Sony Imaging Gallery ソニーイメージングギャラリー銀座

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九州産業大学大学院芸術研究科 写真展

またとない時

2017年11月10日(金)~11月16日(木)
11:00~19:00

 本写真展は、九州産業大学大学院芸術研究科 写真領域に在籍する大学院生による展覧会です。タイトルは「またとない時」。私たちは大学院の2年間という時間の中で、それぞれ6名が表現したい物事を追い求め、日々制作に励んできました。
 伊藤友博は、今現在の光景から大きく変貌を遂げようとしている大阪環状沿線を歩き、その周りに見える光景を写し止めました。伊東朋宏は、自身の生活の中で見える光景を撮影し、自身の感情や、無意識のうちに感じている思いを表現しました。木村萌恵は祖父が戦時中に書いた日記と写真を基に、今までの生い立ちを自身の目で見た祖父の人生という形にしました。別府康介は、目には見えないがそこに存在している波長と、今までの後悔している自分の在り方が重なった瞬間の撮影をしています。前之園幸花は、人と出会う時、シャッターを切る時のように一瞬息が止まるように感じる、その感覚の記憶を表現しています。松村菜穂は自分の生まれた場所に立ち帰り、家族の気配を感じながら、言葉にできない何かを測ろうとしながら撮影をしています。
 「またとない時」というタイトルが表すように、眼前に現れる一瞬の時や感情、自身の思いを、過ぎ去る時間、二度と訪れることのない瞬間など6人それぞれの感性をお楽しみ下さい。

【作者の紹介】
■伊藤 友博(いとう ともひろ)
大阪環状線は大阪の中心部にありながら短い路線距離の中で都市部、下町、観光地など多彩な表情を見る事ができます。沿線を歩くとそこには多くの人々の暮らしがあります。本作品では徐々に消えつつある昭和の雰囲気が漂う沿線に集う人々の姿を切り取りました。

■伊東 朋宏(いとう ともひろ)
「写真は時代を映す」というセリフは色々なところでよく見かけますが、確かにそうかもしれません。しかし、それは即物的な視点で映されるというよりももっと、形而上的に映されるものであり、写真はそれだけの精神性を知覚できるポテンシャルを持った芸術だと思います。私から言えるのはそれだけです。

■木村 萌恵(きむら もえ)
祖父の記憶の中に一番濃く残っているのは、戦争の経験だと知ったのはこの撮影を始めてからでした。祖父へ何か残したいという思いが、生い立ちを知るうちに、私の目から見た祖父の記憶を形にしたいと思うようになりました。展示では、私が撮影した今の祖父や生まれ育った場所の写真と共に、祖父が戦時中に撮った写真をスライドショーにしています。

■別府 康介(べっぷ こうすけ)
私は、忘れられた存在を撮っています。
今回は撮影を続けて行く中で、忘れられた存在と自分の幼年期の後悔とが重なっているように思え、少しずつ過去を振り返りまとめました。そうやってあてのない答えを探しながら写真を撮っています。

■前之園 幸花(まえのその さちか)
なんとなく歩いた道で、一度きりの出会いがある。
出会った人がどんな場所で何をしていたのか、私は写真を使って記録する。
人と出会うとき、シャッターを切るときのように一瞬息が止まる。
息を止めるとき、私は何かを記録し記憶している。

■松村 菜穂(まつむら なほ)
ある時、明け方に急に目が覚め、青く光る窓の外から漁船のエンジンの音が聞こえてきたことがありました。カーテンを開けると、そこにいたのは船ではなく大きな清掃車だったのです。真夜中に、道路の汚れを落としながら通りを行くその音が、私には船と波の音に聞こえたのでした。自分の写真に考えを巡らせる時には、いつもそのことを思い出します。