CSRレポート

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2017年8月23日更新

紛争鉱物への対応

ソニーの取り組み

米国紛争鉱物条項への対応

中央アフリカのコンゴ民主共和国およびその隣接国(DRC諸国)において、当該地域で採掘される鉱物の一部が武装集団の資金源となり、武装集団による人権侵害や紛争を助長している可能性があることが懸念されています。これらの4鉱物(コルタンとしても知られているコロンバイト-タンタル石(タンタル)、錫石(スズ)、金、鉄マンガン重石(タングステン))は宝石類から電子機器、航空機部品まで幅広く、多くの製品に使用されています。なお、武力活動に資金供与していると認められる場合、これらの4鉱物は一般的に"紛争鉱物"と呼ばれています。こうした"紛争鉱物"の課題改善に向けて2013年1月に米国金融改革法1502条が施行され、米国に上場している対象企業は当該地域で採掘されたこれらの4鉱物の使用状況について2014年より毎年開示することが義務付けられました。ソニーも本法の対象企業として、法施行後4回目の報告書を2017年5月31日に米国証券取引委員会(SEC)に提出しました。

ソニーの紛争鉱物方針とデュー・デリジェンスの実施

ソニーは、「調達活動を通して紛争を助長することが無いよう、製品、部品および材料に紛争鉱物が含まれていることを認識しながらこれらの調達を行わないこと」を主要な方針としています(方針全文については以下リンク先にて公開しています)。また方針の遵守を徹底するため、ソニーはサプライチェーン上の鉱物の原産国および流通過程に関するデュー・デリジェンスの実行において「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・デリジェンスガイダンス」に従って取り組みを進めています。製品に含まれる4鉱物がDRC諸国の紛争に加担することのないよう、かつ当該国からの輸出を制限することにつながらないよう留意します。また、ソニーはサプライヤーに対して電子業界CSRアライアンス(EICC)/ /グローバル・eサステナビリティ・イニシアチブ(GeSI) が立ち上げたConflict Free Sourcing Initiative (CFSI)により確立された紛争フリー製錬所プログラム(Conflict-Free Smelter Program,CFSP)に準拠した製錬所、または、その他の信頼のおける鉱物の採掘から加工、流通の経路を追跡するトレーサビリティプロジェクトにおいて紛争に加担していないと認定された製錬所からの調達を要請しています。

紛争フリー製錬所(CFS)プログラム:製錬所が扱う鉱物が紛争に加担していない調達源であることを第三者が認定するプログラム。

4鉱物の使用状況調査と結果

4鉱物は、さまざまな国や地域からグローバルなサプライチェーンに流通しています。これらの鉱物の調達源を特定するためにはサプライチェーン上のさまざまなアクター間の協力が不可欠です。ソニーは、サプライヤーと協力しながらサプライチェーンの透明性向上とリスク低減を継続的に行っていきたいと考えています。
SECへの報告に先立ち、ソニーは、4鉱物の使用状況について2011年8月より一部製品カテゴリーについて調査を開始し、2013年からはソニーグループ全体での調査を実施しています。調査では、まず特定の4鉱物がソニーの製品に含有されているかどうか自らの事業を精査し、その結果、調査対象年に自身が製造または製造委託した製品について、製品の機能上または製造上、4鉱物が必要であると特定されたエレクトロニクス製品(ゲーム製品を含む)を対象に、これらの鉱物の調達源である製錬所および原産国の調査を行っています。調査にあたっては、業界標準となっているCFSIの紛争鉱物回答テンプレート(CMRT)を活用し、調査対象となるサプライヤーに協力を依頼するとともに、製品ごとの回答を要請しています。さらに、回収した回答により確認された製錬所については、CFSIの製錬所リストとの突き合わせにより精査しています。
2016年SEC報告のために2016年度に実施した調査の結果、エレクトロニクス製品に含まれるすべての4鉱物の原産国は確認できなかったものの、サプライヤーから報告されたものについては、紛争に加担しているとみなされるようなDRC諸国からの4鉱物は確認されませんでした。なお2016年調査で特定された製錬所(304カ所)のうち、259カ所が紛争フリー製錬所プログラムで認証された製錬所(認証手続き中も含みます。またこのうち54カ所がDRC諸国から調達している製錬所です)であることが確認されています。

ソニーの調査プログラムで確認された製錬所を含むリストは、上記のSEC提出報告書内の製錬所リストをご参照ください。

ソニーからサプライヤーへの期待と改善要求

4鉱物を使用するサプライヤーに対する期待

ソニーは、特定の4鉱物が製品の製造に使用されていると判断された場合には、関係するサプライヤーに対して「ソニーグループ紛争鉱物方針」を遵守すること、4鉱物の原産国に関するソニーのデュー・デリジェンスに対応することを要請しています。また、当該サプライヤーはソニーに納入するあらゆる製品、部品および材料に紛争鉱物が含まれていないことを保証するため、「OECD紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・デリジェンスガイダンス」に基づく方針、デュー・デリジェンスフレームワーク、マネジメント体制を持つことが期待されています。

サプライチェーンのリスク低減に向けた取り組み

ソニーは、ソニーの製品、部品、および原材料のいずれかに紛争鉱物が含まれているおそれがあると認識した場合、関係サプライヤーと協力の上、当該製品、部品および原材料のサプライチェーンから当該鉱物を排除するために必要な措置を講じるとともに、当該製品、部品および原材料のサプライヤーの調達活動に対して必要な改善要求を行っています。具体的には、サプライヤーに対して、紛争鉱物方針の制定、紛争鉱物調査への回答精度の向上、紛争フリー製錬所(CFS)からの調達を要請しています。さらに、サプライヤーがデュー・デリジェンスに対して十分な協力を行っていない、ソニーの改善要求に従わない、または本方針に反する行為を行っていると認識した場合、新規発注の停止による段階的な取引終了等、必要な措置をとります。
またソニーは、CFSIのSmelter Engagement Teamに参画しており、製錬所に対してCFS認証の取得を促す取り組みへの貢献の一環として、自社の調査で特定した製錬所のうちCFS認証が未取得の製錬所に対して認証取得に向けた働きかけを行っています。

さらに、ソニーは国内外のあらゆるステークホルダーが紛争地域および高リスク地域における鉱石の採掘、取引、取り扱いおよび輸出をめぐる環境について懸念を申し立てることのできる仕組みとしてホットラインを設置しています。この仕組みにより、ソニーは社内でのリスク評価に加え、サプライチェーン上のリスクに迅速に対処することができます。



業界団体の取り組みや官民連携アライアンスへの参加を通じた支援

ソニーは、高リスク地域における鉱物の採掘にともなう悪影響を特定し、その防止または軽減に向けた取り組みを行う業界団体やアライアンスに対して積極的な協力および支援を行っています。例えば、エレクトロニクス業界のサプライチェーンにおける社会的および環境的観点における状況改善のための組織であるEICCは、2011年、業界を主導する取り組みである紛争フリー製錬所プログラム(CFSP)を開始しました。EICC/GeSIはさらにエレクトロニクス以外の業界やさまざまなステークホルダーとの連携を深めるため、2013年8月にCFSIを立ち上げました。ソニーは、このようなEICCやCFSIなどの業界団体やアライアンスが開発したフレームワークを活用し、特定の鉱物に対する責任ある原材料調達に取り組んでいます。また、2016年には、サプライチェーン上のすべての製錬所のCFS認証取得に向けたCFSIの取り組みである「The Initial Audit Fund(CFSPの認証監査を受ける製錬所に対してCFSIが初期監査費用を負担することで、製錬所のCFSP参加を促す取り組み)」に対して寄付による支援を行いました。

その他の業界団体の取り組みに対する支援としては、スズの産業団体(ITRI)が2010年に開始した紛争に加担しない持続可能な調達源であることを確認するためのスズのトレーサビリティプロジェクトの主旨に賛同し、支援しました。また、ソニーはアフリカの太湖地域における責任ある鉱物調達を支援するために米国政府が提唱し、政府、産業界、非政府組織(NGO)が協力する「責任ある鉱物取引に関する官民連携アライアンス(PPA)」に参画しています。PPAは監査を受け紛争に加担していないと認定された鉱山からの調達を可能とするパイロット的なサプライチェーンシステムの開発に早くから取り組んでいます。またPPAは、DRCおよび大湖地域からの紛争に加担しない調達および自立的取引を支援する政府、産業界、NGOが協力するためのプラットホームの提供や、企業向けに責任ある調達に関する有益な情報を提供するウェブサイトの構築も行っています。
さらに、ソニーは紛争に加担しないサプライチェーンの実現に向けた活動の一環として、NGO、業界団体およびその他外部ステークホルダーとの積極的な対話を継続的に推進しています。例えば、CFSIはサプライチェーン上の紛争鉱物課題への取り組みにおいて、NGOや社会的責任投資団体、各国の政府関係者などのステークホルダーと意見交換を行っており、ソニーもこうした場に参加しています。また、ソニーは、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)での業界団体の取り組みにも参画しています。
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