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English ソニーイメージングギャラリー 銀座

一色龍太郎 作品展 沖縄 - 旅の記憶 -

団体旅行やよそ行きの格好をしていく旅より、ラフな格好で一人か少人数で行く方が自分には向いている、というか好きだった。活動範囲は広くなかったが、高校の頃からそんな旅をしていた。

沖縄が本土復帰を果たした1972年の翌春、船で初めて沖縄に行った。その時に那覇市内の平和通り商店街を歩いた。道脇で木箱の上に板を敷いた簡単な販売台に、イカやアイゴの稚魚の塩漬をコーヒーの空き瓶に詰めた商品などを並べ、数人の女性たちがより合うようにして売っていた。頭の後ろで髪を結った小柄な老婆がお客を相手に手こずる勘定を、隣で商う婦人がそろばんで計算をして何度か助けてあげている姿に心が奪われた。戦時中、沖縄は日本で唯一地上戦が繰りひろげられ激しい戦闘の末、家は焼失し多くの犠牲者を出した。戦後の占領下、皆で生きていくために芽生えていった助け合いの文化かもしれない。

5年後の7月、海の透明度では世界的に有名だった沖縄の座間味島に行く機会を得た。コバルトブルー、エメラルドブルーと呼ばれる海色の輝きや、桟橋から海中を覗くとデカイ魚が奥底を泳ぎ回る様子がハッキリ見える透明度の高さにも驚嘆した。美しく煌めく自然や風土に魅せられて、何度も訪れては古くからある市場や裏通り、離島などを歩き、様々な風土や光景、情景を写し続けた。

思い返してみると、初めて訪れたときから半世紀近くが経っていた。撮り溜めた古い写真一枚一枚を見つめていると、脳裏の片隅で眠る、かすかな記憶に辿り着いた。記憶はゆっくり目を覚ましはじめ、遠い日のすっかり忘れていた出来事が懐かしく甦っていった。

一色 龍太郎(いっしき りゅうたろう)プロフィール

1951年、愛媛県西条市に生まれ、松山商科大学で探検部に所属し山や海、洞穴探検など、アウトドアに浸る。写真業に従事しながらプライベートで「人と自然」をテーマに石鎚山系山間と沖縄を撮っている。

【写真展】

2010年
太陽の沖縄東京 ペンタックスギャラリー
2014年
太陽の沖縄愛媛・西条 ひうちギャラリー
2016年
石鎚山に抱かれて東京 リコーイメージングスクエア新宿
2018年
四国 石鎚山里物語東京 リコーイメージングスクエア新宿
2018年
四国 石鎚山里物語大阪 リコーイメージングスクエア大阪
2019年
モノクロの昭和愛媛・今治 河野美術館
2019年
沖縄愛媛・今治 あさくら古墳美術館

【受 賞】

1979年
公益社団法人 日本広告写真家協会展(APA展)奨励賞
1991年
公益社団法人 日本写真家協会展(JPS展)優秀賞
2011年
一般社団法人 二科会写真部会員努力賞
2019年
公益社団法人 日本広告写真家協会展(APA展)奨励賞
2021年
愛媛出版文化賞 奨励賞など

【写真集】

1998年
とっておき撮影地ガイド(グラフィック社・共著)
2015年
銀納義民350周年写真集(私家版)
2020年
石鎚山に抱かれて(アトラス出版)

【所 属】

日本写真作家協会・二科会写真部・全日本剣道連盟(錬士7段) 各会員