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English ソニーイメージングギャラリー 銀座

馬場さおり 作品展 その男, 彭志維 (ポン・ツー・ウェイ)

 私は2021年1月から台湾の大学で教えています。そこで、彭志維(ポン・ツー・ウェイ)に出会いました。彼は私に様々な体験をさせてくれ、台湾の文化や生活習慣について深く知ることができました。

 日本は戦後、「家」制度が廃止され、高度経済成長期から欧米型の核家族理念が浸透し、核家族化が進みました。そして現在、少子化や単身高齢者の問題が深刻です。一方台湾は、今もアジアの伝統的な「家」意識を大切にしています。しかし、日本と同様にワーキングプアの若者が問題になっています。彼らは家庭を持っても親元から独立できず、少ない給料で子供や高齢の親などの大家族を支えなければなりません。また、台湾は女性の社会進出やLGBTQの政策が進んでいますが、日本以上に家父長制度が残る社会であることにも驚きました。女性の社会進出が、女性の社会的・家庭的な地位向上には繋がっておらず、特に家庭内での女性の負担は大きいうえ、男性は面子を保つことを非常に大切にします。
そのような社会の中で、彭志維(ポン・ツー・ウェイ)は、『男』として家族を守るため、臨時工としてコンクリート工事の仕事に従事しています。1円でも多くのお金を稼ぐため、昼も夜もなく働き続けていました。『男』として家族を守るというのが、彼の口癖でした。私は大学でジェンダー学についても講義していますが、今を必死に生きる彼の前では、ジェンダーバイアスという言葉さえ虚しく感じました。

 家族とは?お金とは?人生とは?幸せとは?

 答えのない問いですが、彼の生き様は、ひとつの答えなのかもしれません。

馬場さおり

 家父長制度が色濃く残る台湾で,
「男」として二人の娘を育てるシングルファザー,
彭志維(ポン・ツー・ウェイ)
実家に娘たちを預け, 昼も夜もなく働き続ける
台湾中を移動し, 肉体的・精神的にもギリギリの出稼ぎ生活
月に数回, 娘たちに会うのが唯一の楽しみだ

“『男』として家族を守る”

それは, 多様なライフスタイルが叫ばれる現代において,
ひどく時代遅れな響きの言葉だ
しかし, そんな彼の生き様を誰が否定できるのだろう

「その男, 彭志維(ポン・ツー・ウェイ) 」

馬場 さおり(ばば さおり)プロフィール

  • 1978 福岡市生まれ 福岡市在住
  • 2015 九州産業大学大学院 芸術研究科 博士前期課程修了
  • 2018 九州産業大学大学院 芸術研究科 博士後期課程修了、芸術博士号取得
  • 2020年4月~現在 九州産業大学 芸術学部 非常勤講師
  • 2021年1月~現在 台南應用科技大学 藝術学部 助理教授

[個展]

  • 2015 「2.7% ~若年性乳がんを発症した私~」新宿ニコンサロン(東京)
  • 2016 「The View Through My Blood」ソニーイメージングギャラリー銀座(東京)
  • 2016 「Bachata en Fukuoka」ソニーストア福岡天神(福岡)
  • 2019 「peeping room」嘉麻市織田廣喜美術館 (福岡)

[グループ展]

  • 2014 「On the way~道の途中~」コニカミノルタプラザ(東京)
  • 2015 The Emerging Photography Artist 2015 六本木アクシス(東京) ソニー賞受賞
  • 2015 倉敷フォトミュラルf (岡山)
  • 2016 三菱商事ゲートアートプログラム入賞展(東京)
  • 2016 新世代アートフロンティア展(福岡)
  • 2016 倉敷フォトミュラルf (岡山)
  • 2017 ウムQ 上野の森美術館(東京)
  • 2018 Epson meet up! Exhibition (東京)
  • 2022 APAアワード2022 第50回公益社団法人日本広告写真家協会公募展(東京)

[その他の活動]

  • 2013 米国National Geographic誌 英語版8月号に編集者選出でYour shot掲載
  • 2016 モーターマガジン社 月刊カメラマン9月号「カメラマン最前線」にて7ページに渡って特集される。
  • 2016 三菱商事アートゲートプログラム入賞。作品買取。
  • 2016 新世代アートフロンティア展入賞
  • 2018年11月~2019年12月 モーターマガジン社webカメラマンにて公式ライターとして連載
  • 2019 EPSON meet up! Selection 優秀賞受賞
  • 2022 APAアワード入選