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九州産業大学大学院 芸術研究科 造形表現専攻 写真領域 作品展 境遇

 本展は、九州産業大学大学院 芸術研究科 造形表現専攻 写真領域に在籍する7名の学生による写真展です。

 目まぐるしく変化する社会情勢において、全ての人や物がそれぞれの境遇に置かれています。本展のタイトルである「境遇」はそれぞれ過ごした時間と環境から感じ取ったことを元に、共通のテーマで写真表現を追求している意味を込めています。

 自身が感じた人生の意義を線や形で表した王 思誠(オウ シセイ)。自身が見た夢を通じて自己意識を表した崔 子博(サイ シハク)。物と環境の関係に興味と関心を持ち考察した鐘 秋月(ショウ シュウゲツ)。隔離を経験したことで人の孤独さを表した潘 禕晨(バン イシン)。九州の鉄道と線路際に広がる環境を捉えた山下 智史。繁栄した都市の中で静けさを探究した李 启睿(リ チーレイ)。外国人という視点から日本の文化を捉えた劉 立奇(リュウ リッキ)。

 本写真展を通じてあらゆる物事の境遇について感じ取っていただけると幸いです。

王 思誠(オウ シセイ)

1996年生まれ、中国上海出身。
写真が好きな父の影響で2015年上海工程技術大学に入学し、本格的に写真の勉強を始めた。在学中は中国の伝統文化を中心としたドキュメンタリーを制作する。また日本の写真文化に触れ、表現力に感心したことによって日本に興味を持ち、2021年九州産業大学大学院に入学。日本で勉強したことを活かし、現在は人間関係や自身の人生観の表現をテーマとした作品制作を行っている。

崔 子博(サイ シハク)

1996年生まれ、中国北京出身。
幼い頃から写真に興味を持ち、父のカメラを使って身の回りの風景を撮影していた。2020年にコロナウイルスが蔓延し、人と関わる機会が減ったことにより、自分自身について深く考えるようになり、特に自分自身の心境や夢境を分析することに深く興味を持つようになった。そのことから自身の夢や外の環境との繋がり、居場所の具体化をテーマとした表現を日々追求し、制作を行っている。

鐘 秋月(ショウ シュウゲツ)

1995年生まれた、中国河南省出身。
自身が過ごしてきた故郷はかつて自然豊かな場所であり、家族と一緒にピクニックをすることが多かった。しかし私が成長するにつれて都市開発が進み、これらの自然景観は徐々に高層ビルへと姿が変わっていった。2020年に来日し、現在過ごしている福岡において人工物と自然が共存していることに興味を持った。そのことがきっかけで人間文化と環境との融合をテーマとした表現を模索している。

潘 禕晨(バン イシン)

1998年生まれ、中国武漢出身。
小学生の頃にカメラを買って以来、身の回りを記録するようになり、やがて写真を撮ることは生活の一部となっていた。2021年九州産業大学院芸術研究科に入学し、より多くの写真の知識や表現方法を探究し続けている。幼い頃から自身が撮影する被写体の多くが人であり、現在も人を撮ることに興味を持っている。また鏡のように人を撮ることによって自己理解を深められると考えている。

山下 智史(やました さとし)

1998年生まれ、神奈川県出身。
父や祖父の影響で幼い頃より鉄道に興味を持ち、実家のすぐ近くを線路が通っていたため、とても身近な存在であった。15歳に一眼レフカメラを手に入れたことをきっかけに本格的に鉄道写真の撮影を始め、日本全国を巡るようになる。次第に自身の生まれ故郷である九州を走る鉄道に強い興味を持ち、大学進学を機に福岡に移住する。移住後は九州各地を積極的に巡るようになり、鉄道車両のみならずその周りに広がるロケーションに魅せられて、鉄道と環境の記録をテーマとした撮影を続けている。

李 启睿(リ チーレイ)

1997年生まれ、遼寧省大連市出身
5歳の頃に初めて家族旅行で日本に訪れ、その時に中国と日本の建物や道路のレイアウトなど、街のつくりの違いに興味を示す。その後何度か再び日本に訪れてはそのことに注目し、日本の都市への興味を深めた。2021年九州産業大学大学院写真学科入学後、また自身の感性を交えつつ、外国人の視点から日本の都市風景への考察を深め、それらをテーマとした作品の制作や表現を続けている。

劉 立奇(リュウ リッキ)

1995年生まれ、中国四川省出身。
様々な人の生活を観察することによって、自分自身の生活をより豊かにすると考えており、大学在学中に観察したことを写真で記録するようになった。2018年に来日して生活していくうちに、中国とは異なる日本の社会問題に注目するようになった。特に高齢社会に関心を持つようになり、その最中で自身が通う高齢者が経営する酒場をテーマとした作品を制作している。