English ソニーイメージングギャラリー 銀座

© TOMIMO+AKINA
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第13回公募セレクション作品 トミモとあきな 作品展 MANAKO :Where Water Gazes Back

 水の“まなざし”を写真に捉える試みを『MANAKO :Where Water Gazes Back』という表題にのせて制作しました。2019年に実験と制作を開始したシリーズであり、「写真に“私”は転写するのか」という問いへの私なりの回答です。また水が“私たち”をまなざすことによって自己のイメージを揺さぶり変容させることが目的です。

 かつて人間が“自分自身のイメージをみる”ためには、奥行きのある鏡である水という他者が必要でした。そしてここでいう水とは、“他者”のことであり同時に“自分自身”のことでもあります。“まなざし”は見るもの見られるものどちらから始まったのだろうか。水がまなざしたから人間はまなざしたのか。水がまなざしたから私はカメラを向けたのか。はたまたその逆か。“まなざし”によって立ちあがる“自己”と“他者”との出会いの融合、そしてそのまなざしの瞬間の美を探求・表現したいと考えています。

私たちは心の奥に深い水の鏡を持つ
伊藤俊治(美術史家/東京藝術大学名誉教授)

「鏡(ミラー)」は語源的に「驚愕する(ミラーレ)」と結びついている。その像は、人を驚かせるイメージの出現であり、見る者の外面と内面の世界を照らし出していた。「そのように見えるところのもの」を鏡は映し出す。鏡像とは、本当にあるのではない、実体を欠いたものだと人々は知っていた。しかし目に見えるものとは、常に目に見えない何ものかに似た像なのである。創造主は、いつも鏡の向こうで被造物である人間に微かに感知されてきた。

トミモとあきなの「MANAKO : Where Water Gazes Back」は、こうした繊細な知覚のやりとりへフォーカスをあてている。その渦巻くような、螺旋を原型とする、重層的な写真は、鏡と初めて出会った人々の想像力をとどめ、私たちを見返してくる。

こちらは写真集に掲載されているテキストの一部です。全文は写真冊子内でご確認いただけます。

ギャラリートーク
ゲスト:大和田良さん

ギャラリートーク
ゲスト:圓井義典さん

トミモと あきな(とみもと あきな)プロフィール

自他の視線からなる幻の自己像を解体し、人間と機械の視線を織り交ぜながら作品を制作。人間の視線だけではなく機械の視線をも組み込むことで現実と現実味のギャップを探求している。
主な展示に、『マモノ』(銀座ニコンサロン, 2018)、『HUMAN<3』(京都国際映画祭, 2019)、トミモトラベル名義『私のバスはどこですか?』ほか。
著書に『mamono』(PlaceM出版, 2020)。東京藝術大学院先端芸術表現科修了。