Sony Design

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Feature Design

DSC-RX1 / SLT-A99V / NEX-VG900

映像世界を牽引(けんいん)する旗手たち

イメージセンサーを自社開発・生産しているからできる、カメラづくりがあります。
レンズマウント部に輝くアンバーのリングは、35mmフルサイズCMOSイメージセンサー搭載の証。
それはソニーの技術力と同時に、
ソニーデザインの幅広さも表しています。

Concept

〈 DSC-RX1 / SLT-A99V / NEX-VG900 〉
グランドアンバーに込めた意思

イメージセンサーの開発に注力してきたソニー。その技術力の象徴が、35mmフルサイズCMOSイメージセンサーです。このセンサーを搭載したデジタル一眼カメラSLT-A99V(以下α99)、デジタルスチルカメラDSC-RX1(以下RX1)、レンズ交換式デジタルHDビデオカメラNEX-VG900(以下VG900)を一挙に世に送り出すことで、ソニーの技術力と映像文化を進展させる強い意志を示したい。それが今回のカメラ群開発の発端でした。

カテゴリーによって商品の機能や使い方が異なるため、造形に統一感を持たせるのとは異なるアプローチで、フルサイズイメージセンサー群としてのイメージをどう与えるか。たどり着いたのがマウント周りにあしらった「グランドアンバー」という色でした。デジタル一眼カメラα Aマウントシリーズで継承してきたシナバーから遠く離れず、ソニーらしさを伝えられる最適なトーンとして調色しています。たとえばVG900では、業務用途で使用されることもあり、操作感やアクセサリーに影響を及ぼす大幅なデザイン変更はできませんが、グランドアンバーをあしらうだけで、フルサイズイメージセンサー搭載のプレミアムな商品であることが伝えられます。

「フラッグシップモデルを
デザイン」

35mmフルサイズCMOSイメージセンサー搭載モデルは、そのカテゴリーのフラッグシップモデルです。しかも、3カテゴリーを横断して開発できる機会など滅多にありません。いつもにも増して、気の引き締まる思いでデザインに着手しました。それぞれに条件やテーマが異なる3モデルと、それらをひとつにまとめるグランドアンバーのデザイン。撮影する前から、目と手を通じて、ソニーの35mmフルサイズCMOSイメージセンサーの世界を感じられる。それが実現できたら、デザイナー冥利に尽きますね。

統括部長 新津

Industrial Design

〈 DSC-RX1 / SLT-A99V / NEX-VG900 〉
テンサイルスキンの完成形

昨年SLT-A77V(以下α77)で確立した「テンサイルスキン」という表現手法。これは、内側から外へ張り出すエッジラインと、内側に収れんするネガ曲面が拮抗し、複雑な造形を自然にまとめるもの。その手法をさらに進化させたのが、今回のα99です。一眼レフカメラのマウント周りはオーバル状にエッジが立つのが一般的です。それに対してα99は、内側から外へ張り出すエッジラインはソニーロゴの上の一カ所のみで、それ以外は自然な曲面で全体をまとめています。またα99は、操作性も向上。ファインダーを覗いたままでも操作しやすいよう、操作ボタンの形状などを工夫し、指先の感覚だけで必要なボタンが探せるよう配慮しています。

「こだわり抜いた
エッジライン」

ソニーロゴの上にあるエッジライン。このラインが「テンサイルスキン」のポイントとなるだけに、エッジの立て方を徹底的に吟味しました。実機を見ると、ソニーロゴがわずかに下方を向いているのが分かるでしょう。これは、マウント面から微妙にオーバーハングさせているため。おかげで、エッジラインに強い緊張感が宿りました。

シニアデザイナー 小幡

「オーセンティック」の新解釈

RX1は、カメラの普遍的なあり方や本質を知る、カメラ愛好家向けのコンパクトデジタルスチルカメラ。カメラ愛好家へのリスペクトを込めて、RX1は「オーセンティック」な造形を目指しました。しかしそれは、既存価値にとらわれず新しいものを創造してきたソニーにとって大きなチャレンジ。問題は「オーセンティック」の解釈でした。クラシックカメラの模倣ではなく、ソニーデザインらしくミニマムに表現するために、RX1は2つのポイントにこだわりました。ひとつは、水平と垂直。カメラを水平・垂直に構えるという変わることのない撮影の心得を、カメラのカタチにも反映しました。もうひとつは、レンズのレイアウト。カメラの命であるレンズを、カメラのセンターに見せる。妥協なく光学設計を追求したRX1だからこそ、外せないポイントでした。

ストイックな本質表現

デザインには、これまで以上に繊細な作業が必要でした。たとえば、レンズのレイアウト。実際には、グリップする右手とピントや絞りを操作する左手が干渉しにくいよう、位置を中心からずらしていますが、ロゴの位置を0.1mm単位で調整することで、中心にあるように見せる工夫をしています。また、正面から側面への曲面は、わずかな加減で全体の印象に影響するため、時間をかけて検討。ソニーロゴが曲面にかかり、生産時に塗料が流れて「ロゴが泣く」状態が懸念されましたが、角を絞り込むことで、ただの「箱」に見えないデザインにこだわりました。

ディテールに見せる執念

本体のアイコンやテキストは、プリントではなくすべて刻印に。RX1を「一生もの」として長く使用したときでも、文字が剥げない工夫をしています。露出補正ダイヤルは、刻印、スピン仕上げ、2色の色入れなど、上質さを追求。マイナス記号と混同しやすい目盛りの表示は、マイナス記号自体を目盛りがわりにし、目盛りをグレーに配することで、見やすさと精細さを両立しています。さらにサムグリップは、使用しないときは折りたため、本体の曲面に沿うデザインに仕上げています。レンズフードは何パターンもスケッチをし、モックアップを作成してデザインを検討。レンズキャップにもメタル素材を採用し、開閉時に指がかかりやすいよう配慮しています。

「強い自制心と目的意識」

RX1のデザインでは、強い自制心と目的意識がいつも以上に求められました。プロダクトデザインには、例えばエッジを落としてスリムに見せるというような手段があります。しかし、それは「水平・垂直」を表現する上で邪魔になりかねません。デザインすること、しないことの基準がこれまでと違うため、ときに葛藤しながら必要な要素だけを突き詰めていきました。

プロデューサー / シニアデザイナー 高木