好奇心で枠を越え、仕事を開拓しながら活躍の場を世界に広げる

好奇心で枠を越え、仕事を開拓しながら活躍の場を世界に広げる

久保田 昌伸
ソニー・インタラクティブエンタテインメント ブラジル

言語や文化、そして障がいにもとらわれず、海外へと活躍の場を広げる久保田さん。
現在は、ブラジルで働く久保田さんを迎えて、入社当時から久保田さんをよく知るソニー・ミュージックアクシス
の阿久津さんとともに、久保田さんのこれまでの軌跡と今について、お話を聞きました。

仕事は自分でつくる、自由で創造的な職場環境

久保田:私は学生の頃から、経理職でキャリアを積んでいきたいと考えていました。就職先としてソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)を選んだのは、子どもの頃からゲームが好きだったことと、エンタテインメントを創造するという事業に魅力を感じたからです。SIEはソニーとソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)が合弁でつくった会社で、私が入社した当時(1998年)、それぞれ異なる企業文化を尊敬し合いながら、新たなビジネスをつくり出しており、勢いと熱を強く感じたことを覚えています。エンタテインメントの世界を切り拓いている会社だからこそ、プロアクティブに自分で考え動く、というのが当たり前という企業風土があるのだと感じました。私の配属先の経理部に関しても、想像していたいわゆる「経理」という雰囲気ではなく、とても自由で活気のある雰囲気に最初は驚きました。そんな中でも、一人ひとりがプロフェッショナルな知識と経験を持ち、課題に対して適確かつ迅速に対応する姿はとてもCoolで、刺激を受けながら仕事を学んでいきました。

阿久津:私がSMEからSIEの経理部に出向しているときに久保田さんと出会いましたが、当時から上司や先輩の指示にただ従うだけでなく、自分で考えて「こうやりたい」と意志を示して、自分なりに方法を見つけて仕事をしていました。その頃はちょうど会社の規模が大きくなり始めた時期で、現在のように業務マニュアルや会社のルールといったものがまだ確立されていなかったため、私たちも手探りで仕事をしているような状態でした。新入社員だった久保田さんたちは、そんな中に入ってきて特に苦労したのではないかと思います。

久保田:やりたいことをやっているという感覚だったので、当時はそこまで大変だとは思っていませんでしたね。わからないことばかりで仕事に時間もかかりましたが、私にはこの社風が合っていたようで、とても働きやすく毎日が充実していて、楽しかったです。

知りたい、伝えたい気持ちは好奇心から生まれる

久保田:海外で仕事をしてみたいと思うようになったのは、移転価格税制というグループ会社間での国際的な取引に関する仕事をしたときでした。日本とは異なるビジネスや会計・税務処理に触れることになり、また海外のメンバーとのやり取りが増える中で、もっと現場で深いところまで知りたいという好奇心が芽生え、阿久津さんや周囲の人にも海外勤務の希望を伝えていました。それから2年程経ったある日、アメリカ赴任のお話をいただきました。正直、英語力には不安があったのですが、またとないチャンスだと思って赴任することを決めました。

阿久津:たしかに久保田さんは英語があまり得意ではなかったと思うのですが、それ以上に伝えたいという気持ちが強くて、例えば海外拠点とミーティングをするときに、英語で伝わらないことがあると、ホワイトボードに図を描いて、なんとか伝えようとしていました。仕事で疑問や不明点が生じたときも、部署内・外問わず、直接会いに行って担当者の話を聞いていました。そうやって積極的にコミュニケーションを図ることで、仕事が円滑に進むように努力していましたね。

久保田:私はもともと好奇心が旺盛で、それが経理の仕事に向いていたのだと思います。経理をする上で、事実確認はとても大事なことです。たとえば部門から請求書を受け取っても、何を目的にして、何(物、サービス)に対してお金を払うのか?その金額は合理的なのか?等々、実態がわからないとそれを正しく処理できないからです。ですので、よくいろいろな部署に出かけていき、みなさんのお時間をいただき、話を聞かせてもらっていました。このような経験が、海外でのコミュニケーションにも役立っていると思っています。ミーティングでは言葉の壁もあり、理解できるまで何度も聞き返していました。日本では何度も質問すると嫌がられたりすることもありますが、海外では割とこちらが理解できるまで何度でも説明してくれます。また必要があれば、他部署に出かけていき話を聞いたりしていました。相手の話をよく聞くことが、コミュニケーションをする上でとても重要だと気付いてからは、意識的に注意深く話を聞くようにしています。言葉が違う分、海外では特に相手の意志を確認することが大切なので、伝えることはもちろん聞くこともとても大切にしています。

ソニー・ミュージックアクシスの阿久津聖さん

やりたい仕事を追いかけて、活躍の場をアメリカからブラジルへ

久保田:アメリカに渡って1年目は、ハードウェア原価計算や収益認識等の担当をさせていただきました。2年目からは、さまざまな経験を積みたいと思い、ネットワークビジネスに関連する経理業務を自ら希望して担当させてもらいました。ビジネスフローや取り扱う商品が異なり、新しいビジネスや経理知識を知ることができ、とてもいい勉強になりました。4年目からは経営管理部にて、予算策定プロセスや実績・見込対比、分析業務など、幅広く担当させていただきました。

5年目には、アメリカでの上司から、ブラジルで仕事をしてみないかと打診を受けました。ブラジルでの任務は、ブラジル国内でPlayStation®3およびPlayStation®4のハードウェアを生産するプロジェクトを経理面から支えることでした。物を買って、売るという機能がブラジルの会社に新たに加わることになり、在庫や債権債務の管理、キャッシュフロー、資金繰り等を行う仕事です。新しいことを始めるプロジェクトは、キャリアを開拓しながら仕事をしてきた私にとっては、とても魅力的に映りました。ブラジルはまだ先進国とは言えず、治安の面でも不安がありましたが、市場はこれから大きく成長する可能性がありますし、以前から興味があった国だったので快諾しました。またブラジルの会社は人数が少ないので、業務は経理だけに留まらず、人事や法務、IT、カスタマーサービスなども間接的にサポートする必要があります。会社全体を見て、営業のトップとやり取りをしながら会社をマネージしていくのは、自分にとってはとても楽しくやりがいのある仕事です。さらに、ブラジルは税法が多くとても複雑です。ビジネスの戦略や物流等のセットアップ次第で会社の利益も多く変わってきます。そのため、どうしたら利益を最大化できるかを考えながらチームのみんなとともに会社のゴールに向けて、議論、検討、決定、実行をしていくことに、とてもやりがいを感じています。

ソニー・インタラクティブエンタテインメント ブラジルのみなさんと

障がいを意識せずにいられるのは、自然に受け入れてくれる環境があるから

久保田:経理には仕事柄、最終的に会社の活動のすべてが集まってきます。財務諸表を通じてビジネス全体が見通せるので、いろいろなポイントを見つけて、解決もしくはより良い方向に向けての提案ができるところが醍醐味のひとつだと思います。しかし、関係部署の方たちにも協力・調整してもらうこともあることから、部署に直接足を運び、話をさせてもらう中で、新しい方との出会いや発見もありとても刺激になります。

阿久津:日本にいる頃から久保田さんは他部署に知り合いが多く、さまざまな部署に出向いていって、気さくに話をしながら問題を解決していたので、海外に行っても心配はしていませんでしたね。足に障がいがあっても気にする素振りがなく、日々のコミュニケーションの妨げになるようなことは全くありませんでした。こちらも特別扱いすることなく、障がいの有無など関係ない、ごく自然な付き合いができました。

久保田:私自身、今は障がいがあることを特別気にしていませんが、以前から気にしていなかった訳ではありませんでした。障がいのある方はご自身についてコンプレックスをお持ちのことも少なくないと思います。私にもかつて、人からどう思われているのかが気になるなど、そういう時期がありました。しかし、学生になって一人暮らしを始め、就職をし、周囲の環境が変わるにつれ、自分の障がいについて考えることがなくなっていきました。もし、コンプレックスを持ったまま仕事をしていたら、同僚の目が気になって自然に接することができなかったと思いますし、多くの人と知り合ったり、他の部署に自分から出向いて話したりすることはできなかったと思います。それに、障がいの有無など全く関係なく、ごく自然に受け入れてくれる環境が会社の中にあったから、私も気にすることなく振る舞うことができました。

やりたいことにチャレンジさせてくれる、ダイバーシティな企業風土

久保田:海外で仕事をする醍醐味は、言葉や文化、ビジネス環境の違いや働き方など、自分の中にない新しいものと出会い、吸収し、日々成長していることを実感できるところです。新しいことに触れることで刺激を受けながら、日々仕事ができることに幸せを感じています。

障がいのある人に対する接し方については、アメリカやブラジルと日本とでは、それほど違いは感じていません。ただ、周りにいる人たちがサポートを申し出てくれることは、アメリカやブラジルのほうが多いと思います。特に、ブラジルは子どもや高齢者を大切にする文化が根付いていて、障がいのある人に対しても親切に接してくれます。また、特にアメリカの場合は、通勤は自家用車が一般的で、日本よりも道路が広く走りやすいし、オフィスの通路も車椅子で楽に移動できる広さがあります。障がいのある人が海外で働くことはハードルが高いと思われがちですが、実際に海外で働いてみるとそんなことは全く感じません。もし海外赴任に興味があるなら、障がいのことは心配しないで、ぜひトライしてほしいです。

私が今、海外でやりたい仕事ができるのは、SIEがチャレンジする機会を与えてくれたからです。フロンティア精神にあふれた会社だから、チャレンジする社員を応援しようとする企業風土があり、自分の努力と意欲次第で、活躍の場をどんどん広げることができます。それがSIEの素晴らしさであり、会社としての強みであると思います。チャレンジを認めてくれる環境で、これからも自分の中にない新しいものに触れながら、やりたい仕事に邁進していきたいと思います。

海外赴任は家族とともに。今はブラジルでの生活をみんなで楽しんでいる
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