ソニーイメージングギャラリー 銀座

伏見行介 作品展 Toward the Landscape -見える時、見えない時-

これまでに写真展を4回開催してきました。テーマはすべて人物、しかもモデルさんを被写体にした写真展でした。でも、今回は人物の作品展ではありません。
私は、毎日肩からカメラをぶら下げている「珍しい?」プロのフォトグラファーです。カメラをぶら下げていれば、当然さまざまな写真を撮ります。街かどや行く先々で気になる“風景”があればシャッターを切ります。今回はその気になる“風景”を私なりの視点で集めた作品展です。

私は風景写真家の方のように、撮影目的で旅に出ることはありません。展示する作品は、すべて私の普段の行動範囲の中で見つけた“風景”ばかりです。プロのフォトグラファー、特に広告系やファッションのフォトグラファーは、仕事以外にはカメラを持たない人もいます。ちょっと不思議に思います。
今回の作品には、常にカメラを持っているからこそ撮れたシーンがたくさんあります。でも、いい写真を撮ってやろうなどとは思って撮っているわけではありませんし、何か決まったテーマを設けて撮っているわけでもありません。自分のイメージに追い込んでいくようなストイックな撮影はプライベートではしません。目に飛び込んできたシーン、気になったシーンをサクッと直感で撮るだけです。

作品展のタイトル「Toward the Landscape」を日本語に訳すと「風景に向かって」ですが行間には「ふと、目にとまったから撮ってみた」という意味もあります。毎日の行動の合間、合間で撮るのですが、常にその気になる“風景”が見えるわけではありません。ですから「-見える時、見えない時-」というサブタイトルを加えました。それは前述したように被写体を追い求めているのではなく、日常の中で気になった光景に気づいたときに撮る、それが私のスタンスだという意味もあります。

話は変わりますが、展示する作品を何人かにお見せしたとき、こう言われました。
「すごく都会的でオシャレでかっこいいスナップ写真ですね」と。
私は、東京生まれ、東京育ち。毎日、見ているのは都会です。都会で育ち生活しているからイメージとしての“都会らしさ”が直感的にわかるのかもしれません。でも、意識したことはないですし、“スナップ”を撮っているつもりもありません。何度も申しますが感じたものを感じたままに撮っているのです。長年、広告写真家として撮影を続けていると「ここからこう切り取れば、こういう仕上がりになる」ということを自然と身に付けているのでしょう。気になったシーンをサクッと撮ってはいるのですが、どこかに広告写真家の“イヤラシイ(苦笑)”撮影テクニックが入っているのかもしれません。

作品展には、2003年から日記のように毎日毎日撮り続けてきた膨大なカットから選んだ作品を展示しています。その作品から受けるイメージは、卓越した文章よりも遥かに都会の日常の面白さを饒舌に語ってくれるはずだと自負しています。
見方は自由です。何かを感じていただければと思っています。
たくさんの方にご来場いただければ幸甚です。

伏見ふしみ 行介ゆきすけ プロフィール

東京生まれ。和光大学人文学部人間関係学科卒 同芸術学科専攻科中退。大学在学中に長友健二氏に師事。卒業後、杉木直也氏 熊谷晃氏に師事。ケン・モリ、シー・チー・コー氏にニューヨークにて短期師事。

  • 広告系コンテスト入賞入選多数
  • ポラロイドギャラリー、キヤノンギャラリーで個展
  • 株式会社MASH代表
  • 日本広告写真家協会会員(APA)/常務理事
  • 日本写真家協会会員(JPS)/広報委員
  • 日本写真協会会員(JPA)