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報道資料
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2023年4月11日

スタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する「360 Virtual Mixing Environment」測定サービスとソフトウエアの提供を開始

360 Virtual Mixing Environment

ソニーは、サウンド制作用リファレンススタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する立体音響技術「360 Virtual Mixing Environment(サンロクマル・バーチャル・ミキシング・エンバイロンメント)(以下、「360VME」)」の測定サービスおよび専用ソフトウエアの提供を開始します。音楽、映画、ゲームなどにおいて立体音響コンテンツが増えている中、制作スタジオのモニター環境では多チャンネル化が進んでいます。360VMEは、ヘッドホンで多チャンネルのスタジオの音場を再現し、クリエイターが場所の制約を受けずに立体音響コンテンツ制作ができる環境をサポートします。
測定サービスでは、スタジオで利用者の聴感特性などを正確に測定し、個人最適化された360VMEのプロファイルデータを作成。プロファイルデータと専用ソフトウエアを用いて、ヘッドホンでスタジオの音場環境を仮想的に再現します。「360 Reality Audio※1(サンロクマル・リアリティオーディオ)」をはじめとするさまざまな立体音響のコンテンツを、場所の制約を受けずにスタジオの音場環境で制作することが可能です。日米3箇所のスタジオとパートナーシップを締結し、各スタジオにおいて測定サービスの実施および専用ソフトウエアの提供が6月※2を目途に開始されます。
また、5月12日発売予定の背面開放型※3モニターヘッドホン『MDR-MV1』は、360VMEの性能を最大限に発揮できる仕様で、あわせて使用することでより高精度にスタジオの音場環境を再現できます。

  • ※1:ソニーのオブジェクトベースの立体音響技術で、アーティストがライブ演奏をする場に入り込んだかのような、臨場感豊かな音場を実現する音楽体験。
  • ※2:提供開始時期は測定サービス実施予定の各スタジオにお問い合わせください。
  • ※3:ドライバーユニット背面を塞がない構造。

「360 Virtual Mixing Environment」とは

サウンド制作用リファレンススタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する立体音響技術です。
スタジオで利用者の聴感特性などを正確に測定し、個人最適化された360VMEのプロファイルデータを作成します。作成したプロファイルデータを用いて専用ソフトウエアでヘッドホン向けにレンダリングし、ヘッドホンでスタジオの音場環境を仮想的に再現します。
従来、立体音響コンテンツの制作はマルチスピーカー環境が整備されたスタジオで行われることが多く、対応した スタジオが限られていることが制作上の課題となっていました。360VMEは、ヘッドホン用のバーチャルサウンド技術や環境最適化・個人最適化などのソニーの360立体音響技術を活用しており、場所の制約を受けずにスタジオの音場環境で立体音響コンテンツを制作することが可能です。

1. 日米3つのスタジオにおける測定サービスの提供開始

個人最適化された360VMEのプロファイルデータを作成するための測定サービスを開始します。測定サービスはMIL Studio(東京)、The Hit Factory(ニューヨーク)、Gold Diggers Sound(ロサンゼルス)の日米3箇所のスタジオより6月※2を目途に提供が開始されます。今後もさまざまなスタジオでの測定サービス提供に向け、各スタジオとの連携を強化していきます。

2. 専用ソフトウエアの提供

360VMEのプロファイルデータを用いて、立体音響コンテンツをヘッドホン向けにレンダリングする専用ソフトウエアの提供※4を6月※2を目途に開始します。専用ソフトウエアはDigital Audio Workstationソフトウエアおよび「360 WalkMix Creator※5(サンロクマル・ウォークミックス・クリエイター)」と連携し、ヘッドホンでスタジオの音場環境を仮想的に再現します。

  • ※4:スタジオでの測定サービス実施後に、各スタジオより提供されます。
  • ※5:Audio Futures社のプラグインソフトウエアで、主要なDigital Audio Workstationで360 Reality Audioコンテンツの制作が行うことができます。詳細はこちらからご確認ください。

3. 360VMEの性能を最大限に発揮できるモニターヘッドホン『MDR-MV1』

360VMEのサービス開始に伴い、360VMEの性能を最大限に発揮できるクリエイター向け背面開放型モニターヘッドホン『MDR-MV1』を5月12日に発売します。
『MDR-MV1』は、背面開放型音響構造の特性を活かした正確な音場再現による優れた空間表現が可能であり、360VMEの性能を最大限に発揮できる仕様となっています。立体音響をはじめとした空間表現を追求するクリエイターに最適なモニターヘッドホンです。
『MDR-MV1』についての詳細は商品サイトをご覧ください。

『MDR-MV1』 『MDR-MV1』

測定サービスを提供するスタジオからのコメント

MIL Studio

クリエイターは360VMEにより、ヘッドホンにおいても3Dキャンバスを自在に描くことが可能になります。作曲、アレンジ、ミキシング等々の各ステージで、空間のシーンとして音楽表現ができることは、制作の一つのゴールとも言えると思います。MIL Studioは、全方位空間のサウンドキャンバスを提供することが可能な先端スタジオです。360VMEによるMIL Studioの音響空間※6と共に新しい音楽の世界を体験してもらえることを期待しています。

  • ※6:360VMEでは16ch再生環境を再現します。

The Hit Factory

The Hit Factoryは、2019年から360 Reality Audioの制作環境に対応しているだけでなく、業界をリードするソニーのデジタルオーディオ機器の多くを、過去40年以上にわたって導入しています。360VMEは360 Reality Audioなどの没入感のあるコンテンツ制作において、無限の可能性を広げてくれます。私たちは、この素晴らしい新しいミキシング技術を普及させるために、ソニーと連携していきます。

Gold Diggers Sound

Gold Diggers Soundのスタジオ6は、2019年から360 Reality Audioの制作環境に対応しています。これまで、360 Reality Audioの数多くの楽曲をミキシングしており、ソニーとともに音楽業界への立体音響の導入を続けてきました。360VMEの導入によって、私たちの長年の経験の恩恵を、より多くのクリエイターに提供することができます。

その他の詳細については、下記のURLよりご覧ください。

  • 「ソニー」および「Sony」、並びにこのプレスリリース上で使用される商品名、サービス名およびロゴマークは、ソニーグループ株式会社またはその関連会社の登録商標または商標です。その他の商品名、サービス名、会社名またはロゴマークは、各社の商標、登録商標もしくは商号です。
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