Nate氏を含むさまざまなクリエイターがイベントに参加している様子やMDR-MV1の製品画像のコラージュNate氏を含むさまざまなクリエイターがイベントに参加している様子やMDR-MV1の製品画像のコラージュ

クリエイティブの自由をもたらすテクノロジー

2026年05月15日

2025年10月、ソニーは音楽制作に携わるクリエイターが集い、立体音響や関連の技術を活用し新たなエンタテイメントの可能性を切り拓く共創イベント「Immersive Creator Experience」を開催しました。この取り組みは2023年にスタートし、今回で3年目を迎えます。米国、北米、アジア太平洋、ヨーロッパ、南米など世界各地から、ヒットメーカーや次世代クリエイター、業界パートナー、サウンドエンジニアなど300名以上が米国・ロサンゼルス近郊のトパンガキャニオンに集まりました。参加者は、スタジオの音場環境をヘッドホンで高精度に再現する立体音響技術「360 Virtual Mixing Environment(360VME)」をはじめとするソニーの最先端のサウンド制作関連技術や製品を体験。
今回は、Global Accessibility Awareness Day(GAAD)2026を記念し、本イベントに参加した視覚に障がいのあるネイト・バーンズ氏に彼が考えるクリエイティビティや音楽制作への360VMEがもたらす可能性についてお話を伺いました。

まず簡単に自己紹介をお願いします。差し支えなければ、障がいについても教えていただけますか?

コネチカット出身のネイト・バーンズです。ミュージシャン/プロデューサーとして活動しており、メインはドラムですが、制作ではドラム以外の楽器も演奏します。10歳の時、事故と遺伝的要因が重なって完全に視力を失いました。ただ、それを"残念なこと"とは捉えていません。集中力を高めてくれましたし、ある意味では祝福のようにも感じています。

サングラスをかけているNate Barnes氏のポートレート写真

あなたにとって音楽とはどのような存在でしょうか?

生き方そのものです。呼吸のようなものですね。よく『なぜ音楽を選んだのか』と聞かれますが、実際には私が音楽を選んだというより、音楽のほうが私を選んだのだと思います。厳しく何かと予測が難しい業界ですが、一度呼ばれたら、あとはただ従うだけ。そしてこの業界の一員でいられることを誇りに思っています。

イベントに参加しているクリエイターたちとNate Barnes氏が談笑している様子

創作のインスピレーションはどのように生まれますか?

世界や人、そしてミュージシャンやアーティストたちに対して、常にオープンでいることです。身の回りのあらゆるものからインスピレーションを部分的にでも得ようとしています。

障がいがあることで直面した課題はありますか?

私は製品のボタンの位置やソフトウェアのメニュー構造を暗記して利用しています。たとえば、自分が使いたい機能にたどりつくまでには、何段階スクロールするかを数えながら操作しています。そのため、途中で数がわからなくなると最初からやり直しです。とはいえ状況は改善しています。アクセシブルな製品は着実に増えていて、まだ完全ではないものの、確実により平等な環境に近づいてきていると感じています。

360 Virtual Mixing Environment (360VME) を体験した感想はいかがでしたか?

最初に『これが何なのか』を理解したとき、率直に言って『正気なの?』と思いました。大げさに聞こえるかもしれませんが、私のように一日中"聴くこと"が当たり前の人間なら、違いはすぐに分かるだろうと思っていたんです。でも、そのクオリティには完全に驚かされました。
まだ使い方を学んでいる途中ですが、このテクノロジーには本当にワクワクしています。

音楽スタジオでヘッドホンを使用したクリエイターが作業をしている様子

テクノロジーが拓く未来をどのように想像しますか?

360VMEは複数スピーカーで構成されたスタジオの音場をヘッドホンだけで正確に再現することで、誰もが瞬時に没入できる体験を可能にします。特定の場所に出向く必要もなく、ただヘッドホンを使うだけでその環境に身を置くことができるのです。
この技術は、私のような障がいがあるクリエイターだけでなく、あらゆるプロデューサーやエンジニアにとって、制作場所や時間の自由度を大きく広げ、創作のあり方を変えていくものだと感じます。そして最終的には、日常のリスニング体験そのものを大きく変えていくはずです。

立体音響スタジオの音場をヘッドホンで高精度に再現しているイメージ図

最後に一言お願いします。

ソニーの新しいテクノロジーは、私により良いインスピレーションをもたらしてくれると感じています。さまざまな場面でこれらのツールを使っていきたいですし、生徒たちにも紹介していきたいです。彼らの創造性を刺激してくれると信じています。

ソニーは、テクノロジーや共創の機会の提供を通じて、さまざまなクリエイターの 創造的な挑戦を支援しています。

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