限りある資源を、
未来の世代へ
私たちは、廃食用油などバイオマス資源由来の原料を有効活用したリニューアブル素材を導入
するため、自ら現場に足を運び、その素材の生産過程を確認しています。
さらに、その原料が確かに私たちの製品に届いていることを証明するために、
サプライチェーン全体を可視化しました。
限りある資源を次の世代へつなげる——それが私たちの挑戦の原点です。
石油から、再生可能な資源へ
リニューアブル素材とは、石油のように限りある資源に代わり、植物などの再び育つことのできる資源や、これまで十分に活用されてこなかったものからつくられる素材のことです。
さらに、これまで「捨てていたもの」を価値ある原料として生かせるようになるなど、さまざまな素材の可能性が今後ますます広がっていきます。
今回、私たちは使用済みの調理油などを原料として活用し、バイオマス由来の特性を割り当てたプラスチックを導入しました。
石油のような化石資源に依存するのではなく、再生可能なバイオマス由来の原料より製造したプラスチックを使用する——それは、それは環境負荷を減らすための具体的な素材選択の第一歩です。
見えない流れを、見える化する
原料がどこで生まれ、どのような過程を経て製品となるのか。私たちは素材の原料調達から強みを持つ三菱商事と共同で、バイオマス由来のリニューアブルな原料を起点としたサプライチェーンをすべて可視化しました。エネルギー会社、化学メーカー、樹脂メーカー、そして私たちの最終製品に至るまで——その全体像を共有することで、安心と信頼を社会とともに築き、リニューアブルプラスチックをより使いやすくしていきたいと考えています。
① Neste Corporation:バイオナフサを製造 / ② 出光興産株式会社:スチレンモノマーを製造 / ③ Formosa Chemicals & Fibre Corporation(FCFC):ポリスチレン樹脂を製造 / ④ SK Geo Centric:パラキシレンを製造 / ⑤ ENEOS株式会社:パラキシレンを製造 / ⑥ Hanwha Impact Corporation:テレフタル酸を製造 / ⑦ Toray Advanced Materials Korea Inc.:PET 樹脂と原反を製造 / ⑧ 三井化学株式会社:ビスフェノールA を製造 / ⑨ CHIMEI Corporation:PC 樹脂を製造 / ⑩ 株式会社ADEKA:難燃剤を製造 / ⑪ Haier New Material:PC/ABS 樹脂を製造 / ⑫ 成形メーカー / ⑬ ソニー株式会社:デザイン・製品化
すべてのプラスチックを循環材に
置き換える、その第一歩
マスバランス方式とは、リニューアブル原料と従来の石油由来品を混合して使用し、その使用量を厳格に管理・割り当てる仕組みです。すぐにすべてを置き換えることは難しいですが、確実に「どれだけ再生可能資源を導入したか」を証明でき、既存の設備を活用して再生可能資源を速やかにかつ低いコストで提供できることに大きな利点があります。
そして重要なのは、この方式によって製造されるプラスチックは従来の石油由来品と同等の性能を備えているということです。強度・透明・加工といったプラスチックの特性に一切妥協することなく、かつ既存のリサイクルスキームに乗せることができます。サプライチェーン全体で再生可能資源の使用状況を把握・確認することで、透明性と信頼性、そして性能の両立を実現しています。
未来を形にする製品たち
本サプライチェーンで製造する各種プラスチック素材は、ソニーがグローバル展開するオーディオ・ビジュアル製品などへの採用を今後予定しています。皆様が手にする日常の製品を通して、リニューアブル素材の価値を実感していただけることを目指しています。
Road to Zeroへの挑戦
ソニーは2050年までに環境負荷ゼロを目指す環境計画「Road to Zero」を推進しています。「Road to Zero」では、2040年までにネットゼロを実現し、さらに2050年には重視する資源の新規利用ゼロを目指しています。マスバランスやリニューアブル素材の活用は、その道のりにおける重要なステップです。資源の採取から、製品の製造、物流、使用、そして廃棄まで環境負荷を減らし、循環型の社会を築く。その挑戦を着実に積み重ねながら、ゼロの未来を目指しています。
関係者インタビュー
大場 契沖
ソニーグループ技術戦略コミッティー メカ戦略コミッティーサステナブルWG
ソニーは「Road to Zero」の一環として、2050年までに石油由来バージンプラスチックゼロを目指しています。実現のためには高性能部品ではマテリアルリサイクルだけでは代替が難しいため、リニューアブル素材の活用が不可欠と考えています。コストや供給などの課題もありますが、私たち自身が使いこなす経験を積みながら、業界全体でより使いやすい環境に寄与できればと考えています。
小野 純一郎
三菱商事マテリアルソリューショングループ 環境素材事業部
マーケティング・インテリジェンスチームリーダー
多くのパートナーの賛同と協力を得てソニーの高い品質基準を保ちながら、環境負荷をより低減するサプライチェーンを実現しました。脱炭素社会にふさわしい素材とは何かを原料段階から徹底的に議論し、実際に現地にも足を運んで、業界の垣根を越えて形にした挑戦的なプロジェクトです。