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仕事を安心して続けるために、介護休職の取得を選択

仕事を安心して続けるために、介護休職の取得を選択

三宅 正一
ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ株式会社
HESソフトウェアセンターV&Sソフトウェア技術部門4部2課

最先端のワークステーションを開発したくて、ソニーに入社

私はポータブルラジオやベータ方式ビデオレコーダーなど、小学生の頃からソニー製品に親しんできました。中でも一番衝撃を受けたのが、ワークステーション「NEWS」との出会いです。コンピューター研究の最先端である米国カリフォルニア大学バークレー校が開発したオペレーティングシステムUNIXを搭載したNEWSは、1980年代後半ミニコンと呼ばれていた大型コンピューターの性能がそのままデスクトップサイズに凝縮されたワークステーションで、大学で計算機科学を学んでいた私の目にはとても魅力的に映りました。そして、大学卒業後はソニーでNEWSの開発をしてみたいと強く思うようになりました。

入社後、私は希望通りワークステーション事業部に配属され、NEWSのOS開発を担当しました。その後、パーソナルコンピューターVAIO®の研究開発部門で、周辺機器の開発に従事。ホームネットワーク機器の試作や、無線LAN技術を使ったオーディオ再生機器の開発などを手がけました。2005年頃からは、オーディオの開発部門でウォークマン®のソフト設計を担当。現在はホームおよびパーソナルオーディオ製品全般に使われている基本ソフトウェアの開発を担当しています。数年前に私は、親の介護という現実に直面し、仕事と介護を両立するために2カ月間休職することを決断しました。

UNIXを搭載した開発者向けワークステーション「NEWS」

仕事と介護を両立できる体制をつくるため、介護休職を取得

今から3年ほど前、実家で一人暮らしをしていた母が転倒して肩と骨盤を骨折し、入院することになりました。約3カ月間かかったリハビリテーション期間中は、母と一緒に歩行練習を行うために、会社を早退して病院に通いましたが、私が早く帰れるように職場の上司やチームメンバーがサポートしてくれたので、とても助かりました。おかげで母は自力で歩けるまでに回復しましたが、入院前は軽度だった認知症が入院した途端に悪化。退院後は家族の同居が必要になるため、私が実家で母と一緒に暮らすことにしました。私が会社に行っている間、母を一人にしておくのは危険なので、仕事を続けていくためには公的介護サービスを利用した体制づくりが不可欠でした。悩んだ挙句、私はケアマネージャーに相談し、まずはデイサービスを中心に利用するプランを立てました。それでも対応しきれなかった場合には民間の介護施設を利用することも視野に入れ、安心して母を預けられるサービスを探すために2カ月間休職することを決心しました。

人事部や職場の上司、チームメンバーの助けでスムーズに休職

まず私は、休職するためにはどんな人事制度が利用できるのかを調べ、人事部に連絡しました。公的介護サービスを探すためには2カ月程度の休暇が必要だと担当の方に伝えると、有給休暇や積立休暇など利用できる会社の制度を提示してくれました。そのときに介護休職を取得できることや、利用回数、日数の制限などまで親身になって相談にのってもらいました。最終的には、積立休暇を制度上限の20日、介護休職を1カ月取得することに決めました。

また、私が職場の上司に介護休職の取得を考えていることを伝えると、上司自身も親の介護に直面した経験があり、すぐに前向きに対応を考えてくれました。また、休職中は全体の仕事が滞らないように、サブリーダーたちが私の仕事を分担して担当してくれました。復職してから聞いた話ですが、サブリーダーたちは新しい仕事に緊張感を持って日々臨んでいたそうなので、一時的に大変負担をかけてしまったと思います。チームメンバーがしっかりサポートしてくれるという安心感が、介護休職時の大きな助けになりました。

介護休職時、私の仕事をサポートしてくれた職場のチームメンバー

休職して体制づくりができたからこそ、仕事ができる今がある

介護の大変さは聞き知ってはいましたが、実家での母との同居生活が始まると、その忙しさは想像以上でした。休職中は月曜から金曜まではデイサービスを利用しながら介護を始めたのですが、母のサービスセンターへの送迎の対応や食事の支度などをこなしていくのがやっとの状態で、自分が神経性胃炎を患ってしまったほどです。これでは今後もデイサービスを利用しながら仕事をするのは無理だと思い、介護施設に母を預けることにし、ケアハウス探しを始めました。自宅近くのケアハウス(自立生活に不安がある高齢者が入居できる福祉施設)は、明るく開放的で食事も美味しく、母を見学に連れていくと気に入った様子だったので、そこで母を生活させることに決めました。

休職後、私の仕事と生活は母の入院前の状態に戻りました。現在は週1回、母を見舞いに行く程度ですが、私自身、休職してしっかりと体制を整えることができたから、母を手厚くケアしながらも以前と変わらず仕事ができる現在があるのだと実感しています。

人事制度は、安心して仕事を続けるための味方になる

介護のために仕事を辞めざるをえない方がいるという話を聞きますが、私の場合は、会社の人事制度を利用することで仕事を辞めずに済みました。上司やチームメンバーにも介護の体制を整えるために休職することを受け入れてもらえたので、会社を辞めるという選択肢は私にはありませんでした。また、介護両立支援制度を利用することに躊躇する方もいるかもしれませんが、私は積極的に利用すべきだと思います。利用申請時には、日常生活でどれくらい介助が必要か、プライベートな内容を書くため答えにくい設問もありますが、それだけ自分が支援を必要としているということなので、堂々と申請してほしいと思います。

私は現場での仕事が大好きで、これまでは自分が常に現場にいて、その延長線上でマネジメントをしてきました。ただ、今回は現場を離れざるをえず、いつもと違う形で仕事をすることになりました。初の経験にとまどうところがあったので、相談にのってもらった人事の方には、大変感謝しています。質問にも懇切丁寧に答えていただき、とても心強かったです。介護両立支援制度の利用を考えている方は、利用申請をする前に、前もって人事部に相談しておくと、さまざまな選択肢を提示してもらえると思います。また、私の周りには介護経験のある上司や同僚がいたので、休職にあたり周囲の理解を得るのも早かったと感じています。もし身近に介護経験者がいたら、さまざまな点で味方になってくれると思いますので、相談してみてはいかがでしょうか。

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