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タイトル「テクノロジーが人間の音楽表現を拡張する
ソニーコンピュータサイエンス研究所 - ダイナフォーミックス -」

黒地にソニーのロゴが表示される。

ピアノ演奏音。

ピアノを弾く男性の手を背景に「Stories」「Sony's Innovations & Challenges」のロゴと動画タイトル『テクノロジーが人間の音楽表現を拡張する』『ソニーコンピュータサイエンス研究所 「ダイナフォーミックス」』が表示される。

壁面が書棚になっている部屋。ピアノの前に黒いシャツの男性。

テロップ
古屋 晋一
ソニーコンピュータサイエンス研究所
(ソニーCSL)
リサーチャー
古屋
「新しい表現が生まれるサポートをするというのが 自分の研究者としてのゴールだと思っています
演奏者自身が 自分がこんな表現ができるんだということを見つけられるようなサポートができれば
自分のゴールは達成できたというふうに考えています」

木材をあしらった外観の建物。ガラス張りの入り口に「STEINWAY & SONS」とロゴプレートが掲げられている。

テロップ
撮影協力 スタインウェイ&サンズ東京

木製の壁のホール。眼鏡をかけた男性がピアノを弾いている。
鍵盤をはじくようにたたく指先。

テロップ
反田 恭平
ピアニスト
M.ヴォスクレセンスキー氏の推薦によりロシアへ留学
チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に首席で入学
現在はショパン音楽大学でピオトル・パレチニ氏に師事
TVアニメ「ピアノの森」では阿字野壮介のメインピアニストとして参加している
テロップ
リスト: パガーニーニ大練習曲集 第3曲「ラ・カンパネラ」

壁面が書棚になっている部屋。古屋が語る。

古屋
「よくピアノの演奏の技能というのは すごく早くて複雑なので
どういうふうに関節を使っているんだろうということは なかなか理解できません」

ピアノの音がフェードアウトする。

演奏中の反田の手元。指のタッチが素早く、ポジションも仕切りに変わる。
壁面が書棚になっている部屋。古屋が目を輝かせて話す。
研究室。真剣な表情でノートパソコンを操作する古屋。

古屋
「昔は よく見て学べなんていうことを言われましたけど
見てもですね どこを見たらいいのかよくわかりません
それなので テクノロジーを使って可視化したり
実際に体験できるようなものを提供するのがテクノロジーの大きな目的になります」

暗転。

テロップ
アーティストの身体や脳の働きを解明し
最適なトレーニングを通して多種多様な音楽表現の創造へ
導くための研究「ダイナフォーミックス」
古屋の実験のデモンストレーションに
反田氏とアマチュアピアニストが参加した

研究室。反田が右手に黒いグローブをはめる。

反田
「だってこれ センサーが入ってるって思えないですもんね」

腕にもアームバンド状の電子機器をつけ、手を握ったり開いたりする。
生地は薄く、手の甲の面に、それぞれの指の股にU字の出っ張りがついている。
指先には穴が開いていて、第一関節から先がグローブから飛び出ている。
手のひらはメッシュのような素材で、中央に穴が開いている。

テロップ
データグローブ
演奏者の指の動きをデータ化

外骨格型の黒いロボットハンドが自動的に動く。データグローブをはめた反田の手と同じ動きをしている。

テロップ
エクソスケルトン
他人の指の動きを再現する
反田
「すごい これはいいですね」
古屋
「でしょ」

アマチュアピアニストの女性被験者がエクソスケルトンを装着する。自分で手を握ったり開いたり、指を動かしてみる。

古屋
「先生がグローブをはめて弾いたときに 生徒がエクソスケルトンをはめると
全く同じ指の動きをしてくれるので 直感的に理解することができます」

反田がピアノを弾く。反田の指の動きに合わせて、エクソスケルトンをはめた女性被験者の指が空中で自動的に動く。これが反田の3度のエチュードの動きだと古屋が言う。
反田が軽やかにピアノを弾き、周囲を見回す。

反田
「こういう軽い音を出したいときって 言葉だけでは伝わりにくいところがレッスンではあるんですよね」

説明をする古屋。
女性被験者がエクソスケルトンで動く自分の指を見て満面の笑みを浮かべる。
反田がインタビューに答える。

反田
「古屋さんは どういうふうに体を使えば 音楽が良くなるかということを
まず第一に考えていらっしゃる方なので 少なくとも我々の味方であって
彼の言葉をまず我々は聞くべき」

むき出しにした鍵盤の下に、スタッフがセンサーを取り付ける映像。

テロップ
鍵盤センサー
ピアノの鍵盤の動きや力を光で計測
古屋
「ここの鍵盤 今 ハーフタッチとか全部録れるようにしてるんですよ」

古屋がピアノを指さす。

反田
「というのは センサーが入ってるということなんですか?」
古屋
「そうです 今入れました」
反田
「えっ!?」

驚く反田。

反田がピアノを素早く弾く。
ピアノの横に設置したモニターにデータが表示される。

テロップ
打鍵回数
22回/秒
古屋
「うわっ 22回です」

もう一度ピアノを弾く反田。モニターを見る。

反田
「23回。」
テロップ
打鍵回数
23回/秒

ピアノの演奏音。

モニター画面。起伏ある波形が、打鍵と連動して表示される。波形は鍵盤によって色分けされており、時間の推移とともに画面右から左に流れていく。

テロップ
鍵盤センサーは指先のタッチを可視化し
演奏方法を学ぶことができる
古屋
「移るために一回ピボットみたいにしてるんです
バスケでいう ぐーっと固定して もう一方を「ソ」・「レ」というふうに」

古屋がピアノの前の反田に身振りを交えて説明する。右に重心をかけて屈み、左に伸びあがるように重心を移す。

反田が規則的でテンポの速いメロディーを奏でる。古屋がモニターを指さす。形の揃った細かい波形が表示されている。

古屋
「おそろしく アーティキュレーションが揃ってますよね」

壁面が書棚になっている部屋で語る古屋。
研究室。モニターの波形の説明を受け、反田がピアノを弾く。波形を確認する。

古屋
「1万時間の法則と言って どの分野でもエキスパートになるためには
1万時間トレーニングしないといけないと言われていたんですけれども
トレーニングの質であったりあるいは 教師がどういうふうにガイドするかの方が
もっと大事だよという風に言われています」

スタッフが外骨格型の白いロボットハンドを取り出す。

テロップ
エクソスケルトン
次世代プロトタイプ
軽量化と関節の動きやすさで
より正確なタッチを実現
反田
「これ世界初なんですか?」

反田が右手の中指と薬指を通して、右腕にアームバンド状の電子機器を装着する。古屋が隣で説明する。

古屋
「世界初です
これでずーっと動かしていたら 3と4を動かしやすくなるんですよ」

ピアノの前に座りなおす反田。

反田
「なんか ブラームスも弾けそうな感じがします」

古屋が吹き出す。反田が旋律を奏でる。
エクソスケルトン次世代プロトタイプをまじまじと見る。

反田
「すごいですよ」
古屋
「今から反田くんの動きを計測させていただいて 記録するんですよ
それを もう一回再生します」
反田
「再生もできるんですか」

反田がエクソスケルトン次世代プロトタイプに通した右手の指2本でドとレの音を弾く。テンポが次第に早くなる。

テロップ
データ記録中

左の手の甲の上に、右手を置く。指2本が自動的に動き出す。

テロップ
データ再生中
反田
「あっ 俺っぽいわ
俺…ですね
自分の感覚そっくりです」

目を丸くする反田。改めて指先の感覚を確かめる。
エクソスケルトン次世代プロトタイプとコードで繋がったノートパソコンをスタッフが操作する。反田の指がまた自動的に動く。

古屋
「実際に自分が動かしているときは あんまり感覚というのはないんですね
ですので あとで返してあげることで自分が動かしているときよりも
動かされてるときの方がしっかりと動きを認識することができます。」

女性被験者がエクソスケルトン次世代プロトタイプをつける。記録した反田の動きを再生して、指2本が自動的に動く。ほかの指や腕まで反動で揺れるのを見て、笑顔がこぼれる。

女性被験者
「すごい!」
反田
「大丈夫ですか?」
女性被験者
「大丈夫です」
古屋
「やっぱり反田くん 筋肉でやっている動きだから彼女にはないじゃないですか」
女性被験者
「すごい力強い」

反田が指先だけを動かしてみせる。

反田
「僕 ここでやってましたけど 手 動いちゃってましたもんね」
古屋
「そう。ぶれちゃって」

壁面が書棚になっている部屋で語る古屋。

古屋
「やっぱり練習時間というのは限られていますので
いかに効率良く使って その上で残った時間というか ほとんどの時間を芸術のために
解釈あるいは感性を育むような 練習時間の使い方をしていただくというのが
自分の目指しているところです」

研究室。左手に小さな器具をいくつも張り付けてピアノを弾く女性被験者。
古屋が腕を組んで後ろから様子を見ている。
古屋の話に女性被験者が頷く。
インタビューを受ける反田。

反田
「重りをつけて弾いていたりとか
20時間くらい部屋にこもっている子とか いますよ ざらに」

古屋が語る。

古屋
「もうひとつ実現したいのは 日本のジストニアの音楽家の方をゼロにする」

メトロノームに合わせてピアノを弾く映像。
腕時計をつけた人は指先が伸びたままになっている。
黒い服の人は右の薬指が不自然に丸まっている。

テロップ
ミュージシャンズ・ジストニア
楽器を弾こうとすると
思い通りに指や身体を動かせなくなる病気
世界の音楽家の50人に1人が
悩まされていると言われる

ピアノを弾く女性を横から撮影した写真。頭に、ヘッドバンドで固定した青い電子機器を乗せている。
ピアノを弾く男性の写真。頭だけでなく、右腕、右手にも電子機器を装着している。
男性の頭にヘッドバンドで固定された電子機器を上から撮影した写真。電子機器はシート状で数は二つ。左側は青、右側はオレンジ色をしている。

テロップ
古屋は論理的な身体の使い方を提唱し
ピアニストの故障予防をする一方
故障解決の研究を行なっている

木製の壁のホール。反田がピアノを演奏している。

テロップ
ショパン: ラルゴ 変ホ長調

研究室で古屋が語る。

古屋
「アーティストの方がこういうテクノロジーを
ウェルカムだという姿勢を見せていただけた事は すごく有り難いことだと思います
我々がやっている研究というのは
表現であったり 技能というものを 紡いでいくことだと思うんです
素晴らしいアーティストの方が考えられた奏法であったり 表現の方法というものを
次の世代に受け継いでいかないと 文化が進化していかないと考えています
ソニーは色々な技術であったり 表現のアーカイブ化であったり
それらに基づいてこんなトレーニング法がいいよという推薦であったり
というところで貢献できるかと考えております」

ピアノを弾く反田の手。右手は柔らかく、左手は繊細に動く。
エクソスケルトンを装着した女性被験者の手。
細やかに動く指先を嬉しそうに見つめる女性被験者。
モニターに映し出される色とりどりの波形。
反田がエクソスケルトン次世代プロトタイプをつけた手をまじまじと見つめる。
木の壁のホール。しなやかに鍵盤を移動する反田の指先。

暗転。
木製の壁のホール。穏やかな表情でピアノを弾く反田。指先が次第にゆったりと響かせるようなタッチになっていく。

研究室。反田がピアノを高速で弾く。音階が上がるにつれ、モニターに映し出される波形の位置も上がっていく。

古屋
「上がっていきますね」
反田
「これは 楽しいわ」

ソニーのロゴで映像が終了