巨大な情報処理技術を材料開発に応用。

マテリアルズ・インフォマティクス

10年かかっていた材料探索を1週間で。そんな魔法のような可能性を秘めた技術が、「マテリアルズ・インフォマティクス」です。ソニーがこれまでの材料開発で蓄積してきた豊富な独自データをAIに学ばせることで、他では真似できない探索を可能にし、次世代のイメージング・センシングデバイスの開発のスピードや効率が飛躍的に高まります。

ソニー株式会社 R&Dセンター 基盤技術研究開発第2部門 材料解析センター 蟹谷 裕也・冨谷 茂隆・白沢 楽

蟹谷 裕也・冨谷 茂隆・白沢 楽 ソニー株式会社
R&Dセンター 基盤技術研究開発第2部門 材料解析センター

材料開発の時間を大幅に短縮させるAI。

冨谷:従来、材料開発は研究者の仮説をもとに実験・検証する、いわば原因から結果を推定するアプローチでした。一方マテリアルズ・インフォマティクス(MI)は、既存の実験データやシミュレーションデータをAIに学習させることで、ほしい物性を持つ新材料をデータから導き出す、つまり結果から原因を推定するアプローチです。経験と勘に頼った従来の開発より、開発時間を大幅に短縮できると世界的に注目されています。

MIにおけるソニーの優位性。

白沢:現在このMI技術を用いて、次世代イメージング・センシングデバイス用の材料開発に携わっています。世界的にもMI技術の活用が進む中、ソニーには他にはない強みを持っています。MIはデータから結果を導く技術なので、良質なデータであるほど探索精度が上がります。ソニーがこれまでの材料開発で蓄積してきた独自のデータを使うことで、他では真似できない探索が可能になるのです。
蟹谷:新たな実験データの取得にもソニーの強みがいかされています。イメージング・センシングデバイスは、原子レベルでの欠陥が致命傷になり得ます。この点、ソニーは世界最高レベルの分解能を持つ電子顕微鏡を用いて原子レベルのデータを獲得することができます。ハード面の充実も私たちの強みの一つですね。

MIのため、各分野の専門家が一体に。

冨谷:ただし、ただ質の高いデータが揃っていればいいわけでもありません。新しい材料を探索するには、物理や化学の正しい知識をもとにAIを使いこなすことが大切です。私たちは、物理や化学分野での材料解析、シミュレーション、AIとそれぞれの専門家が一体となって活動しており、実際、先日も新しい材料の探索手法を見出すことができました。専門的な知見を結集できることこそ、私たちの最大の強み。今後もMIの活用を通じて新材料を開発し、次世代のイメージング・センシングデバイスに必要な材料を開発してきたいですね。

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