SONY

〜DE&Iの取り組み〜ソニー・太陽で新入社員向けにダイバーシティ研修を実施

〜DE&Iの取り組み〜ソニー・太陽で新入社員向けにダイバーシティ研修を実施

2024年02月13日

ソニーは「世界中の人と社会に、テクノロジーの追求と新たなチャレンジによって、『感動』と『安心』を提供し続ける」ことをVision(ビジョン)として掲げています。
この感動と安心をお届けするには、多様性の視点が欠かせないという考えのもと、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)とアクセシビリティをサステナビリティの重点領域と位置づけさまざまな取り組みをおこなっています。

特にDE&Iにおいては、これまでも多様な事業や社員を大切にし、そうした多様性がイノベーションを生み、活気あふれる企業文化を形成してきました。 このソニーのDNAを新しい形で未来につないでいくために、ソニー・太陽でインクルーシブデザインをプログラムに組み込んだ新しいDE&I研修を新入社員にむけて実施しました。

ソニー・太陽株式会社は、大分県速見郡日出町にあるソニーグループ株式会社の特例子会社です。ソニーのファウンダーの一人、井深 大が1978年に障がい者の社会参加を支援する"社会福祉法人 太陽の家"の運営に賛同し、設立しました。マイクロホンやヘッドホンの設計から製造まで行う、マイクロホンの基幹工場です。現在では、ソニーグループ各社の技術情報・環境情報などの管理やWebサイト業務、障がい者雇用支援にも拡大し、業務は多岐に渡ります。

太陽の家に展示されている車椅子マラソンで使用する車椅子
ソニー㈱としても23年度から大分車いすマラソンの成績優秀者に製品を贈呈しています

研修1日目は「太陽の家」とソニー・太陽を見学したほか、インクルーシブデザイン講義を実施しました。「太陽の家」は1964年東京パラリンピックにて日本選手団の団長を務めた整形外科医中村裕氏が、障がいのある外国人選手の多くが仕事を持っていることを知り、日本でも療養するだけではなく、障がいのある方の社会参加、特に仕事を通じての自立とスポーツが大切であると考え、1965年に設立されました。ここでは、障がい者は自分自身を見つめ直し、自らを正しく理解し受け入れることが求められており、各々が仕事をもって活躍しながら、地域社会で自立した生活を送っています。

太陽の家近辺の点字ブロックが施された横断歩道と
車椅子に乗って使用できる電話ボックス

ソニー・太陽の工場では、実際に障がいのある社員が活躍する職場を見学。就労環境を社員一人ひとりの障がいに配慮した形で整備しています。会議では字幕機能がデフォルトであり、視覚障がいのある方は作業の際に読み上げ機能を利用するのはもちろんのこと、ヘッドホンの製造ラインでは聴覚障がいのある方が画面の波形を見て音質検査ができるようになっていたり、車いすの方が作業しやすいような昇降型のデスクや作業スペースのレイアウトになっていたりと、さまざまな工夫が施されています。

ソニー・太陽の社員が職場を紹介

2日目には、インクルーシブデザイン・ワークショップを実施しました。「インクルーシブデザイン」とは、多様なユーザーを包含(インクルード)し理解することで、新たな気づきを得て一緒に製品やサービスをデザインする手法です。

ワークショップの様子
フィールドワークの様子

この手法を取り入れた「インクルーシブデザイン・ワークショップ」では、視覚や聴覚、四肢などに何らかの制約のあるソニー・太陽の社員が協力し、テーマに基づいてチーム単位で行動し、対話するなかで得た気づきから、社会全体の新たな課題を設定することを目的としています。ソニーでは、障がいのある社員がものづくりの領域だけでなく、商品・サービスの開発や人材育成の領域にも積極的に参画しており、その中で新たな問題提起や価値創出がおこなわれ、ソニーの事業活動に大きく貢献しています。これらはソニーのダイバーシティ推進における一つの大きな強み、特徴となっています。

研修では、与えられたテーマを軸に新入社員と障がいがあるソニー・太陽の社員が一緒に別府の街を歩きながら、行動を観察するフィールドワークを行いました。例えば、新入社員が「これは不便なのかな」と思うことでも、ソニー・太陽の社員に聞いてみると「それは不便ではない、むしろ楽しい」といった意見が出ることもあり、新しい気づきがありました。インクルーシブなマインドを形成する為には、今までの先入観や思い込みを取り払うことがとても重要です。一方で、普段は何気なく歩いている歩道でも障がいがあるソニー・太陽の社員にとっては様々な危険が潜んでいることを学び、どうすればその不安を解消できるかなど改善点を見出すことが、今後新たな課題として上がってきます。

フィールドワークでの気づきについて話し合う様子
車椅子に乗って段差や坂道の移動を体験

本研修を通して、「日常生活や日々の業務の中で、今回学んだ「多様性やダイバーシティ、インクルーシブデザイン」について、少しでも考えることが、価値観や文化の招請につながると学んだ。このような視点を、商品開発・設計に生かしたい。」「(いい意味で)障がいの有無を問わない15年後の未来を、自分の携わる製品で切り開いていきたいと思った。」「インクルーシブデザインと聞くと、障がいのある方にむけたデザインのような印象だが、今回の研修を通して、自分ごととして捉えることで、万人に対するニーズでもあることを理解することができた。」など、新入社員は自分とは違った人の視点に立ち、理解を深めながら、自分事として捉えることがDE&Iの推進や新しい価値の発見につながることを認識している様子でした。

ソニーでは今後も多様な方々を魅了する製品の創出とインクルーシブな世界の実現に向けて取り組みを加速していきます。

このページの先頭へ