ソニーイメージングギャラリー 銀座

清水朝子 作品展 ちょっとかがんで

「ちょっとかがんで」
清水朝子氏がつけた、この作品展のタイトルです。「少しかがんでみたら、思いがけず見えてきた世界があった。」そんな思いが込められたタイトル。

「作品を撮るコンセプトは、最初から決めているわけではなく、撮るという行為から徐々にそれが見えてくるのです。事象をスケッチするようにどんどん撮っていきます。その助走期間の最中に、自分のイメージや予想を超えたものが撮れる瞬間があります。その時、こういうコンセプトで撮ったら……という作品全体のテーマが湧くのです。」と清水氏は言う。

作品はどれも、身近にある小さな世界をぎりぎりまで近づいて撮影しています。やわらかなボケの中に、小さくて可愛らしい昆虫が写っています。この虫たちの可愛らしい表情を見た時に「なぜいままで、気付かなかったのだろう?」という疑問が湧いてきたと、その時を振り返る清水氏。「昆虫がメインの被写体ではないんです。昆虫は、私が伝えたいことの象徴のようなものです。“自分が見ている視点を疑ってみると、普段は気づいていない世界が見えてくるよ。それは単なる視覚という意味だけではなくて、価値観や人生観にも共通することだよ”と気づかせてくれたのが昆虫たちでした。」

虫たちは、ずっとそこで生きていた。でもそれを、見ようと意識していなかっただけ。人は、思い込みでいろいろなものを見ています。家庭や学校、仕事場で身に付いた一つの“ものさし”だけで様々なことを見て、判断しています。
ある人は「きびしさ」、ある人は「弱さ」という“視点(ものさし)”だけで見ています。
白か黒か、膳か悪か、美か醜か、ということを。

「大事なことは白か黒か、右か左かという極端なところではなくグレーゾーンにあるのではという思いが、どの作品にも共通しているかもしれません。ギャラリーでは、リラックスしていただき、これまでの“視点(ものさし)”を一旦脇にどけて、濃いグレーと白に近いグレーを行ったり来たりして真理を探ってみください。それができるような、やさしさに溢れた作品展になっていますから。」

作品展会場で
ちょっとかがんで
みてはいかがですか。

清水しみず 朝子あさこ プロフィール

1969年 東京生まれ。1993年 日本大学芸術学部写真学科卒業。出版社マガジンハウス勤務(1993年-2007年)を経て独立。2006年 キヤノン写真新世紀2006で優秀賞受賞。

2013年
NextLevel Galerie,Paris. フランス
2013年
DGSM Print「7人の写真家」展 Gallery EM nishiazabu
2009年
「On Her Skin 展」/「清水朝子 Infinity 展」 和田画廊
2007年
「キヤノン写真新世紀 2006」東京都写真美術館
2004年
「夢の中の体温」 アートスペースMOTER
2002年
「忘却曲線」ギャラリー保加梨」