コミュニケーションデザインとは、
企業の「顔」となり、
ブランドをつくるもの

松井 一樹

2012年入社(新卒) コミュニケーションデザイン

ソニーのコミュニケーションデザインは、商品のキービシュアルをはじめ、広告やパッケージ、店頭ディスプレイからイベントデザイン、
CI(コーポレートアイデンティティ)などのブランディング領域まで多岐にわたり、ソニーのブランド体験をつくる重要な役割を果たしています。
そんなソニーのコミュニケーションデザインの仕事の魅力や、学生時代に経験した方がよいことなどを、
最近まで欧州での広告展開などを担当していたデザイナー 松井が紹介します。

ソニーの「顔」をつくるのが、
コミュニケーションデザインの仕事

入社当初は、オーディオカテゴリーのコミュニケーションデザインを担当し、プロダクトのパッケージや店頭ディスプレイ、VI(ビジュアルアイデンティティ)の策定などを手がけました。印象的だったのは、ソニー全体のコミュニケーションデザインのトーン&マナーを再定義するという大きなプロジェクトの中で、オーディオカテゴリーのデザインを担当したこと。パッケージやウェブサイトをはじめ、様々な媒体で展開されている写真やCG、イラスト等のデザインをほぼすべてデザインし直すことで、統一感のある新しい「オーディオの顔」をつくりだしました。その後、イギリスに赴任し、カメラやTVの広告や店頭のデザインを担当しつつ、国際コンスーマーエレクロトニクスショー「IFA」のイベントデザインやソニーストアのコンセプト立案などの業務経験を積みました。現在は、東京のソニー本社に帰任し、新規事業のブランディングなどに携わっています。

オーディオカテゴリーの写真やCG、イラスト等のデザインをリデザイン

コンセプト立案からアウトプットまで
一気通貫で携われる面白さ

コミュニケーションデザインの仕事の流れとしては、プロダクトやサービスのビジネス戦略のもと、市場に向けてどのようなコミュニケーションをとっていくかを議論し、そこからデザインのゴールを設定して作業に入るのが一般的です。例えば、欧州で展開したハイエンドユーザー向けカメラの広告では、まず販売会社の担当者とともにターゲットユーザーを明確化し、そのターゲットの琴線に触れつつ、プロダクトの機能も訴求できるモデルをキャスティング。そこから、広告エージェンシーのクリエイターと一緒に、TVCMやポスターなど各広告媒体の中心となる、プロダクトの世界観を示すキービジュアルを考案しました。実際の撮影にも参加し、現場でフォトグラファーとモデルのアングルなどを細かく調整しながら、コンセプトに沿ったキービジュアルをつくりあげ、各広告媒体のビジュアルに展開しました。

コミュニケーションデザインの仕事の流れ
(欧州での広告展開の場合)

  1. 販売会社との
    ディスカッション

  2. 広告コンセプトの
    立案

  3. 広告エージェンシーとの
    ディスカッション

  4. モデルの
    キャスティング

  5. キービジュアルの
    作成

  6. 撮影の立会い

  7. 欧州で展開する
    広告ビジュアルの
    ディレクション

組織のパワーをひとつにし、
世界に届けるエキサイティングな体験

プロダクトやサービスの価値をユーザーに伝えるには、そこに込められたメッセージやストーリーを明確にし、発信することが大切です。その点、インハウスデザイナーは、社内の事業部門と密に連携でき、その想いや文脈を可視化しやすいことが強み。他部門からも、ソニーのデザイン部門にはプロダクトやサービスをかたちづくり、ユーザーとつなぐハブとしての機能が求められています。また、自分がデザインしたものが世界中の人々に届いていくダイナミックさは、グローバルに事業を展開するソニーならではの醍醐味だと思います。実際の業務では、社内の意識統一を図るのは簡単ではありませんが、さまざまな組織の人たちのパワーがひとつになり、ソニーのプロダクトやサービスが世界中に広まっていくのは最高にエキサイティングな体験です。

造形表現のスキルを磨き、
幅広い視点を持つこと

デザイナーに必要なのは、何もないところから考え、カタチを創る造形表現のスキルだと思います。同時に、昨今デザインが関わる領域が広がり、これまで以上にデザインに関する知識や知見を広く吸収することが重要だと感じています。自分の担当領域だけを見ても、広告やパッケージ、店頭ディスプレイからイベント、SNSのムービー、CIなど多岐に渡ります。そのすべてをカバーしながら最良のアウトプットをつくるには、幅広い知見を身に着け、多様なスキルを磨いていくことが大切です。学生の方にアドバイスするなら、さまざまなものを経験し、自分なりに考えて解を出し、具体的なカタチを提示していける強さを身につけてほしいと思います。あらゆることがWEBで調べられる今だからこそ、人と直接話したり、まだ見ぬ世界を旅したりといったリアルな体験の蓄積こそが、優れたアウトプットにつながると実感しています。

根幹にある思想や思いとは
何かを徹底的に考え、具現化する

私は学生時代からデザインの仕事に就こうと決めて、自分の手でものをつくりあげるスキルを習得したいと思いデザインを学んできました。同時に、モノやサービスの根幹にある思想や想いは何なのかを常に問いかけ、いかにアウトプットにつなげるかを意識してきました。デザインはまず物事の本質となるものを明確にしないと、説得力のあるものを生み出せません。こうした造形表現のスキルとコンセプトワークの重要性は、実際の業務でも実感しています。現在手がけている新規事業のブランディングプロジェクトにおいても、チーム内でイメージの共有が曖昧で意識統一がとれないときに、目指すべき世界観を表すムードボードをつくって見せるなど、コンセプトを視覚化するデザインの力が、プロジェクトを推進させるのに非常に役立っています。

写真上:学生時代の作品 写真下:海外旅行の風景

私が考えるコミュニケーションデザインとは
「商品に込められた想いをユーザーに届ける」こと

私は前職でプロダクトデザイナーとしてキャリアを積みはじめたのですが、良いものを作ったとしても、その価値がユーザーに伝わらなければ意味がないと痛感し、コミュニケーションデザイナーに転向しました。ソニーのプロダクトには、エンジニアや商品企画などさまざま人たちの情熱や想いが込められています。そのたくさんの想いをそのまま伝えるのではなく、最も伝えたいことは何かを整理し、その本質的な価値をユーザーに伝えることを常に心がけています。