空間デザインの仕事は、
ブランド体験を深化させること

参木 玲子

2014年入社 空間デザイン

国際的な家電見本市であるIFAやCESなどのソニーブースから、世界最大級のデザインイベント
ミラノデザインウィークに出展する展示会場、ソニー本社ビルなどのオフィス、さらに他社のショールームまで
ソニーデザインが手がける空間デザインのフィールドは多岐に渡ります。
そんなソニーの空間デザインの仕事や魅力などを、現在イギリスに赴任中のデザイナー 参木が紹介します。

ビジネス領域とともに広がる、
空間デザインのフィールド

私は入社後、イベントのグラフィックを担当し、CESやIFA のエントランスに掲げる巨大バナーをはじめ、会場内のさまざまなコミュニケーションツールを制作。2018年のCESより、ソニーブースの空間デザインを手がけるようになりました。イベントでは、空間もグラフィックも、商品の展示台も、すべてがブランドを魅力的に見せる要素であり、あらゆる角度からデザイン的にアプローチすることが重要だと考えています。また最近は、ソニーが「2019ロンドン・デザインフェスティバル」に出展したデザインコンセプト展示「Affinity in Autonomy(共生するロボティクス)」の会場構成・設計も担当するなど、ソニーグループの多彩な活動に合わせて、自分の空間デザインのフィールドも広がっています。

プロジェクトの詳細はこちら Affinity in Autonomy

デザインイベント「2019ロンドン・デザインフェスティバル
:Affinity in Autonomy」| Photo by Ed Reeve

デザイナーの仕事は、
人々の想いを
聞くことからはじまる

イベントには多くの人々が関わるため、私はそんな関係者全員の想いをヒアリングし、それを基点に空間デザインを考えるようにしています。実際の流れとしては、まずイベントの責任者、展示する製品やサービスの担当者から、ユーザーに伝えたいことや製品に込めた想いを聞き出します。その情報をもとに、どう表現したら全体が魅力的に見えるのかを担当アートディレクターと密に話しながら、会場の構成をVRなどによって何度もシミュレーションし、空間デザインを決定していきます。

空間デザインの仕事の流れ
(ミラノデザインウィークの展示イベントの場合)

  1. 担当アートディレクター
    と意識合わせの
    ミーティング

  2. 展示全体の
    コミュニケーション案を
    チームで検討

  3. 並行して空間デザインの
    ドラフト案を作成。
    施工会社や
    現地パートナーの選定、
    内装の素材探し

  4. 現地調査

  5. 各展示ブースの担当者、
    エンジニア、施工会社、
    現地パートナーとの
    すり合わせ。デザインの
    アップデート

  6. 現地での施工管理

  7. イベント
    オープン

空間デザイナーのチャレンジを
受け止めてくれるソニー

IFA 2016 Graphics

ソニーデザインの特長は、細部まで徹底的にこだわりぬくことだと思います。例えば、イベントのバナーひとつとっても、プロダクトの角度をほんの少し変えたグラフィックを何パターンもつくって検討を重ねています。入社当初は「何回やるのだろう。納期に間に合わないのでは」と思ったこともあるのですが、今ではこうした積み重ねがソニーというブランドをつくったのだと実感しています。その一方で驚いたのが「ソニーの空間デザインとはこういうものだ」と型にはまったことがあまりないこと。新しく入ってきたデザイナーでも自分のつくったものが次のソニーの形になることが十分あり得ます。だからこそソニーは、空間デザイナーがいろいろな挑戦ができる最高に面白い場所だと思います。

大切にしているのは、
担当者の想いに応えること

ソニーが参加するイベントでは、展示する各製品を担当したプロダクトデザイナーやユーザーインターフェースデザイナー、事業部門の商品企画やエンジニアなど多くの人が関わっていて、それぞれ製品に込めた想いを表現したいと考えています。空間デザイナーとして私が大切にしているのは、そんな関係者全員の想い。デザインにあたっては、一人ひとりにヒアリングを重ね、どういう形で表現することが魅力的か一緒に考え、彼らの想いに応えながら、自分のやりたいことも同時に実現するようにしています。私が思う空間デザイナーとは、いわば関係者全員の想いを一つにつなげる接着材のような存在。うまくつなげられるように、日頃より事業部門とのコミュニケーションも欠かせません。

コンスーマーエレクトロニクスショー 「IFA2017」

Hidden Senses:Sony Design Exhibition at Milan Design Week 2018

世界中に広がっている、
空間デザインの現場

もともと私は学生時代、ファッションデザインを専攻しました。ただ当時は服そのものよりも、ブランドロゴやファッションショーなどの服の世界観をいかにつくるかに興味を持ち、展示をよく行っていました。卒業後は時計メーカーにプロダクトデザイナーとして勤務したのですが、次第に商品に込められたデザイナーの想いを世の中に届けることの重要性を強く感じました。その後、転職活動の際、ソニーがデザイナーを募集していることを知って応募。実は、私はよくバックパッカーで海外を旅しているのですが、どんな国でも街中に「S・O・N・Y」のロゴが必ずあり、日本人として誇りに感じていました。世界中でチャンスがあるソニーの空間デザインの仕事は、世界各地の異なる文化や人に出会いたいと思う私にとって最高の仕事だと感じています。

写真上:学生時代の作品 写真下:海外旅行の風景

私が考える空間デザインとは、
「ブランドの魅力を伝える」こと

この先も、ソニーが愛される存在であり続けるためには、ブランドの姿勢を示すことがますます重要になってきます。その中での施策のひとつが空間であり、空間デザインはブランドの魅力を伝える一つの手段だと思います。会場に訪れた人も、制作に関わった人たちも笑顔になると同時に、ソニーらしい遊び心を感じさせる空間デザインをこれからも探していきたいと思います。