2019年8月29日更新

高リスク鉱物への対応

ソニーは、ソニーグループ責任ある鉱物サプライチェーン方針にもとづき、サプライチェーン上の高リスク鉱物の原産国および流通過程に関するデュー・デリジェンスの実行において「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・デリジェンスガイダンス(OECDガイダンス)」に従って取り組みを進めています。
現在高リスク鉱物として特定しているタンタル、スズ、金、タングステンおよびコバルトのうち、紛争鉱物に関する取り組みについては、「紛争鉱物への対応」の項目もご参照ください。

責任あるコバルト調達

コバルトは、スマートフォンなどの家電製品のリチウムイオンバッテリーに使用される重要な鉱物です。世界最大のコバルト埋蔵国として知られるコンゴ民主共和国の採掘現場では、以前から児童労働や劣悪な労働環境についての懸念が指摘されています。

コバルトサプライチェーンの管理

2016年度、ソニーはすべてのバッテリーおよびバッテリー部品サプライヤーを対象に、ソニーサプライチェーン行動規範の遵守状況について評価を行うとともに、コバルトのサプライチェーンにおける流通過程の調査を実施しました。評価対象は、リチウムイオンバッテリーのサプライヤー7社と、ソニーのバッテリー製造事業※1にコバルト含有のバッテリー部品を供給するサプライヤー7社の計14社です。その結果、サプライヤー5社から、ソニーに供給するバッテリー部品にコンゴ民主共和国を産出国とするコバルトが含まれていたと報告がありました。ソニーサプライチェーン行動規範の遵守を確実にするため、ソニーは上記14社に対し、さらに上流のサプライヤーに対しても遵守を徹底するよう求めました。

2017年度には、継続的に取引実績のあるバッテリーサプライヤー5社を対象に、サプライチェーン上のコバルト精製所の特定や、ソニーグループ責任ある鉱物サプライチェーン方針の遵守状況の確認を目的とする調査を実施しました。調査には、外部調査機関による訪問調査や、RMIが開発したコバルト調査テンプレート(Cobalt Reporting Template)を利用した書類調査を含んでいます。その結果、15社のコバルト精製所を特定しました。特定した全精製所にRMIの開発したセルフリスクアセスメントツール(Risk Readiness Assessment)の記入・提出を依頼し、2019年8月時点で8社の回答を得ました。また調査において、ソニーグループ責任ある鉱物サプライチェーン方針の遵守状況に課題が見つかったサプライヤーに対しては、速やかに遵守状況の改善を要請しました。

2018年度には、ソニーのサプライチェーンにある精製所が人権リスクへの対応を進展させることを目指し、精製所への働きかけや業界団体の取り組みへの支援を行いました。具体的には、RMIによるコバルト精製所の監査プログラムが開始されたことから、上記で特定した精製所へ監査プログラムへの参加を働きかけました。また、監査プログラムの進展に向けて、精製所がアセスメントの参加費用を補助するRBA Foundationのファンドへ寄付を行いました。

マルチステークホルダーとの協働

ソニーは、高リスク地域の鉱物採掘における人権への悪影響を特定し、低減するためには、マルチステークホルダーとの協働が必要だと考えます。具体的には、デュー・ディリジェンス・プロセスの策定に参加し、サプライチェーンにおける人権リスクを低減するため、責任あるコバルトイニシアチブ(RCI)やRMIをはじめとするマルチステークホルダーとの協働に継続的に取り組んできました。

2017年度には、コンゴ民主共和国における小規模採掘の現状について理解を深めるため、複数の企業とともに、独立機関による学術調査プロジェクトを支援しました。この調査は、小規模採掘に従事する世帯を対象とする、綿密な実証データの提供を目的とし、カリフォルニア大学バークレー校のCenter for Effective Global Action (CEGA)が実施したものです。コンゴ民主共和国のカッパーベルト(銅山)地帯全域から代表的な150のコミュニティを選び、世帯、子ども、コミュニティのリーダー、地元の鉱物取引業者を対象にデータが収集されました。
今後もソニーは紛争への加担または深刻な人権侵害が行われていないと認定された精製所からのコバルト調達を目指し、コバルトサプライチェーン管理に取り組んでいきます。

インドネシアでの持続可能なスズ採掘のための取り組み支援

インドネシアでは、スズ産業における危険な労働環境や環境問題が指摘されています。これら現地課題への認識を契機に、マルチステークホルダーによるイニシアチブとして2014年に活動が開始されたTin Working Group(TWG)に、ソニーもメンバー企業として参画しています。
TWGの主な活動目的は、インドネシアのスズ産業における労働環境や、環境問題、地域住民の生活などに配慮した、持続可能なスズ採掘の実現に向けた課題解決に貢献することです。グローバル企業を含むスズの利用者(サプライチェーンの川下および川中産業)、RBA、国際環境NGO、さらに国際的なスズ業界団体をメンバーとして2014年に発足しました。2017年以降はRMIのTWGとして活動を実施しています。TWGはインドネシア首都だけではなく、採掘現場であるバンカ島およびブリトゥン島において、スズ産業の現地パートナーおよびインドネシア政府の双方と協力して活動しています。
具体的な活動としてまず、現地実態調査に基づく状況把握や分析を通じて取り組むべき課題を洗い出し、理解を深めることから始まり、その後現地の業界団体とも協働し、マルチステークホルダーダイアログを通じて課題解決に向けて取り組んでいます。2017年よりEuropean Partnership on Responsible Minerals(EPRM)※1の資金協力を得て、現地における採掘後の土地の養生・再生や、安全衛生に関するプロジェクトを支援し、持続可能なスズの採掘の発展に努めています。
ソニーは、TWGへの参画を通じて、インドネシアでの持続可能なスズ採掘に向けた取り組みを継続的に支援しています。

  • ※1国際機関、市民団体、イギリス・ドイツ・オランダ政府らによるマルチステークホルダーパートナーシップ
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