SONY

未来を想うエンタテインメント、ブラビア®

テクノロジーの進化と共に高まりつづける、テレビ画面の大型化と機能の多様化。それに伴い、資源消費や電力消費も増加し続けています。そんな中、ソニーのテレビBRAVIA(ブラビア)®では、資源消費量を抑えるために環境に配慮した材料の積極的な採用をはじめ、視聴中の電力消費量を削減するテクノロジーに至るまで、あらゆる場面において、サステナビリティの実現に向けて徹底して取り組んでいます。

エンタテインメントと
環境配慮の両立

エネルギー消費量や新しい資源の使用量を抑えることで、ブラビア®は環境負荷の削減に貢献しながら、自宅での最高の映画視聴体験と佇まいが美しい上質なデザインの提供を両立するイノベーションを実現しています。また、TV視聴時の電力削減に関する設定も簡単に行えるため、共に環境負荷の低減に貢献することが可能です。

環境のことを考えて、
作る、運ぶ、使う。

独自の技術を結集し、環境配慮に取り組む

ソニーでは、製品に使用するバージンプラスチックを削減するだけでなく、鋼材やアルミなど、プラスチック以外のさまざまな再生材の使用にも積極的に取り組んでいます。さらに、製品をお届けする際の輸送効率の改善や実際に使用する際の消費電力の抑制に至るまで、製品のライフサイクルを通じて環境負荷の低減に取り組んでいます。

[1] 使用する  [2] 回収する  [3] 分解し、選別する  [4] 再生素材にする  [5] 製造する  [6] 輸送する

使う

省エネ設定、
確認が1か所で簡単に

ECOメニューでブラビア®のさまざまな省エネ設定を簡単に一括設定することができます。テレビの視聴状況や部屋の環境等に応じた省エネ設定をすべて1か所で簡単にカスタマイズ可能。また、電力消費量を日ごと、週ごと、月ごと等で比較してチェックすることができるので、日々の環境負荷への貢献度も視覚的に実感できます。省エネを行うためのヒントも見ることができます。

[1] 電力消費インジケーター

ブラビアのユーザー画面。毎月の消費電力量が棒グラフで示されている。
電力消費量の可視化を実現

毎月のテレビ使用時間や、前年との比較などを確認することができます。

薄暗い室内でソファに座りテレビを観る人のイラスト。ソファの左側には室内灯があり、その周辺がやや明るい。ユーザーは手にしたリモコンをテレビ画面に向けている。
省エネのコツを紹介

省エネに取り組みながらテレビ視聴を楽しむためのヒントを表示します。

テレビのついた室内のイラスト。イラストは中央を縦にはしる線によって左右に分かれており、左側は暗く、右側は明るい。テレビ画面も同様に左右で明るさが異なっている。
使用環境に応じて画面の明るさを自動コントロール。
映像と消費電力を同時に最適化

ECOメニューからは、自動スタンバイやブラビア®に内蔵されたセンサーによる消費電力の抑制など、さまざまな省エネ設定が可能です。たとえば、内蔵されたセンサーでは周囲の明るさを検出し、画面の明るさを最適化。同時に電力消費量も最適化できます。

[1] 暗い環境で視聴している場合  [2] 明るい環境で視聴している場合

2本の棒グラフ。右側のグラフは左側に対して38%の減少を示している。
ECOメニュー上の省エネ設定による、
消費電力削減効果

ECOメニューで省エネのための各種設定を切り替えることで、電力消費量を約38%節約することができます。

[1] 初期設定  [2] 省エネ設定ON

人の動きを感知する
自動センシング機能

専用アクセサリーであるBRAVIA Cam™(ブラビアカム)を取り付けることで、カメラが人や人の動きを自動検知。
テレビの前に人がいないときは自動でテレビ画面の明るさを下げ、最低限の電力消費量に抑えます
これにより、電力消費量を約42%削減することができます。

テレビ画面に映った夜景の画像と、画面内の位置によって輝度が異なることを示す3本の棒グラフ。
映像のシーンに応じて画面内の明るさをコントロールする独自機能を搭載

独自の信号処理により画面内のシーンごとに明るさを自動で調整することで、電力消費量を最適化しながら、よりメリハリのあるリアルな映像を実現します。

[1] 暗部  [2] 中間  [3] 明部

2台のテレビ画面を左右に並べた比較画像。それぞれに真っ白な雪景色と広い青空が映っているが全体の明るさはやや異なり、「+」アイコンの数が輝度の違いを示している。
消費電力を削減しながら、
より明るく鮮やかな映像に

より高輝度で鮮やかな映像を実現しながら、消費電力を削減しています。

[1] 従来モデル  [2] 2025年モデル

作る

バージンプラスチックをはじめとする新たに採掘・製造される資源の使用量を、さらに削減

高いリサイクル率と製品クオリティーの両立

材料の開発から外観デザインに至る、製品設計のあらゆる面を見直すことで、質の高い仕上がりを保ちつつ、再生材の使用率を高めています。例えばBRAVIA 9、BRAVIA 8 II、BRAVIA 8、BRAVIA 7、BRAVIA 5では、ソニーが独自開発した再生プラスチックの"SORPLAS™"を採用しています。特に、BRAVIA 9、BRAVIA 8では、面積が大きくプラスチック使用量も多い背面カバーに採用。
これにより、再生材の使用量を最大約65%まで高めることに成功しています。

[1] SORPLAS合計

テレビの内部構造を示すイラスト。左端の液晶パネルから右端のリアカバーまで、複数の層になっている。
美しい外観も内部パーツも、
再生材を使用して実現。

●材料の配合調整などにより、光沢のある黒色の外観や面積の大きい背面カバーだけでなく、内部パーツにもSORPLASをはじめとする再生材を使用することが可能になりました。特にBRAVIA 9では、光学設計を工夫することで、従来は難しいとされてきた光学パーツにも再生材を使用することに成功しました。

●素材の違いは音質に大きく影響します。優れた音質と再生プラスチック材の使用を両立させるため、数年にわたり研究を重ねた結果、スピーカーボックスに再生材を使用することが可能になりました。

●再生材の使用はプラスチックにとどまりません。BRAVIA 5の一部のパーツには、再生アルミニウムや再生鋼材を使用。細かい部品まで再生材の使用を進めていくことで、新規資源から作られる素材よりもCO2の排出量を削減する取り組みを続けています。


[1] 背面カバー(“SORPLAS”使用) [2] スピーカーボックス等の内部パーツ(再生材使用) [3] LEDバックライト [4] 反射シート(再生材使用) [5] 液晶パネル

 

テレビのリアカバーのクローズアップ画像。白い手袋をした手が耐久性を評価するためのツールを持っている。
より長くお使いいただくための耐久性

通常、テレビなどの家電製品に用いられるプラスチック材料は、強度と難燃性を高めるための添加剤を含みます。"SORPLAS"専用に開発された独自添加剤は一般的なプラスチックに比べて少ない量で同等の性能を発揮。これにより、テレビの長期使用に耐えうる性能を維持しながら、環境配慮を両立しています。

毎日手に取るリモコンにも、
環境への配慮を

ブラビアでは、付属するリモコンのケースにも再生材を採用。手ざわりや丈夫さを変えることなく、毎日手に取るリモコンも環境に配慮しています。同時にデザインも、地球を意識したエコロジカルなイメージに仕上げています。

黒色の細かなペレットと、テレビのリモコンの画像。リモコン下部の質感を示すような拡大画像が並んでいる。
優れたリサイクル性で、
循環型社会の実現へ

""SORPLAS"は市場から回収された使用済みの水ボトルや、工場や市場から回収された廃ディスク、そしてソニーが独自開発した難燃剤などを原料に作られた難燃性再生プラスチックです。リサイクルを繰り返しても劣化しにくい特長を生かすとともに、ソニー製か他社製かを問わず、使用済みテレビの背面カバーからSORPLASに適したプラスチックを選別する技術を開発し、ブラビアの背面カバーとなる再生材の一部に使用できる仕組みを構築しました。再度リサイクルが可能となることで、より一層廃棄物の削減につながり、循環型社会を実現する製品づくりに貢献することが期待されています。

光学ディスクの画像(左)と、ディスクを破砕した後の細かいプラスチック片の画像(右)
ソニーグループ間で取り組むリサイクル

ディスクを製造しているソニー・ミュージックソリューションズから排出される廃ディスクの粉砕品を"SORPLAS"の原料の一部として再利用。ブラビア®の背面カバーに使用しています。

テレビのリアカバーの画像。
"SORPLAS"のリサイクルに向けて

今後、"SORPLAS"を回収しリサイクルするために、"SORPLAS"を使用したパーツには刻印を施し、他の素材と区別できるようにしています。

CO2排出量の削減にも貢献

再生プラスチック”SORPLAS”からアルミニウムや鋼材まで、
多様な素材の再生材を利用することで排出されるCO2の量をさらに削減します。

2本の棒グラフ。右側のグラフは左側に対して57%の減少を示している
ソニーが独自開発した再生プラスチック”SORPLAS”

ブラビア®の背面カバーに使用する"SORPLAS"の製造では、用途の同じ難燃性バージンプラスチックを製造する場合と比較して、排出されるCO2の量を約57%削減しています

[1] 難燃性バージンプラスチック  [2] "SORPLAS"

2本の棒グラフ。右側のグラフは左側に対して87%の減少を示している
再生アルミニウム

ブラビアの内部パーツに使用する再生アルミニウムの製造では、用途の同じバージンアルミニウムの場合と比較して、排出されるCO2の量を約87%削減しています。

[3] バージンアルミニウム  [4] 再生アルミニウム

2本の棒グラフ。右側のグラフは左側に対して63%の減少を示している
再生鋼材

ブラビアの内部パーツに使用する再生鋼材の製造では、用途の同じバージン鋼材の場合と比較して、排出されるCO2の量を約63%削減しています。

[5] バージン鋼材 [6] 再生鋼材

ブラビア®の製造事業所での環境配慮

ブラビア®は環境に配慮した事業所で製造しています。
中国の事業所では2020年から、再生可能エネルギー由来電力率100%を達成しています

[1] Sony EMCS (Malaysia) Sdn. Bhd. [2] [3] 上海索広映像有限公司

運ぶ

環境に配慮した輸送へ

お手元に製品が届くまでの輸送においても環境に配慮。
長年にわたるシミュレーションの繰り返しや蓄積した物流のノウハウによって、
梱包の細部まで環境負荷の低減を意識した見直しを行っています。

パッケージでも
プラスチック使用量を削減

従来のパッケージでは製品の上下左右に緩衝材が配置されていましたが、長年にわたるシミュレーションの繰り返しや蓄積した物流のノウハウによって、製品保護と梱包材使用量の削減を両立できる最適な形態を導き出しました。

左右に1つずつ製品の外箱をのせた天秤のイラスト。2018と記載された左側よりも2025と記載された右側の方が軽いことが「-47%」という数字とともに示されている
パッケージを小型・軽量化し、CO2排出量を減らす

CO2排出量を極力抑えて大型テレビを輸送するために、製品を保護するパッケージのサイズや重さも見直しました。サイズを約41%、総重量を約12%削減。これにより、パレット1枚あたりに積載できる台数がアップし、製品1台あたりの輸送によるCO2排出量を約31%削減することに成功しました

2台のトラックのイラスト。2台の間には左から右に向かう矢印。トラックの上にはそれぞれCO2を表すイラスト。右側のトラックには、左側のトラックの積み荷よりも小さな箱がより多く積載されている。CO2のイラストも右側の方が小さく、「-31%」の削減であることが示されている。
梱包材における、業界に先駆けた取り組み

ソニーでは、梱包材の素材を発泡スチロール(EPS)製から生分解性素材へ切り替えることや、調理などで使用済みの食用油(廃食用油)を再利用することで、梱包材の環境負荷低減について業界に先駆けて取り組んでいます。

業界初、大型テレビの梱包で発泡スチロールを使った梱包を廃止

BRAVIA(ブラビア)は、業界で初めて大型テレビの梱包に採用している発泡スチロール製の緩衝材を撤廃。発泡スチロールに代わり、株式会社カネカ製の「カネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet」を採用しました。この素材は「OK Biodegradable MARINE」認証を取得しており、バイオマス由来で様々な環境下で生分解性を有し、土壌中だけでなく海水中でも分解されCO2と水に戻ります。 重量のある大型テレビを守り安全にお届けするために不可欠な緩衝材は、製品のデザインに合わせた複雑な形状に成型する必要があります。これまでに培った包装設計のノウハウとシミュレーション技術を活用し、発泡スチロールとは異なる素材の特性を踏まえながら、従来と同等の強度や耐久性を実現しました。 信頼性の高い輸送と枯渇資源の不使用を両立させ、海洋マイクロプラスチックによる環境汚染問題の解決に貢献します。

詳しくはこちら

梱包材をならべた画像(上)と、生分解の過程を示すイラスト(下)。イラストは、海のような青い背景に4つの図がならび、梱包材の形が徐々に分解されて小さくなっていく様子を示している。

[1] オリジナル(0か月目)  [2] 約5か月目  [3] 約7か月目  [4] 約7~8か月目
*

資源を守る、業界初の取り組み

業界初の取り組みとして、石油由来の材料や枯渇資源を使用せずに、廃食用油の再利用を開始しました。これにより、植物油の使用量を約70%削減するとともに、温室効果ガスの排出量を約35%削減し、資源の保全に貢献しています。

[1] 植物油  [2] 廃食用油

2本の棒グラフ。右側のグラフは左側に対して70%の減少を示している
インク使用量を抑えた
シンプルなパッケージ

パッケージに印字される製品情報も、従来に比べて必要最小限に抑え、インクの使用量を約91%削減。パッケージのデザインを損なうことなく、環境への負荷を低減する配慮をしています。

梱包用の2つの外箱の画像。左の箱は印刷面が右の箱よりも情報量が多く、色数も多い。2つの箱を、インク量を示す「-91%」という矢印が結んでいる。

開発者インタビュー

武田 剛直

ソニー株式会社
技術センター
商品設計第1部門
商品設計4部

インタビューを受ける武田剛直氏の画像
テクノロジーの力で
最高の映像体験と環境負荷の軽減を両立

テレビはますます大型化し、機能も多様化している中、同時に環境負荷の低減との両立も大切な要素になってきています。その中でも気候変動に関係する消費電力の抑制は重要な課題であると認識しています。

解決の鍵となるのは、テレビの主要部品であるパネルの駆動技術です。ブラビアでは、映像のシーンや視聴環境の明るさや色温度といったさまざまな情報を基に、バックライトLEDを精密に制御することで、パネル性能を最大限に引き出した高画質な映像表現と消費電力低減の両立を実現しています。

また、ECOメニューでは、設計の工夫によって簡単にわかりやすく省エネ設定ができるユーザーインターフェースを実現したほか、テレビの消費電力量を確認することも可能になっています。

今後も多様なアプローチによって、お客様に最高の映像体験と環境負荷の軽減につながる取り組みを提供していきます。

神山 知之

ソニー株式会社
技術センター
機構設計部門
機構設計1部

インタビューを受ける神山 知之氏の画像
バージンプラスチック使用量の
継続的な削減に向けて

ブラビアでは、ソニーグループの環境計画の実現を目指し、独自開発の再生プラスチック“SORPLAS”をはじめ、再生プラスチックの使用比率を継続的に拡大しています。

2025年からは、“SORPLAS”において、本来難しいとされていた外装用機能性樹脂であるテレビの背面カバーを、再び背面カバーの材料として使用できる仕組みを構築しました。廃棄されたテレビから回収した背面カバーを原料として再利用し、新たな“SORPLAS”の原料とするこの試みでは、レシピの改良やシミュレーション、試作検証を繰り返し、従来どおりの性能や品質を維持しながら、ブラビアの背面カバーとして再び使用しています。また、プラスチックのみならず、鋼材やアルミについても一部再生材の使用を開始しました。

これらの活動は、プラスチック、金属ともに、新規資源から作られる材料と比較して温室効果ガスの削減に有効です。

さらに、製品を保護するパッケージでも、緩衝材の使用量を減らしプラスチック使用量の削減を果たすと同時に、輸送効率の向上による温室効果ガス削減に貢献しています。2024年に業界初の採用を開始した、プラスチックによる環境汚染問題の解決に貢献するカネカ生分解性バイオポリマーGreen Planet™も継続して使用しています。強度シミュレーション技術や物流ノウハウを生かすことで、製品保護機能を損ねることなく積極的に新しい環境対応材料を採用することに成功しました。

今後もこれまでの経験や知識を生かし、設計活動を通じて更なる環境負荷低減を実現していきます。

Footnotes