RC-S732は、NFCフォーラム Type 3 Tag準拠のFeliCa™ Link ICチップを搭載した小型モジュール、RC-S732/P01は、FeliCa Link ICチップに最適化した小型アンテナです。
積層スパイラル構造のアンテナを採用することで、小型でありながらNFCフォーラムが規定するアナログ特性を満たし、民生用デジタル機器等への組み込みに適しています。
特長
小型・省電力設計
RC-S732に搭載されているFeliCa Link ICチップ(RC-S967)は、従来製品の約半分に省電力化されたカスタムICチップで、Lite-Sモードで弱電磁界においても動作します※1。
RC-S732/P01は、FeliCa Link ICチップに最適化した小型アンテナで、搭載製品においてFeliCa Link ICチップを実装する基板とRC-S732/P01のアンテナ端子(L1/L2 Pad)を線材等で接続して利用します※2。
また、RC-S732、RC-S732/P01の両製品は、積層スパイラルアンテナ構造を採用することで、同等の通信性能を持つ製品群で最小サイズを実現しています。
国際標準に準拠
RC-S732、RC-S732/P01は、 NFCフォーラムで規定されるType 3 Tagに準拠し、NFC搭載のスマートフォン等との通信が可能です。また、NFCフォーラム 2nd Waveの3種類のリファレンスアンテナ(P0、P3、P6サイズ)相当のアンテナが搭載されている機器と十分な通信性能※3を持っているため、NFC搭載スマートフォンなど、製品毎に多彩な形状のアンテナを有する製品とも良好な通信互換性を確保できます。さらに、通信評価などの評価工数が低減できます。
磁界検知
RC-S732は、L1/L2 Padを外部の整流回路と接続することで、アンテナのコイルに誘起される電圧を検知できます。または、RFDET/GND Padからのデジタル信号にて磁界検知することも可能なため、整流回路が不要となり、コストを削減できます※4。
組込み/最適化が容易
RC-S732/P01は、薄いアンテナとして利用できる基板のため、組み込む機器でのアンテナ配置の自由度が向上します。
また、FeliCa Link ICチップの負荷変調抵抗を変更することで、組み込む機器の環境によって変化する通信特性の調整が可能です。
※1 Lite-Sモード以外では動作しません
※2 FeliCa Link ICチップを上位マイコンとI2Cインターフェースで接続することにより、外部のNFC搭載スマートフォンから上位マイコン側のメモリーに対し、無線経由で動的に変化するデータを取り扱うことが可能です(Lite-S HT<Lite-S Host Throughモード>/Plug/NFC-DEPの3つのモード利用時)。
※3 周囲の電波や金属の影響のない理想的な環境を前提としています。
※4 外部電源にプルアップする必要があります。
製品仕様
RC-S732 | RC-S732/P01※1 | ||
---|---|---|---|
無線部 | 通信方式 | ISO/IEC 18092 (212 kbps、424 kbps Passive communication mode)に準拠 | |
動作周波数 | 13.56 MHz | ||
通信速度 | 212 kbps , 424 kbps | ||
外部接続Pad | L1/L2 Pad | 磁界検知端子として利用 (アナログ信号) |
アンテナ端子として利用 |
RFDET/GND Pad | 磁界検知端子として利用 (デジタル信号) |
- | |
通信距離※2 | 10 mm (RC-S330/RC-S380使用時) |
アンテナ端子に接続する線材や長さ、 インピーダンスなど使用環境に依存 |
|
使用環境 | 温度 -20 ℃〜+40 ℃、湿度 90 % RH 以下 温度 40 ℃〜75 ℃、湿度 50 % RH 以下 |
||
保存環境 | 温度 -40 ℃〜+40 ℃、湿度 90 % RH 以下 温度 40 ℃〜80 ℃、湿度 60 % RH 以下 |
||
外形寸法(幅×高さ×奥行き) | 約25.9 mm × 1.3 mm × 9 mm | 約25.9 mm × 0.6 mm × 9 mm | |
動作モード | Lite-S | Lite-S , Lite-S HT , Plug , NFC-DEP | |
※1 FeliCa Link ICチップ(RC-S967)と同時に利用した場合。
※2 通信距離は使用環境により異なります。周囲の電波や金属による影響がない理想的な環境での値です。
接続例
RC-S732:一体型モジュールとして接続
RC-S732/P01:セパレート型アンテナとして接続