メディア総合イベント「Inter BEE 2025」に出展
ソニーは、幕張メッセ(千葉市美浜区)で11月19日(水)から開催されるメディア総合イベント「Inter BEE 2025」に出展します。「Creativity Connected ともに"つなぐ" コンテンツ制作の未来へ」のテーマのもと、メディア業界の未来を支える幅広いソリューションを展示します。
会場では、多様化が進むメディア企業のニーズに応える最新のソリューションを「進化するニュース制作ワークフロー」、「コンテンツの付加価値を高めるライブ制作」、「新たな映像表現を可能にするイメージング商品群」、「制作プロセスをサポートするDXソリューション」、「ライブコンテンツの創出をサポートするロケーションエンタテインメント」というコンセプトごとに、ブース内で展示します。
主な展示内容
1.報道現場のニーズに応え、進化するニュース制作ワークフロー
ニュースの制作現場では、効率的かつ迅速な映像制作が求められています。それらを支える、進化したニュース制作ワークフローを紹介します。報道現場での運用性を高め、より即時的な制作を実現するとともに、近年報道機関から求められるコンテンツの信頼性に対するニーズに応えるカメラ商品群や、バージョンアップやセキュリティ対策を迅速に行える新たなニュース制作システムなど、報道現場のニーズに合わせたソリューションを提案します。
即時的かつ信頼性の高いワークフローを実現するとともに、動画への真正性情報の記録にも対応したXDCAM™メモリーカムコーダー『PXW-Z300』、データトランスミッター『LiveU TX1』
2025年10月に販売を開始したXDCAMハンディカムコーダー『PXW-Z300』を、国内初展示します。本機は、業務用ハンディカムコーダーのフラッグシップモデルとして優れた映像描写性能を備えるとともに、カムコーダーとして世界で初めて※1動画への真正性情報を記録する※2C2PA※3規格に対応しています。5Gやクラウド技術を活用したワークフローに対応し、収録素材をその場で伝送してクラウド上で共同編集を行うといった、より即時的な映像制作を可能とします。
また、LiveU社がソニーとのパートナーシップに基づいて共同開発した小型データトランスミッター『LiveU TX1』を、国内で初めて展示します(参考展示、2026年商品化予定)。複数の通信回線を束ねて使用することで伝送速度を向上させる「ボンディング伝送」や、カメラにUSB接続するだけで自動的に素材伝送を行う機能を備え、より即時的なニュース制作ワークフローを支えます。
ニュース制作ワークフローの迅速化を目指す取り組みとして、オンプレミス環境でファイル素材を直接受信し、既設のニュースシステムとの連携を可能にする新たなカメラゲートウェイ・アプリケーションを参考展示します。ブースでは、ポータブルデータトランスミッター『PDT-FP1』や『LiveU TX1』との連携を通じて、メタデータを保持した高品位な撮影素材を、後段工程へスムーズに伝送する技術展示を行います。
より柔軟な運用に対応するニュース制作システム「Contents Production Accelerator」
「Contents Production Accelerator(コンテンツプロダクションアクセラレーター)」は、パッケージ型を採用した新たなニュース制作システムです。従来の放送局向けシステムはカスタマイズベースで構成され、運用負担が大きいことに対して、本システムは標準化された仕様を採用することで、より柔軟に定期的なバージョンアップやセキュリティ対策を取り入れることが可能になります。2025年11月提供開始予定のバージョンでは、社外や遠隔地から手軽にプレビューできるWebベースの素材ブラウザー機能へ対応し、今後、運用に求められる各種機能を順次拡張していきます。
2.コンテンツの付加価値を高めるライブ制作
スポーツや音楽中継においては、さまざまなアングルからの多様な映像や、より付加価値の高いコンテンツへの需要が高まっています。小型軽量で設置場所の自由度が高いシステムカメラや、より長距離での映像伝送を可能にするオプションシステムといった撮影ソリューションに加え、スローリプレイやハイライト編集により、印象的な映像表現を可能とする新たなサービスなど、ライブ制作の付加価値向上を支えるソリューションを紹介します。
また、ライブ制作ソリューション「Networked Live(ネットワークド ライブ)」のアップデートも展示します。
中継の運用性を高めるマルチパーパスカメラ『HDC-P50A』、カメラエクステンションアダプター『HDCE-500』
マルチパーパスカメラ『HDC-P50A』の最新バージョン(2025年9月対応)を展示します。『HDC-P50A』は小型軽量で撮影の自由度が高いことに加え、カメラコントロールユニット(CCU)との接続にも対応したシステムカメラです。2025年9月のアップデートで、CCUとの接続無しに4K 2倍速のハイフレームレート撮影が可能となり、スポーツ中継で印象的なシーンを捉えるなど運用の幅が広がっています。
また、システムカメラ商品群の新製品として、カメラエクステンションアダプター『HDCE-500』を国内初展示します(2026年3月発売予定)。本機は、カメラ本体とCCUの双方に接続することで、カメラ本体への電源供給を行い、さらにSMPTE光ファイバー接続をシングルモードファイバー接続に変換することができます。これにより、カメラとCCUの間で最長10 kmの映像伝送を実現します。また、『HDC-P50A』との接続時は、1本のSMPTEケーブルで電源供給、映像伝送が可能となり、クレーンカメラとしての運用や、撮影場所と中継車システムが離れているゴルフ中継などの現場での運用性向上をサポートします。
ライブ映像の付加価値を高める「HawkREPLAY」
ソニーのグループ会社Hawk-Eye Innovations社が提供する、スポーツ中継向けのリプレイサーバーシステム「HawkREPLAY(ホークリプレイ)」を紹介します(2025年冬に国内で提供開始予定)。複数のカメラ映像を統合し、決定的なシーンのさまざまな角度からのスローリプレイ再生を可能にするなど、スポーツ中継における映像コンテンツに新たな価値を提供します。
オンプレミス/クラウドのリソースを柔軟かつ統合的に活用する「Networked Live」
ソフトウェアライセンスベースでさまざまなフォーマット変換やプロセッシングを可能とする「Virtuoso」は、SRT/HEVC伝送に対応する新バージョンを展示します(2025年12月対応予定)。また、異なる拠点間のIP接続をセキュアに実現することができるIP Media Edge機能を紹介します。
ライブプロダクションスイッチャー『MLS-X1』は、2025年10月にリリースしたVer. 2.4を展示します。ユーザーごとに表示できるメニューを制限する「User Access Control」が実装されました。また、Ver. 2.3で実装されたタリーやクロスポイントの情報を組み合わせて自動的に操作を実行する「Conditional Action」が進化し、より使いやすく高速な実行が可能となりました。あわせて、これまで特注ソフトウェアで対応していた複雑な運用を実現することが可能です。また参考出展として、ソフト/ハードの拡張性を生かした、SRT対応やスマートフォンなどでの閲覧に適した9:16での制作など、従来のスイッチャーの役割を超えて制作ワークフローを発展させるソリューションのコンセプトを紹介します。
3.新たな映像表現を可能にするイメージング商品群
シネマやCM制作、放送局での採用が進むバーチャルプロダクションや、空間コンテンツ制作など、新たな映像表現を可能とする商品群やソリューションを展示します。あわせて、コンテンツ制作に要する工数や制限を削減し、コンテンツ制作をより円滑にする商品やソリューションを提案します。
映像表現の可能性を広げるバーチャルプロダクション
バーチャルプロダクション向けLEDディスプレイのCrystal(クリスタル) LED CAPRI(カプリ、2025年冬発売)やCrystal LED VERONA(ベローナ)に、デジタルシネマカメラ『VENICE 2』とカメラトラッキングシステム『OCELLUS』(2025年冬発売)を組み合わせた展示に加え、システムカメラ『HDC-3500V』と組み合わせた展示を行います。
合わせて、制作を効率化するソフトウェア『Virtual Production Tool Set(バーチャルプロダクションツールセット)』の最新バージョン(Ver3.0、2025年冬以降提供予定)も展示します。視野角によるLEDの色シフトを、カメラトラッキングデータを元にリアルタイムに補正し、L字型の背景でも撮影可能になります。また、新開発のレイトレーシング高速化技術によるリアルな背景描写を実現します。
新たな映像表現 空間コンテンツ制作への活用
Cinema Lineのフラッグシップ機『VENICE 2』とVENICEエクステンションシステムMiniを2セット用いてステレオ撮影し、空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)で立体映像をリアルタイムに表示する展示を行います。VENICEエクステンションシステムMiniの小型カメラヘッドにより人間の平均的な瞳孔間距離でのステレオ撮影を実現するとともに、『VENICE 2』での高画質で自然な立体映像を、空間再現ディスプレイでリアルタイムに表示し、撮影現場でクリエイターをサポートします。
空間コンテンツ制作の支援を行うソフトウェアとハードウェアの統合ソリューション群 「XYN ™ (ジン)」
空間コンテンツ制作において、誰でも簡単に高品位な3DCGアセットを生成できる「XYN 空間キャプチャーソリューション」のプロトタイプを展示します。撮影を支援するモバイルアプリケーションと、3DCGアセットを生成するクラウドサービスを活用することで、バーチャルプロダクションにおける背景アセット制作や、撮影用小道具のデジタル化など、コンテンツ制作に必要な工数を大幅に削減し、より円滑な制作ワークフローを提案します。
4.制作プロセスをサポートするDXソリューション
映像制作における制作ワークフローのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する、「イグナイト・コンテンツ・エコシステム」構想を参考展示として紹介します。パートナー企業との連携を通じて、企画/編成や制作準備/リサーチ、プロモーションでの2次利用など、多くの関係者の業務プロセスの効率化と柔軟なワークフローの構築を目指します。
5.ライブコンテンツの創出をサポートするロケーションエンタテインメント
近年、映像コンテンツを活用したインタラクティブ性の高いライブコンテンツへの関心が高まっています。ソニーは、カメラやディスプレイなどの技術に加えて、スタジアムやアリーナへのシステム納入などで培ったノウハウを活用し、ロケーションエンタテインメントのソリューションを提供しています。ブースでは、来場者のエンゲージメントを高め、ベニューの価値を向上させるライブコンテンツの創出を提案します。一例として、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)で採用されたソリューションを紹介します。
- カムコーダーにおける、動画でのC2PA規格対応として。2025年7月時点。ソニー調べ。
- 動画への真正性情報の記録には、別途アップグレードライセンスが必要です。本ライセンスは提供地域が限られます。対応する動画フォーマットはMP4形式です。
- Coalition for Content Provenance and Authenticity。公開者、作成者、消費者がさまざまな種類のメディアの出どころと来歴を追跡できるようにするオープンな技術標準で、デジタルデータの作成や編集に関わる情報の透明性を確保するための仕組みとして規格化されています。ソニーは2022年3月からC2PAの運営委員会メンバー(Steering Committee Member)として参画しています。
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