ソニーイメージングギャラリー 銀座

並木隆 作品展 心花 こころ

タイトルの『心花(こころ)」には、“花”と長年向き合ってきた“思い”が込められている。
写真家として活動を始めてから、これまでずっと一筋に花を撮影してきた並木氏。あるとき「なぜ自分は風景や人物ではなく花を撮ってきたのだろう?」と自身に問いかけたことがあったそうだ。そして、自分の心に「美しい」と素直に思えた花にしかレンズを向けておらず、心に響いた瞬間だけを素直に撮影してきたことに気づいた。それは、自分にとって当然のことだったと言葉を続けた。
「花には人の心を和ませる“力”がある。その力は思ったより強いものだと、撮れば撮るほど、そしてたくさんの人に見てもらえば見てもらうほどわかってきた。そして自分の心に響いた瞬間を写さないと“花の力”を魅力的に撮影できないことも。」・・・・・タイトル『心花(こころ)』は、そんな並木氏の思いを表現したものだ。

「花の写真」と聞くと、マクロレンズで花芯をクローズアップしたカットや、望遠レンズで花を明るくアップで捉えたカットを思い浮かべられる方が多いのではないだろうか。しかし、並木氏の作品には、そうした“セオリー”に忠実な花の写真とは異なるアプローチや、あるいは“セオリー”とは逆の目線で花を描いた作品が少なくない。森の中の日陰にたたずむやや暗めに描き出された一輪の白い花、逆にまぶしいほどの明るい陽射しを浴びた“写真道“的には露出オーバー気味とも言える花たち。日陰には日陰らしい表情があり、明るい光に包まれた花には光を浴びる心地よさを。感じるままに素直に表現したいという並木氏らしい世界が広がる。
花が咲き誇り、緑が生き生きと背を伸ばす季節。並木隆がずっと向き合ってきた、感じるがままの花の世界をご堪能ください。

並木なみき たかし プロフィール

1971年生まれ。高校生時代、写真家・丸林正則氏と出会い、写真の指導を受ける。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)中退後、フリーランスに。花や自然をモチーフに各種雑誌誌面での作品発表。日本写真家協会、日本自然科学写真協会会員。