高精度な顔検出を、少ない計算量で実現。

顔検出技術

ディープラーニングのネットワーク構造も独自に開発して、製品に組み込み可能なコンパクトで高性能な顔検出を実現しています。フラッグシップスマートフォン「Xperia 1」に採用することで撮影の楽しさとクオリティを高めているほか、aiboにも採用。今後、様々な応用を視野に入れながら、さらなる研究開発に取り組んでいきます。

中村 明香 ソニー株式会社 R&Dセンター 基盤技術研究開発第1部門

中村 明香 ソニー株式会社
R&Dセンター 基盤技術研究開発第1部門

顔検出技術における、ソニーの優位性。

ソニーは20年以上も前から顔検出技術に取り組んできました。これまでの研究開発から、優れた学習データをたくさん持っているだけでなく、検出率を高めるためのノウハウが蓄積されています。それによって、正面から見た顔はもちろん、横顔でも、眼鏡をかけていても、マスクをしていても、高精度に顔を検出できるAIが実現されているんです。実際にaibo、Xperia™に使われている顔検出技術の基盤技術は同じですが、それぞれに最適なものとなっています。最近、技術的に苦労したのはXperiaでした。スマートフォンの場合、縦向きや横向きだけでなく、360度あらゆる角度で撮影することが多いですよね。だから、どんな角度で撮ってもきちんと顔を検出し、顔を検出・追従できるようにする必要があったのです。また、このようなAIを製品に組み込むためには、できるだけ計算量が少なくてメモリ効率がよく、リアルタイムに働くように設計しなくてはなりません。そのために、ディープラーニングのネットワーク構造から新たに独自のものをつくっているんですよ。

AIの力で撮影をさらに便利に楽しくしていく。

ポートレート撮影では瞳にピントを合わせるのがセオリーですので、α™やXperiaに「瞳AF」が搭載されていますが、今後は寝ている、食べている、話しているといった人の状態など,人をより深く理解するための情報も認識できるさらに進化したAIを開発していきたいですね。さらには、人が何に興味を持っているのかということを判断できるアテンション認識といったものも考えています。撮影者が何を撮ろうとしているかを先回りし判断してくれたり、被写体が何を意図しているのかを分かってくれたりして、望む位置に自動的にピントが合えば便利ですよね。そんなAIが開発されれば、ドローンによる自動撮影にも役立つし、撮影に限らずいろいろなことに役立つはずです

人生のパートナーのようなAIを開発したい。

一般的に、現状のセンシングのためのAIは予め設定されたものです。そこで将来的には、ユーザーの手元で、人とのインタラクションの中で成長していくAIの開発に取り組んでいきたいと考えています。カメラを使っているうちに自分の子どものことをAIが憶えてくれるとか。そうすれば、運動会の様子を撮影したときに、自動的に自分の子どもにピントが合うということも可能になるわけです。私は、AIは人の仕事を奪うものではなく、人生を通したパートナーになれるようなものだと考えています。つまり、使う人の趣味嗜好を理解して、人にやさしくしてくれる存在です。その場の空気を読んで、その人にとっての心地よさを判断し、それを提供してくれる。そんなAIをお客様に届けていきたいですね。

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