単な操作のみで自らの薬の情報を医師、薬剤師等に伝えることが可能です。
カードタイプを採用することで、患者の持参率が向上し、お薬手帳への確実な記録ができるため、患者は薬剤師から、より適切な服薬指導を受けることができます。
また、患者は、専用カードに加えてスマートフォンアプリケーションを併用することで、飲み忘れ防止アラームの設定や、服用履歴の管理、ジェネリック医薬品を希望する旨の表明、アレルギーの記録等が可能となっています。
さらに、子どもの調剤情報を保護者が管理したり、離れて暮らす高齢者の状況を家族が見守ったりと、身近な人間がサポートすることにより、薬を正しく服用する「服薬アドヒアランス※1」向上への貢献が期待されています。
今後、harmoの普及により、患者の薬の飲み忘れが減少し、薬剤師からの適切な指導がより効果的になされるようになることで、残薬解消・重複投与の防止などが見込まれ、医療費適正化の効果が期待されています。

  • ※1アドヒアランス:患者が積極的に治療方針の決定に参加し、決定に従って治療を受けること。
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