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Englishソニーイメージングギャラリー 銀座

服部一人 作品展 駅・雑踏・トラム

駅は人々が交わる場所だ。
多くの人が集まり、つかの間の時を過ごし、それぞれの目的地へと向かってゆく。
出迎えと別れ、旅立ちと帰郷、旅人や異邦人、通勤や通学の人の流れ。見知らぬ人々が行きかう中で、一瞬の情景を見せることがある。

街の雑踏を走るトラム(路面電車)は人々の生活を乗せている。
老人も若者も、勤めに出るときも家路をたどるときも、そして友人や恋人に会うために。
たがいに話すこともない、さまざまな人が同じ車中に乗り合わせ、また別々の場所で降りてゆく。

駅もトラムも人と鉄道がとても近い。このふたつが出会うところ、雑踏の中で日々ささやかなドラマが生まれては、すぐに消えてゆく。
この一瞬の出来事をすくい取るようにカメラに収めた。これは人と鉄道が織りなす街の日常風景である。

服部一人 (はっとり かずと)

1961年名古屋生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。(株)日本デザインセンター勤務の後、独立行政法人国際協力機構(JICA)により、ケニア国立ナイロビ博物館、タイ チェンマイ山岳民族博物館、アユタヤ歴史研究センターに派遣。帰国後、東京をベースにフリーランスフォトグラファー。日本大学芸術学部写真学科非常勤講師。