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ソニーイメージングギャラリー 銀座

東京写真月間 2017 アジアの写真家たち2017 カンボジア

アンコールワットで有名なカンボジア王国は、国境をタイ、ラオス、及びベトナムに接し、南部はタイランド湾に面した国王を元首とする立憲君主国である。国土の面積は日本の約半分で、人口1,500万人、首都は人口150万人のプノンペン市である。プノンペンには「東洋のパリ」と謳われたフランス植民地時代の美しい街並みが方々に残っている。一方、シェムリアップ市はアンコールワット遺跡群の観光拠点として国際空港があり、世界中から観光客が訪れ賑わっている。カンボジアの中心部には湖とメコン川の支流が合わさったトレンサップ湖があり、この周辺の平野部にはカンボジアの人口の三分の一が居住し、農業、漁業で生計を立てている。またアンコールワット遺跡もこの湖の北方に位置する。

カンボジアのGDPは177億米ドル、一人当たり年間の国民平均所得は2,600ドルで、年収400ドルに満たない人々が人口の半数を占めている。国の経済発展が至上課題であり、政府は国を挙げて経済発展に取り組んだ結果、経済成長率は年率7%以上の発展を続けており、国民の生活も徐々に変化の兆しが見える。

カンボジアは歴史的に数奇な運命にさらされてきた。過去にカンボジアがもっとも輝いたのは9世紀から13世紀迄のクメール王朝の統治の時代であった。カンボジアの誇る世界遺産のアンコールワットやアンコールトムの遺跡群はこの時代に建造されたものである。18世紀になるとヨーロッパで高まった植民地化の為の侵略をヨーロッパ各国から受けたが、19世紀中半にフランスの保護国となり漸く国が安定した。1953年フランスから独立したものの、ベトナム戦争の勃発によりカンボジアでも内戦が始まり、1975年にポルポト政権が誕生すると、政策に批判的な思想家、芸術家など多くの知識人が逮捕、殺害された。その為、カンボジアに古くから伝承されてきた王宮古典舞踊やこの国、独特の影絵劇(スバエク)等の無形文化遺産が消失の危機にさらされた。1979年1月にポルポト政権が崩壊すると、民主選挙が行われ、立憲君主制が採択されてようやく平穏を取り戻した。

産業は農業が中心で国土の3割を農地が占め、その殆どが米作である。工業では縫製業が中心で、安い労働力により競争力が高く、同国の輸出を支えている。
日本、カンボジア両国の関係は大変良好で、同国への経済援助は他の国と較べ圧倒的に多い。

この度、ソニーイメージングギャラリーで開催する写真展では2名の写真家が参加して、カンボジアの文化や人々の暮らしを紹介する。この写真展を通じ、我々日本人にとって、アンコールワットだけではないカンボジアの真の姿に接することによって、カンボジアの新たな側面を理解することにより、更なる相互理解が進むことを期待する。

展示点数
プリント約40点、スライド、モニターによる展示
写真家
主催
公益社団法人 日本写真協会「東京写真月間2017」実行委員会
後援
外務省・環境省・文化庁・東京都・カンボジア王国大使館