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南部実還 作品展 MAGALLANICA 墨瓦蠟尼加 -メガラニカ-

発掘された“遺跡、遺物”が、その地域の歴史や地理的な背景に照らし合わせると、何を目的に創作され、建造されたのか、学術的に解明できていないものが多く存在している。そのような遺跡や遺物は「オーパーツ(OOPARTS/out of place artifactsの略)」と呼ばれている。
例えば、ペルーの「ナスカの地上絵」やアンデス山麓に建つ石造都市の「マチュ・ピチュ」、イギリスの「ストーンヘンジ」等は有名なオーパーツだが、その他にも知られてないものがたくさんある。
歴史学的、考古学的には注目されていない謎多きオーパーツ。だからこそ、そこにロマンを感じて追い求める人々が世界中にいる。写真家の南部実還(ナンブ ミカエル)氏もその一人である。

オーパーツの中には荒唐無稽なものがたくさん存在する。兵庫県太子町にある斑鳩寺に、聖徳太子が作ったと言われる地球儀が伝わっている。そもそも、その時代の日本には地球が天体だという概念はなかったはずだ。しかし、個々のオーパーツの真贋を論ずるよりも、「もし本当なら」と考えたほうが夢があるとミカエル氏は言う。

作品展タイトルである「墨瓦蠟尼加(メガラニカ)」は、その地球儀に描かれている想像上の大陸の名前だ。
「地球が誕生し、天文学的な時間を経て現在があります。その時間の経過の中で、実は我々の知らない“歴史や高度な文明”が存在し、ある時代に、ある理由でそれらが消滅した、という可能性はゼロではないと思います。オーパーツは、その“消えた時代”の遺物や遺跡だと仮定すると、そこに様々なイメージが湧き上がります。」

オーパーツは、現代の私たちの常識では思いもよらない目的で創られたのかもしれない。そうであるなら“消えた歴史”の中で、当時の彼らはどんな催事や儀式を行っていたのか?どんなファッションやメイクを施して祈りを捧げ、舞っていたのか?作品は、そこから広がるミカエル氏のイメージを元に、スタイリストやメイクアップアーティストと一緒になって作り上げたものだ。
消滅したかもしれないその時代に思いを馳せながら、ミカエル氏の“やがて終わってしまう文明を見つめる地球の視点”で描いた空想の世界を楽しんでいただける作品展である。

南部実還(ナンブ ミカエル)プロフィール

1983年 南仏マルセイユ生まれ。
2005年 九州産業大学芸術学部写真学科卒業。
2009年 六本木の撮影スタジオに勤務したのちフリーランスとなる。
2014年 都内に株式会社ウィデアの阿部弘幸氏とスタジオを設立。
現在は、雑誌、広告、パーティスナップ、フランスでのファッションスナップなど幅広く手がけている。

個展
2017年12月「ARTIFACT展」(ソニーストア福岡天神)
2018年2月「ARTIFACT展」(東京妙案ギャラリー)