プロダクトデザインの醍醐味は、
将来像を描き、プロジェクトを導くこと

三宅 諒

2012年入社(新卒) プロダクトデザイン

ソニーのプロダクトデザインの領域は、TVやオーディオなどのエレクトロニクス製品や、放送機材などのプロフェッショナル機器だけではありません。
ソニーグループのビジネス領域拡大に伴い、STEM(※)教育事業のプログラミング教育キットや、メディカル事業の医療関連機器、
さらに新規事業でのスマートウォッチなど、そのデザインの領域は現在も拡大中です。そんなソニーのプロダクトデザインの
仕事内容や感じているやりがい、今後必要だと思うスキルなどをデザイナー 三宅が紹介します。

※ Science(科学)、Technology(技術)、
Engineering(工学)、Mathematics(数学)の略

両極端の領域で活躍の場がある
ソニーデザインの仕事

私は入社後、オーディオのデザインチームに配属され、すぐにインナーイヤーヘッドホンのデザインをまかされました。当時はオーディオの知識がほとんどなく、ヘッドホンの構造などを猛勉強しつつ、担当エンジニアや先輩デザイナーに質問を繰り返し、学びながらデザインをつくりあげていきました。ソニーではデザイナーとエンジニアの距離が近く、常に議論しながら一緒にものをつくれるのが面白いと思います。その後、カメラのデザインチームに異動。最近はデジタル一眼カメラの交換レンズ G master™の超望遠レンズを担当し、プロのフォトグラファーに試用していただきながら、現場での使いやすさを突き詰めた機能美を追求しました。その一方で教育事業部門から依頼を受け、ロボット・プログラミング学習キット KOOV™(クーブ)のプロダクトデザインも手がけるなど、今はプロ向けと子ども向けという両極端の領域でデザインに取り組んでいます。

プロジェクトの詳細はこちら ロボット・プログラミング学習キット KOOV

ロボット・プログラミング学習キット
KOOV

市場調査や商品企画にまで携われる、
ソニーのプロダクトデザイン

実際の仕事では、商品企画の段階からプロジェクトに携わることも頻繁にあります。例えば、KOOVでは2020年の必修化に向けて、市場動向のリサーチから参加しました。開発メンバーとともに、既存のロボット・プログラミング教育キットを研究した結果、子どもたちに"学ばせる"ための教材然としたものが多いという課題を抽出。そこから、子どもたちが自らプログラミングを"学びたくなる"楽しい学習キットというコンセプトを立ち上げ、プロジェクトをスタートさせました。私はKOOVのプロダクトデザインにとどまらず、子どもたちがずっと続けたくなるような魅力的なブロックの作例や、教育カリキュラムの作成まで携わりました。

プロダクトデザインの仕事の流れ
(ロボット・プログラミング学習キット
KOOVの場合)

  1. 市場動向を
    リサーチ

  2. リサーチ結果を踏まえ
    プロジェクトメンバーと
    議論を繰り返し、
    プロダクトのコンセプトを
    立案

  3. KOOV本体、使用する
    ブロックの形や色、
    さらにブロックを使って
    組み立てる作例などを
    デザイン

  4. プロトタイプを国内外の
    展示会に出品し、
    子どもたちの反応を見て
    ブラッシュアップ

  5. 製造工場に通い、
    KOOV本体、ブロックの
    最良の色や手触りを
    現場で細かくチューニング

  6. 販売

人々が使って喜んでくれることが
デザインのやりがい

ソニーでは、一つのプロダクトを一人のデザイナーが最後まで仕上げられるので、完成したときの喜びもひとしおですね。自分がデザインしたヘッドホンなどを街で見かけたり、それが世界中に流通してさまざまな国の人に愛用されたりしているのを見ると、自分のデザインに誇りさえ感じます。KOOVのときも海外の展示会で現地の子どもたちが夢中で遊んでくれている様子を目の当たりにして、本当に感動しました。ただソニーデザインとして、プロダクトを世に出すのは生半可なことではありません。プロダクトの開発段階には、経験豊富なディレクターや先輩たちがデザインを評価する「デザイン審議」という場があるのですが、そこではかなり厳しい意見や批評をもらうことが多くあります。この審議を突破し製品化するため、自分のデザインをひたすら研ぎ澄ませていくわけですが、このような日々の研鑽によって、デザイナーとして成長していけるのだと感じています。

いまデザインに求められるのは、
プロジェクトをまとめる力

これから身に着けたいのは、デザインによってプロジェクトの方向性を指し示すスキルですね。最近、事業部の商品企画担当者やエンジニアから「こんな事をしたい、こういう技術があるけど、何か一緒につくれないか」と相談されてゼロからプロジェクトを一緒に立ち上げることも増え、その際、自分の構想などをもとに将来像や方向性を示し、プロジェクトをまとめていく力が非常に重要だと感じています。プロジェクトが目指すべき価値や方向性をビジュアルによって視覚化すると、目標が明確になり、社内の賛同者や協力者がどんどん増え、プロジェクトが好転することが多いんです。今後はプロダクトデザインを追求しながらも、そのようなデザインの力によってプロジェクトをドライブさせるリーダーシップ能力も磨きたいと思っています。

プロダクトデザインを軸に、
新しいデザイン領域に挑戦したい

私はもともとグラフィックに興味があったのですが、途中でプロダクトの魅力に惹かれ、大学ではプロダクトデザインを専攻しました。ただグラフィックも好きだったので、学校の課題をこなしつつ、ポスターの公募展に挑戦するなどの自主活動を続けていました。そんな中、応募したポスターが大賞を獲って実際の広告として採用されたんです。そのとき、自分の興味あることを一つに決めず、好奇心をもっていろいろなことを取り組んだ経験すべてが、自分のデザインの深さにつながると感じました。今後、ユーザーインターフェースやサービスデザインなど他の領域にも挑戦していきたいのですが、あくまで自分の軸はプロダクトデザインに置いておきたいと考えています。なぜなら、プロダクトデザインの思考を活かすからこそ、他のデザイン領域で新たな価値をつくれるのではないかと考えているためです。

写真上:学生時代の作品 写真下:学生時代の作業風景

私が考えるプロダクトデザインとは、
「魅力的な将来像をつくる」こと

デザインの力とは、時代の空気を感じながら、物事を視覚化できることだと思います。ソニーの社内には、様々な可能性を秘めた最先端の技術がたくさんあります。私は今後、それらの技術を体験に翻訳しながら魅力的な将来像を描き出し、社内の商品企画担当者やエンジニアを引っ張っていくデザイナーを目指したいと思っています。